2007-11-15
仏極右政党「国民戦線」が党本部を売却
『インターネット新聞・JANJAN』に【 仏極右政党「国民戦線」が党本部を売却】という記事を書きましたので転載します。
一部有権者から長年、支持されてきたフランスの極右政党の老舗「国民戦線」がパリ郊外にある党本部を売却することを決定した。党勢の低迷による財政難が理由で、今後、党が存続できるのか危ぶまれている。
そもそも国民戦線は王朝復活をもくろむ王党派、カトリック・ロビー、戦前からのファシストの流れをくむ極右の政治勢力が入り混ざって1972年6月に設立された。ジャンマリー=ルペン氏が創立以来、党首の座についている。結成当初は政治的影響力のない弱小政党に過ぎなかったが、1980年代に入ってフランス経済が悪化し失業者が急増すると、同党の支持率は鰻登りで上がり、選挙のたびに着実に票を伸ばしていった。
1986年下院議員選挙では選挙制度が比例代表制に変わったことから、270万3442票(9.7%)を得て、35議席獲得した。しかし、それ以降は小選挙区制に戻ったことから、議席は0~1と低迷する。1997年以降、景気が回復し失業率が低下すると、同党の支持率は低下していった。さらに1998年末には同党ナンバー2だったブルーノ=メグレ氏とルペン党首の権力闘争が激化して、メグレ氏は党組織の半分を割って、1999年1月に新政党「共和国運動」を結成した。
しかし、2002年大統領選挙でルペン党首は大方の予想に反して、第1回投票で2位につけ、決選投票に進出して、世界中に衝撃を与えた。しかし、今春の大統領選挙では前回得票を大幅に減らし、4位の383万4,530票(10.44%)を獲得しただけで、国民戦線の不振を印象づけた。
ルペン党首は「国民戦線は永遠に不滅だ」と意気軒昂だが、78歳という高齢のルペン党首がいなくなった場合、党が存続できるか懸念する声は党内で多い。