2007-09-15

自衛隊の給油活動を高く評価~仏新政権 旧政権の撤退方針を転換、アフガン増派に向かうフランス

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オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
主題:自衛隊の給油活動を高く評価~仏新政権
副題:旧政権の撤退方針を転換、アフガン増派に向かうフランス

【本文】

 10日に始まった臨時国会では、テロ対策特別措置法に基づく海上自衛隊のインド洋での給油活動の継続をめぐり、冒頭から与野党の激しい攻防が展開されている。

 一方のフランス。5月に就任したばかりのニコラ=サルコジ大統領は、ジャック=シラク前政権下で撤退が検討されていたアフガニスタンにおける軍事作戦を、方針転換して強化する方針だ。

 それまでフランスは、アフガニスタン国際治安部隊(ISAF)に約1000人派兵していたが、撤退の方針で、タリバン掃討を目的とする米国主導の「不朽の自由作戦(OEF)」に派遣していた200人の特殊部隊を2006年末に引き上げていた。

 新大統領の方針に基づき、エルヴェ=モラン仏国防相は2007年中に新たに200人をアフガンに派兵し、ミラージュ戦闘機6機を今秋からアフガニスタン南部カンダハルに配置すると8月末に発表した。続く9月初旬には自らアフガニスタンを訪問、ハーミド=カルザイ大統領と大統領府で会談した。モラン国防相は「アフガン国軍をこれまでと変わることなく支援していく」と表明し、カルザイ大統領は両国の関係を「歴史的なものだ」と絶賛した。

 8月27日に世界中の大使を集めて開かれたフランス大使会議では、サルコジ大統領は「私たちの使命はアフガニスタンにおける貢献を強化することだ。アフガン国軍内のフランス軍指揮官の駐留を強化していく」と述べ、アフガニスタン支援に積極的な姿勢をアピールした。

 8月31日には町村信孝外相とベルナール=クシュネル仏外相が電話会談を行った。仏外相は

 「日本の海上自衛隊によるインド洋での給油活動を高く評価している。日本の活動はアフガニスタン支援にとって不可欠のものとなっており、フランスの艦船のみならず国際社会全体にとって重要な支援となっている。日本の貢献に感謝したい」

と述べ、海上自衛隊によるインド洋での給油活動が引き続き行われることが望ましいとの見解を示したという。

 アメリカに続くフランスの外圧に、日本はどのように対処するだろうか?

写真脚注:アフガン支援に積極的なニコラ・サルコジ仏大統領=2005年4月、パリ市内にて(撮影:及川健二)