2007-07-26

田中康夫「新党日本」代表に独占インタビュー

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 参院選の公示直前に、全国を奔走する田中康夫「新党日本」代表にインタビューする貴重な機会を私は得た。一体、「新党日本」はどのような日本を目指すのか?直撃した。

―――今回の参院選は「年金」選挙ともいわれていますね。

田中:いま必要なのは、社会保険庁改革ではなく、年金制度改革です。新党日本は、2年前に政党として初めて年金通帳の導入を提案した政党です。

―――「新党日本」が提唱する年金制度改革はどのようなものでしょうか。
田中:現在の年金手帳には、加入年月日しか記されていません。一体、何歳から幾ら貰えるのか銘記されていません。これに対し、毎月の積立実績と将来の支給金額を明確に印字し、国民と国家が信頼の契約を結ぶのが「年金通帳」です。

―――民主党や社民党など他党も「年金通帳」を提案するようになりましたが、「新党日本」の提案はどこが他党と異なりますか。
田中:他の政党は、「年金見込額」なる何の保証もない金額を印字するといっています。「新党日本」が提案する年金通帳は、預けた金額を1ヶ月単位で印字するだけでなく、毎年度末には給付率1.7倍で計算した国費支給分をプラスして、給付開始後に毎月確実に貰える合計金額を印字する独自方式です。

―――そこまで詳細に記すのは何故ですか。
田中:7年前、「100年安心年金」の惹句を掲げた政府は、現役時代の月給の6割支給を約束しました。ところが、僅か4年後には、5割保証へと後退しています。このような政府の対応が国民の年金不信を強めることになっています。
毎年度末に支給額を確定していく新党日本方式の年金通帳の導入は、帳簿上では150兆円にも達する積立金が果たして幾ら残っているのか、一向に明かそうとしない政府に対し、その公表を迫る“触媒”の役目を果たすのです。 根拠のない「年金見込額」では国民の年金不信を払拭できません。
 59兆円に上る年金積立金は、旧国鉄や旧道路公団を始めとする、既に資金回収が不可能となった特殊法人へも投じられてきている事実から目を逸らしてはいけません。財政投融資と呼ばれる垂れ流しの構図を抜本的に改めねば、問題先送りに過ぎないのです。

―――安部晋三氏は社会保険庁改革で年金の問題は解決したかのように繰り返しています。
田中:今回の社会保険庁改革関連法の国民年金法74条には、掛け金を年金の教育・広報に用いる、と新たに明記されました。「関連」や「等」の字句を条文に忍び込ませて、際限なき拡大解釈と無駄遣いと可能としていくのが、日本の「官僚政治」の常套手段です。
  例えば、京都駅前に豪華な年金お抹茶サロンを設けて、老人に無料でお茶を出し、若者にも無料で観光案内を行い、年金未納者を減らす教育・広報を行う。日本の官僚は早晩、このような事業を開始し、税金や積立金の垂れ流しを行う集団なのです。
社会保険庁を日本年金機構へと看板を付け替えても、官僚の焼け太りです。非公務員化という言葉とは裏腹に、職員の給与は税金から支給されるのです。私が知事時代に全国知事会の委員長として調査したところ、独立行政法人の給与は国家公務員の給与よりも平均10%近く高く設定されていることが明らかになりました。
  しかも、日本年金機構への名称変更を規定する今回の法改正では、内部統制や監査の在り方に関して、これっぽっちも記されていないのです。解体、廃止といった言葉だけが踊るだけで、単なる看板の付け替えに過ぎません。官僚主義は安泰なのです。

―――「増税なき財政再建」を「新党日本」は主張していますね。
田中:他の道府県では借金が増加し続ける中、長野県は全国唯一、6年連続で計923億円減少させ、私が知事に就任した年度からプライマリーバランスも連続黒字化を達成し、最終年度には基金残高も積み増ししました。
私が行った改革は、縮み志向の財政健全化ではありません。
田中康夫は全国に先駆け4年前、あらゆる分野で公明正大な一般競争入札を導入しまし。
  大手企業の孫請けに従来は甘んじていた地元業者も直接応札可能となった結果、就任時には明らかに談合が疑われる97%以上だった平均落札率は、全国で最も低い70%台後半となりました。即ち、談合の温床だった不透明な随意契約や指名入札が原因で1ヶ所100万円要していた事業を、その8掛けの1ヶ所80万円で実施可能とし、不透明な税金の流れを断ち切ったのです。
こうして生まれた20%から25%近くの入札差金を、人が人のお世話をして21世紀型の地域雇用を生み出す福祉・医療・教育・環境・観光等の分野に振り向けました。
全国に先駆けて小学校全学年で「30人規模学級」を実現できたのも、財政改革と入札改革で自主財源を確保したればこそです。
 「長野革命」を日本でも行うべきです。