2007-04-15

一悶着!宅八郎氏が渋谷ハチ公前で第一声

宅八郎氏が渋谷ハチ公前で12時に第一声を行うというので、取材に行った。10分前につくと、取材するために来た報道陣がズラリと並ぶ。広場前に「宅八郎」氏の車がとまっている。しかし、その前にもう一台、車が……。何事かと思って聞くと、渋谷区議選に出馬している国民新党・公認の奈良明子・区議も第一声を行うという。宅氏の陣営が折れて、奈良さんが先に演説することになった。

奈良さんの応援団は豪華。元・巨人の党首に元・光GENJIのメンバー、国民新党の糸川正晃・衆院議員、「郵政民営化」反対の急先鋒だった小林こうき・前衆院議員、地元商店街の副会長がマイクを握った。ちなみに、いつのまにか新党日本から国民新党に移籍した小林氏と奈良氏は新婚夫婦だ。

奈良さんは「2000票とってトップ当選する」と宣言した。

奈良さんの演説が終わり立ち去ると、宅八郎氏がメイドのコスプレをした美女3人を引き連れて、登場した。報道陣がカメラをかまえ、写真を撮る。一般人も立ち止まり、ケータイで撮影する。

「八郎、八郎、宅八郎」

と連呼し、宅さんは公約を述べた。口にした公約は3つ。

「渋谷区宇田川町の旧大和田小学校の跡地に巨大なハコモノ施設を渋谷区がいま建てようとしています。建設のために投入される血税は120億円、区民1人あたりの出費は6万円です。建設されれば、維持費・人件費も巨額の出費になります。私が区長になったら、建設は中止します。中止を公約している候補は、私ただ一人。6万円が区民1人1人の手に戻ります。」

「渋谷区職員の人件費は東京23区で1番高い。同規模の調布市と比較すると、職員数が2倍の2400人、人件費が2倍の年間180億円です。職員の人数を調布市並の1200人にするだけで、毎年90億円の節約ができます。職員給与を削減し、余剰職員をリストラします。」

「渋谷区長の給与は毎月110万円。その上、区職員出身の現職区長は過去に渋谷区から3回も退職金を受け取り、今年4月に4回目、再選すれば2011年に5回目の退職金をもらう予定です。合計すると1億円になります。私は高額な区長退職金を即廃止・返上いたします。」

公約はどれも具体的、聴衆は聞き入った。

演説を終えると宅氏は選挙カーに乗って、聴衆が見守る中、立ち去っていった。

区長選挙に出馬の届け出をしたのは他に、桑原敏武・現区長、矢部一・元都議、さかい正一・前渋谷区清掃リサイクル部長。それぞれ、がっちりと組織が応援する競合揃い。地盤・看板・カバンのない宅氏がどこまで区民に浸透できるのか、全国が注目している。