2006-11-19
パリ市長のブレーンは日本通の同性愛者
拙著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版)の第2部で6番目に御登場いただいたのが、パリ市助役でゲイのドラノエ・パリ市長の側近として知られるクリストフ=ジラール氏である。ジラール氏は大学で日本語を二年間学んだので、日本語を少し話すことができる。名刺はフランス語と日本語が併記されている。
タイトルは「パリ市長のブレーンは日本通の同性愛者」で、次のような構成になっている。
1 自分自身に嘘をつきたくないから、カミング・アウトした
2 赤毛のダニー、ベーグル市の同性婚、嫌がらせの手紙
3 ホモ嫌い、パリ市長のカミング・アウト、ゲイ・プライド
4 「結婚しない権利」を持ちたい、だから同性婚に賛成する
5 緑の党は最もゲイ・フレンドリーな政党だ
ジラールさんはおおよそ、次のようなことをいった。
「私は『結婚しない』権利を持ちたい。だから、同性カップルの結婚合法化に賛成する」
現在のフランスでは、同性愛者には結婚する/しないの権利は与えられていない。結婚できないだけだ。同性カップルが「結婚できない」状態を改革し、「結婚しない」権利を獲得したい……。ジラールさんはそう切に願っている。
パリ市は左派のドラノエ市長が当選する2001年まで、ずっと保守系の人物が市長になっていた。ドラノエ氏が市長になるなり、ゲイ・アクティビストとして活動していたジラールさんを助役に抜擢した。画期的なことだった。
市長がゲイでブレーンの助役もゲイ。
パリはとても同性愛者にやさしい都市である。