2007-04-04

【連載】みどりの人々1 すぐろ奈緒さん

_12_0144.jpg

◆先進国すべてに存在する『緑の党』

_12_0144.jpg

日本を除くすべての先進国に『緑の党』が存在する。多様性・平和・自然環境をガンコに守る頼もしい政党だ。たとえば、原発大国のフランスでは原発からの脱却を主張する唯一の国政政党として『緑の党』は存在感を発揮している。時に派手なパフォーマンスを行い、国民の関心を引きつける。国会の審議なしで遺伝子組替作物がフランスで栽培されていることに怒ったノエル=マメール『緑の党』下院議員やジェラルド=オネスタ欧州議会副議長(『緑の党』) 、反グローバリズム運動家のジョゼ=ボベ氏が複数の『緑の党』地方議員を引き連れ、押し寄せた報道陣が見守る中で、遺伝子組換トウモロコシが植えられた田に入り、トウモロコシを1本1本引っこ抜いてみせた。口ひげがトレード・マークのマメール氏は私にいった。
「生態系に大きな影響を及ぼす遺伝子組換作物が国会の審議もなく国内で栽培されていたのですから、引っこ抜くしか抵抗する術はありませんよ」
(インタビュー全文は拙著『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』に収録)

◆日本にも『緑の党』を!の声

_12_0144.jpg

『緑の党』は非暴力を基本理念とし、武力による解決を拒み、「非戦」運動の中心にいる。
性的指向・民族・人種・性別などを理由としたあらゆる差別と闘い、多様性の尊重を基本理念として謳う。LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)の権利擁護をどの政党よりも熱心に取り組む。各国のレズビアン&ゲイパレードを『緑の党』幹部が歩くのは珍しくことではない。
2001年に70ヶ国の『緑の党』代表がオーストラリアに集まって「第1回世界緑の党大会」を開き、『世界みどりの憲章』を採択した。

日本にも『緑の党』が存在して欲しい。

そう願う人も少なくないだろう。たしかに政党はない。しかし、『緑の党』と志しを同じくする人たちが日本全国で地道に活動している。そんな人たちの中で私が目を付けた人を当ブログで「みどりの人々」と題して紹介していこうと思う。

◆原点は中学生のときの産廃反対運動

初めに御登場いただくのは、すぐろ奈緒さんだ。1979年、栃木県生まれ。27歳。お会いすると明るく朗らかで、まだ女子大生の面影が漂う。恋人と一緒にオシャレしてデモに参加するフランス人の若者のような雰囲気だ。

_12_0144.jpg

すぐろさんが政治に目覚めたのは、中学生のときだ。生まれ育った栃木市の水源地に産業廃棄物処分場が作られるという話が持ち上がった。川や井戸水が汚染されることを心配し、住民が反対したが、企業は建設を強行しようとした。
環境を汚染する処分場はイラナイ……と思ったすぐろさんは中学校の友だちや、近所の人たちに一軒一軒回って声をかけ署名を集めた。すぐろさんが集めた署名の数はなんと2000以上!そのバイタリティに恐れ入る。住民の強い抵抗の結果、建設は撤回された。すぐろさんは語る。

「住民の願いが政治に届けばそれは実現出来る。その思いは私の原点であり、今の私の信念です。」

◆反戦運動に参加

_12_0144.jpg

すぐろさんは高校卒業後、都内の大学に進学して、少年法のゼミに入り教育問題の関心を深めた。2003年のイラク攻撃開始前から反戦運動に参加した。パンダの着ぐるみを着てブッシュ政権を風刺するショートコントをやるなど、創意工夫を凝らして戦争反対を訴えた。2004年の参議院選挙では、平和運動で知り合った仲間・小林イチロー氏が、俳優の中村敦夫・参院議員(当時)が代表を務める環境政党『みどりの会議』の比例候補として出馬したので、スタッフとして選挙を最後まで手伝った。2003年~2006年には、「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の事務局として、教育基本法改悪を止める活動に全力を注いだ。

◆人がやさしくなれるまちをつくりたい

そして、いま、すぐろさんは4月22日に投票の杉並区議会議員選挙に挑戦しようとしている。政党の支援はうけず無党派で戦う。すぐろさんは語る。

「私が目指すのは、人々が心にゆとりをもって安心して生きていける社会です。現在、フリーターの不安、長時間労働のストレス、結婚や子育ての希望も持ちづらい状況で、国のサービスの削減と医療費や介護費の個人負担の増大など様々な課題に直面しています。区議会は、性別や年代の偏りがあり、こうした多様な立場の人々の意見が届いていない状況です。
私は住民のみなさんと一緒に政策作りを行っていくことで、直接声を届け、区政に反映したい!そして、子どもたちがのびのびと地域で遊び学ぶ空間や、街を潤す緑の空間を増やし、地域で支えあえるやさしい街を未来の子どもたちに残したいと思います」

杉並区から「みどりの政治」を発信する元気印・すぐろ奈緒さんの挑戦にエールを送りたい。