2006-06-08

諦めないこと

とにかく諦めないこと・・そう息子に言いました。いつも強気で、大人の言うことなど聞こうともしない息子ですが、火曜日の夜中はしんみりしていました。もう駄目なのか、と心配していたようですが、私は諦めていません。母親として、諦めるという言葉は、息子の前では使いませんでした。実際、息子は私に何度も、「ねぇ、お母さんは、本当はもう心の中で、俺が落第するって思っているんでしょ? 本当のことを言ってよ!」とつっかかってきました。でも、本当に私は全く諦めてはいなかったのです。学力がなく、能力がなく、ギムナジウムについていかれない、というのだったら、私はもうすぐにでも他の道をさがしていたでしょう。でも、そうではない。私が見ても、先生や他の人が見ても、明らかに息子は怠けているだけなのです。だったら、心を入れ替えて、本気で勉強をすれば大丈夫だろう、と信じていました。だからそう伝えました。息子は、途中で投げ出しそうになった宿題を(どうせやってもムダだ、と言っていた)、再びやることにして、なんと1時までかかってしまいました。私も一緒に起きて励まし続けました。本当は、毎日しっかり勉強してから遊ぶのだったら、問題なかったはずですけれども・・・。

とにかく、まだ結論は出ていませんが、最後まで諦めないという精神を少し学んだようです。

そして、水曜日の夕方4時半に1時間ほど、Yさんが来てくれました。Yさんはとても忙しいのですが、教育関係の仕事をしていて、ご主人は大学教授ですし、何かと相談に乗ってくれるありがたい方。息子にとっては、親戚のおじさんとおばさんのような感覚なのです。そのYさん(息子にとっておばさんのような人)は、家に来てすぐに息子を前にしてお説教を始めました。「な〜にやってんのよ、君は〜!!」延々続くお小言。でも、説得力があります。息子は恥ずかしそうにしながら、時に頷き、時に真剣な顔をして聞き入って、何かを感じたようです。「お母さんがうるさく言うのもね、それは愛情よ。君に愛情を持っていない人間はね、君に対して無関心になるの、わかる?だからね、お母さんは本当に君のことを思って、君に将来のいろんな選択肢をあげたいと思うからこそ、いろいろ口やかましく言うのよ、それをちゃんとわかりなさいね。」「うん、わかっているよ・・・。」そう言っていました。

で、何故かYさんは、そんな息子にゴディバのチョコを持って来てくださって、息子は大喜び!「何で叱られている君が、そんな高級な物をもらっちゃうの?おかしくない?」と私がわざとつっかかったら、「わかっているよ、お母さんと半分づつね、あ、でもお母さんは少食と甲田療法しているんだから、チョコは駄目だよね。」と一人で全て解決するような発言。Yさんはすかさず、「それでもお母さんと半分づつよ!」と念を押していました、汗。「お母さんは、君のことでストレスがたまってしまってかわいそうに・・・だからチョコくらい食べてもバチが当らないのよ。わかった?」とYさんが優しいことを言ってくれました。ありがとうございます〜〜涙!!
しかも、私にといって、ライトベージュの上下のインナーウェアをプレゼントしてくれました。夏にぴったりの可愛い無地のインナーです。「自分のために買ったんだけれど、ほら私は背が低いでしょ、だからね、殿中でござるになってしまってさぁ。笑。あなたは背が高いから、ぴったりだろうからあげるわ。」私に気を使わせないように、そうやってさりげなくプレゼントしてくださったYさん。励ましてくれたのだと思います。

3人で作戦会議。とにかく音楽の点数が足をひっぱっているので、それはなんとしても阻止しなければ、ということになりました。その先生は、他の子供達とも折り合いが悪く、問題になっているのです。ドイツでは、通信簿の1が一番よくて、5が悪いのですが、ある生徒が、先生に5と言われて、そんなバカな、と親が先生と話し合ったら、いきなり2になったという話を息子がしました。同じ教職についているYさんは、かなりびっくりして「それはもう、本来ならありえないことよ! 信じられない! つまり、相当主観的に点数をつけているってことなのだから、先生に嫌われた子供はひどい点をつけられてしまうってことでしょう。とにかく先生に会って話し合うべきね。」私もそう思っていました。どうも理不尽なことがあるように思えます。息子は授業をさぼったこともないし、授業中に手をあげて答えることもしています。普通に考えれば、そのような状態であれば、最低でも3なのです。でも、息子は5になると脅かされているのです。「それはありえないし、断固先生と話し合うべきだわ。」とYさんに言われて、やはり音楽の先生とも話し合おうと決心しました。

どこまで息子を守ることができるか、私にはわかりませんけれども、できるだけのことはしようと思っています。そして、Yさんも私も息子に言い聞かせましたが(他の友達も、息子にメールなどで叱咤激励+アドバイスをくれますが)、とにかく先生に反抗し続けることに、何の意味もないこと。ただ反抗するのは芸がなさすぎる。無駄な場所でムダな正義感をふりまわしても、誰も評価してくれないし、友達のためと言っても、誰も息子を助けてはくれない。先生の挑発に乗らないことは、敗北を意味するのではない、ということを伝えました。「先生に媚を売る必要などないけれど、だからと言ってわざわざ嫌われるようなことをして、無駄に点数を悪くされることに、何の意味があるというの?君は賢いのだから、その辺のことをよ〜〜く考えてみなさいね。」とYさんは息子にわかるように伝えていました。深く頷く息子・・・。

今からでも間に合うのか???
わかりませんが、とにかく諦めないで進むこと、それしか方法がありません。息子は頑張ってみる、と言っていました。どうなりますことやら?