2007-05-13

母の日

今日、日曜日は「母の日」ですね。

私の両親は日本で暮らしていますので、こういう時は特別なことは何もできませんし、しません。
母の日だけ母に感謝しているのではなくて、いつも感謝していますし。
それに、今の私は親に心配ばかりかけていますので、特に病気のことではとても心配してくれていますし、何よりの親孝行は、早く回復すること、健康になることだと思っています。
そして妹の家族が心をこめて季節のイベントをしっかりとこなしてくれているので、両親も寂しくないでしょうし、本当にとてもありがたいです。

さぁそれで、私自身も息子から見れば母親なわけですけれども、今日はどうなるのでしょうか・・・。
別に大きな期待はしていないですが・・・。

少なくても、喧嘩などせずに、穏かな1日を過ごしたいものだと思っていました。

・・・

朝は静かに始まりました。

というのも、息子は昨晩友達の家に泊まりに行ってしまい、私はひとりだったからです。

昨日のフィルハーモニーには、私は結局行きませんでした。前日まで鼻声で、最初はその程度だったら大丈夫だと思っていました。でも、昨日から鼻の方はかなり回復したものの少し咳が出るようになり、う~~ん、クラシックのコンサートで咳は、どうしたってNGです・・・・。

しかも、サイモン・ラトルの顔をしっかり見てしまうことになる席ですし、万が一咳のウェーブがやって来たら、音楽どころではなくなってしまいます。
きっと集中して聞くことができないと判断し、残念ではありましたけれども、H子さんと写真家でアーティストのGさんに行ってもらうことにしました。ほ~~んとに、ストラビンスキーのペトルーシュカは聞きたかったのですけれどもね・・・。ラトル+ベルリンフィルでしたし!

まぁでも、コンサートに行かずにひとりでゆっくりできましたので、今日はかなり体調が良くなっています。
嬉しいです!

昨日の少食もいい感じでしたし、肌もすべすべになってきました。今週は復活!となりそうです♪

・・・

午前10時になりました。

ガチャガチャ・・・玄関が開く音。
息子が戻って来ました。でも、どうやらドイツ人の友達と一緒のようです。

「ごめん、お母さん。ブルーノがうちに花束を忘れちゃったんだよ。それで取りに来ただけだからね。」

「あら、いつもより随分早く戻って来たのね。」

「うん、だってみんな、急いで家に帰らないと・・・母の日だからね~。」

ふ~~ん・・・・ドイツ人の子供たちも、母の日は気を使っているんですねぇ。

でも・・・我が息子はどうでしょうねぇ・・・また、使い道があまりない「パシリ券」でもくれるのでしょうか???汗

もしもそうだったら、「マッサージ券」にしてもらおう!と心の中で思っていました。

・・・

ブルーノが忘れていった花束は、ギフトペーパーに包まれていましたので、どんな花なのかはわかりませんでしたけれども、息子ではない誰かが買ったものだとは思っていました。なのでそのまま水につけておいたのです。
ブルーノはちゃんとお母さんのためにプレゼントを用意していて、私は感心しました。
息子はいつもお小遣いをすぐに使ってしまうし、今回も何か買っているとはとても思えません。

「そう・・・それで君は行く所がなくなって、やむなく戻って来たってわけね~~。」と、ちょっと冗談っぽく嫌味を言ってみました。
息子はすぐにブルーノに花束を渡してかえしてから、「え・・まぁ・・・そ、そんなことないよ! ちょっと待っていてね。」

と言って、自分の部屋にこそこそと入っていきました。

ば~~ん!

出て来た息子の手には、大きな花束がありました! 

「え?? どこにおいておいたの? 全然気がつかなかったわ。」と私が驚いていると、

「ちゃんと昨日買ったんだよ。ブルーノのよりずっと大きいでしょ。大フンパツして、友達の誰よりも大きいのを買ったんだよ。」と得意顔。
「お母さん、いつも俺のためにありがとう! もっと健康になることを祈っているからね。これからも元気で幸せでいてね。ずっと長生きしてね。」と言ってハグしてきました。

「まぁ、ありがとう! 花束をもらえるなんて思ってもみなかったので、お母さんは嬉しいわ! きれいね~♪」と感動していたのですが・・・。

「あのさ、ところで・・・今日ブルーノたちとカラオケに行きたいんだけれども、ちょっと援助してくれる?」

・・・汗

海老で鯛を釣るっていうのは、こういうことを言うのではないでしょうか???

さすがに即答は避けて、とりあえずきれいな花束を楽しむことだけに気持ちを集中いたしました。

・・・

その後、息子は私の代わりに私の両親、つまり息子のおばあちゃんおじいちゃんと、1時間ほど国際電話でおしゃべりをして、お風呂に入って、私が作ったブランチを食べて、自分の部屋に戻りました。

今日は2時から友達と野球をして、いったん帰宅してからカラオケ、というコースのようです。

一体そのスケジュールのどこが「母の日」なのか、さっぱりわかりませんけれども、まぁ友達と仲良く楽しくしていられるのもいいことですので、私はのんびり一人で優雅な日曜日を過ごすことにしました。

・・・

さて、ではカラオケの軍資金はどうしようかな・・・・。

花束を贈ればカラオケ代は浮く・・・
そう考えるような子供ではないと信じていますので、私のために心をこめて花を買ってくれたことは、事実として素直に嬉しかったです。

実は今週1週間は、最上級生のアビ(高校卒業試験+大学入試試験)のために、学校はどこもお休みなのです。
だからずっと家にいるよりは、友達と遊びたいでしょうし、カラオケだったら他の遊びよりずっと安心です。

それで、花束のお礼ということにして、10ユーロを軍資金として渡すことにしました。

トントン!

息子の部屋をノックしました。左手には5ユーロ札2枚。

ガチャ・・・私はドアを開けて、PCの前にいる息子に向って、「ねぇ、ちょっと・・・」と話しかけたところ、

「何だよ! 何で入って来るんだよ~!」と、面倒くさそうな顔で言うので(というのも、そのちょっと前に、「母の日だから、マッサージくらいしてくれてもバチが当たらないよね~。野球は2時からでしょ、30分あれば十分できるよね。」などとからかったものですから・・笑)、私は「ふ~~ん、あ、そう。」と言って、5ユーロ札2枚をぴらぴらさせながら、仕事部屋に戻って行きました。

慌てる息子!

「あ、あああああぁぁぁ~~! ちょ、ちょっと待って待って~~!!」と追いかけて来て、いきなりハグ!(←こういうところが、ドイツで暮らしている子供のリアクションって感じですね・・。)

「お母さん~! 失礼いたしました。ごめんなさい! それ、俺ほんと~に嬉しいな、いただけるんでしょうかぁ~。」などと言っています。

私は無言で、シッシッのジェスチャー。(あの、もちろんジョークでやっています)
しつこく食い下がってくる息子。

そして・・・

「君ね・・・うん、退場~!」と右手人差し指をドアに向ける私。

さらに慌てる息子!

「ぬわぁ~~~!!! 参った! お母さん~~! いつも感謝しています! どうかお恵みを~~!!」

・・・

バカバカしくてやっていられなくなりましたので、その後すぐに渡しました。
まったく・・・

でも

息子が健康でいてくれること、私も元気で過ごせることが幸せなのですから、息子の若干の打算はともかくとして(汗)、今日1日は息子からもらったブーケをめでながら、ゆっくりと私だけの時間を楽しもうと思います。

このエントリへの反応

  1. 楽しい母の日でしたね!
    私は母のプレゼントを選ぶのはとても難しいので(好みが難しい人なので)ちょっとしたものだけ買って、実家に一泊しました。

    私は独身で結婚の予定もなく、子どもも出産が痛そうで怖い・・・と思ってましたが
    この「少食日記」を読むようになって、「いいなー息子がいたら、楽しそう」と
    前向き(?)に考えるようになりました!
    大変そうだけど、それを上回る楽しさがありますね。産まなきゃ!です。いつになるやら・・・ですけど・・。

  2. sayokoさま

    いつもあたたかいコメントをありがとうございます!

    励ましてくださっていると感じ、毎回すごく嬉しいですし、幸せです♪

    子供って、神さまからの授かり物ですから、いればいるなりの、いなければいないなりの人生があって、どちらも素敵なのだと思います。

    私の場合は授かって、そしていろいろあっても一度も後悔したことはなく、神さまに感謝しています。(いや、でも本当にすご~~くいろいろありますが!笑+汗)

    お会いしたことのないsayokoさんは、文面を通してとっても優しくて思いやりにあふれた女性という印象があります。きっとそんなsayokoさんのお子さんだったら、すご~~ぅく素敵に成長されるでしょうね♪
    勝手に想像してしまいました☆

    ・・・出産は・・・正直、確かに痛かったですけれど(汗)、でもそれ以上に不思議でとっても神秘的な体験でした。ものすごくワクワクしたのを覚えています。何と言いますか、こう~~・・生まれて来る赤ちゃんとのコラボレーションというか?笑

    私の場合は、そういう体験が人生において必要だったのですね。今はそう感じています。でも、世の中には、他にも別の素晴らしい体験や世界がありますから、人それぞれだなぁと思います♪

    こうして、母の日に子供のことを考えてみるのもいいものですね♪

    ありがとうございました!!