2008-03-26
小旅行1
イースター休みを利用して、東京からベルリンに来ている考古学者のKちゃんと、3泊の小旅行に出かけました。
Kちゃんの行きたい所に行く旅なので、私はただの気楽なお供の気分。
・・・のはずだったのですが・・・・。
・・・
・・・
先週の金曜日(3月21日)の朝8時に出発。
運転はKちゃん。
私は隣に座って優雅に車から景色を眺めているだけで目的地に到着する・・・。
・・・そんなイメージを抱いていました・・・。
・・・
・・・が!
完全に間違いだと気付きました!!
汗・・・
・・・
・・・
「さ! 今日は終日遺跡めぐりだからね。
一か所じゃないのでかなり移動するけれども、ナビよろしくー!」と軽く言うKちゃん。
・・・
・・・
1か所じゃないと・・・。
・・・
ベルリンからマールブルクに行き、そこからヘルムシュタットを通ってヴォルフスブルク方面に行き、
ブランシュヴァイクで宿泊とのこと。
ベルリンからブラウンシュヴァイクまでは、電車だったら2時間もかからない距離です。
ですが、その間に
なななんと!!!
8か所もの遺跡を見ると言うのです!!!
・・・
@@;
・・・
思わずのけぞる私。
「そ、それって・・・・。
だって遺跡って、かなりへんぴな場所にあるんでしょ・・・・。
私が持っているドイツの地図だけじゃ、どうにもならないんじゃないの?」少し不安になって聞いてみると、
・・・
「そうね、だからグーグルで調べたのよね。
印刷してきたら、ちょっと見づらいかもしれないけれども、それを参考にナビして。」と再びあっさりと言うのでした・・・。
・・・
・・
大汗・・・
アウトーバーンで方向チェックする程度だったら、ぼーっとしていても私でもできます。
ですが、恐ろしく細い道などは、どうやってナビをしたらいいのか・・・。
それに、そのグーグルの地図とやらは、詳細が載っているわけではなく、かなりアバウト。
・・・
・・・
「そのさ、遺跡なんだけれども、何かそこに向かう標識とかないのかな?
有名な遺跡なのかな?
Kちゃん言っていたよね。
形としては、イギリスのストーンヘンジみたいだって。
かなり期待しているんだけれど・・・。」
・・・
「うん、まぁね・・・・
でも、そうだなぁ~~~
ストーンヘンジの数十万分の1くらいかな?
あはははは!!
あ、それに本当に見つけづらいへんぴな場所にあるので、ナビよろしくね!」
・・・
・・・
汗
・・・
な、なにそれ・・・。
・・・
詐欺にあったような気分になり、一気に緊張し、マップやグーグル地図のプリントをあたふたと見ながら進みました。
・・・
私たちは、早朝に出発しましたので、何も食べていませんでした。
なので、Kちゃん用にはミニポットにコーヒーを入れ、私はペットボトルの水を用意。
プンパニッケルが1枚だけ残っていたので、それにトマト+バジルのペーストをつけてお弁当も作りました。
でも、これは本当にほんの一口、つまり1人に名刺大の大きさのお弁当です・笑。
小食の私にはぴったりですが、さぁどうなりますことやら・・・。
・・・
・・・
最初の遺跡は、マールブルク郊外の村にあるとのことで、時間をかけて探したのですが、どうしても見つけることができませんでした。
「この地図合っているの?
遺跡の写真とかってないのかな? それを見せれば、村の人が教えてくれるかもしれないでしょ?
住所もほとんどはっきりわからないのに、探すの大変だよ。」と言うと、
「うん、まぁ~~
このレベルの遺跡は、あまりちゃんと保護されていないかもしれないんだよね~~。
私の資料でも、小さく情報が掲載されていただけで写真もなくて、どんな形なのかもわからないのよ。
地元の人もほったらかしているんじゃないのかなぁ。
ぎゃはは!」
・・
・・・
・・・ぎゃははって・・・汗
そ、そんな恐ろしくマイナーな所に行くんですか!!!!!!
大汗
・・・
付き合って旅に来てしまったことを、すでに後悔し始めている私・・・。
・・・
・・・
最初の遺跡は、結局どうしても見つけることができず、断念して次の場所に移動しました。
その間に、Kちゃんはコーヒーを飲み、私は少しだけ水を飲んで(たくさん飲むとトイレに行きたくなるので)、プンパニッケルをかじりました。
・・・
・・・
やっとのことで2つめと3つめがあるであろう場所の近くに到着しました。
馬がいる農家のような所の脇に広がる、広大でひどい湿地帯を歩かなければならないようです。
もう車はそこには入れません。
遠くの方に森が見えますが、まさかその中に入って探すってことはないでしょうね・・・・汗汗汗・・・・。
・・・
雨も降っていてものすごく寒く(2度くらいでしょうか・・・)、私はナビですでにへとへとになっていて、どうしようか悩みました。
車の中で待っていようかな・・・。
Kちゃんは健康だけれど、私はまだまだ無理できないし・・・。
でも、せっかく来たのに、もしもここに遺跡があったら、後で残念な気持ちになるだろうなぁ・・・。
・・・
・・・
ベルリンを出る時、どんな天候になっても良いように、防寒用にダウンコート、そしてお天気の良い時用の皮のジャンパーを車に積みました。
さらに、防寒用の帽子、頭をちょっと温める用のベレー、良いお天気用のハンチングと3種を用意。
どんな状況になっても、耳を守る準備は整えておきました。
・・・
手袋も傘もあるのだし、思い切って行ってみよう!!
・・・
私は完全防寒スタイルに身を包み、Kちゃんの後をついて行きました。
・・・
・・・
でも・・・
見つからないのです~~~!!!!
鬼汗
さんざん歩いたのですが、どうしても見つけることができません。
・・・
「ねぇKちゃん・・・・
本当にKちゃんの資料は合っているの?
寒いよ~~~。
もう私はダメ。
ここに2つ遺跡があるってことだけれども、もう私は探すの無理!」とかなり弱気発言をしたところ、
さすがにKちゃんも少し困って
「う・・・ん・・・
この辺にあるはずなんだけれどもねー。
もうあとちょっとだけ歩いてみようよ、ね!」と、なだめられてしぶしぶ前進。
前進ということは、それと同じ時間分戻らなければならないということであり、それを思うと悲しくなりました・・・(←弱すぎな私!)
・・・
もう、足元はすっかり冷え切り、感覚がなくなってきて、情けない雰囲気になり、
もうダメ!
と思った時、
「あ、あれかな?」とKちゃん。
・・
ど、どこどこどこ???
・・・
・・・
苔でほとんど覆い尽くされた小ぶりの石が、ごろごろっと5つくらいころがっていました。
・・・
「・・・・え
・・・
まさか、これ????」と私。
私の言葉を無視して、真剣に石を見つめるKちゃん。
「ふ~~む・・・・
これだ!!
紀元前数千年ってところだね。」と、すでに考古の世界に入ってしまったKちゃん。
・・・
・・・・
彼女は、ストーンヘンジのミニチュア版と最初言っていましたけれども、これはミニチュアなどの次元ではなく・・・・
「わざわざこれを見るために、
こんなにこんなに
こ~~~んなに
大変な思いをしてここまで来たの???」と、あまりにもおそまつに見えるその石を指して、釈然としない気持ちをKちゃんにぶつけました。
・・・
「いひひひひ!!
まぁこんなもんよ。
大きかったら、もっとドイツでも大騒ぎになっていて、観光地化されているでしょう。
でもね、これはなかなか興味深いわよ。
ほら、ここからこうね、
半円を描いて石が置かれているでしょ。
うん、面白い!!」
・・
もう車に帰りたいのに、傘は1本しかないし、Kちゃんはカメラ2台でいろいろとアングルを変えて撮影しています。
「ほら、このカメラ持って!
傘さしてね、写真撮る時雨に濡れたらいけないからね!」
こき使うKちゃん。
・・
・・・
・・・
寒いです・・・・涙。
でも・・・
あっただけ良かった~~!!
と、少し気をとりなおしたのですが・・・
「う~~ん、あっちの森の中に、もしかしてもうひとつの遺跡があるかもしれないね。
でも、何も標識がないから、あの森全体を散策しないと無理かな~~~。」とKちゃん。
・・
・・・
え~~!!!!!
私たちの立っているところからは、その湿地帯を最低でも15分は歩かないと到着しない距離があり、森もかなり大きなものです。
しかも、やっと見つかったとしても、どの程度の遺跡に出会えるというのでしょうか・・・。
・・・
私はひとつ見た!!
これで十分!!
根性無しの私は、ギブアップ宣言をいたしました・・・汗。
「あのさぁ、私はこんなにも貴重な遺跡をひとつ見ることができたし、もうこれで満足したからね、
だから、もういいや!
車で待っているから、Kちゃんに傘貸すから、
だからKちゃんは一人で行ってね!」
・・・
・・
「そうねー
こんな状態じゃ難しいわね・・・・。
うん、じゃここは諦めて、次に行こう!
良い遺跡かどうかはわからないけれどもね、他も行かないとね。」とKちゃん。
・・・
この時点で、私たちは8か所のうち3か所を訪ねたことになりますが、見たのは小さな遺跡ひとつだけでした。
・・・
1勝2敗で、次なる場所に移動いたしました。
すでに時間はお昼を過ぎていました・・・。
<続く>