2007-05-28
ヴッパータール(1)
昨晩、ヴッパータールから戻って来ました。たった1泊でしたけれども、とても充実した時間を過ごすことができました!
いつものように、友達のダンサー、ナイヨンの所に泊めてもらったのですが、今回の公演の後に引っ越すとのこと。なので、どの部屋もダンボールでいっぱいでした。ヴッパータールに私が暮らしていれば、手伝うこともできるのですけれども・・・。
「そんなのいいのよ、淑子! もうほとんど荷造りはできているし、今回は業者に頼んだの。新作プレミア公演の後は、パリやベネチアや、いろんな海外での公演があるので、私もすごく忙しくてね。だからお願いしちゃった。今度の住まいはね、ここからすぐ近くなんだけれども、2年後に購入するかどうか考えて住もうと思うの。」とナイヨン。
「え~。いよいよヴッパータールに永住ってことにしたの? ピナさんのところでずっと踊るってことなのかな?」
「う~~ん、先のことはわからないけれども、ピナのカンパニーは年齢制限がないしね。つまり定年退職ってことはないのよね。自分で限界を感じたらやめるだけ。私はまだ踊れると思っているので、しばらくは続けるけれども、同時に去年やったみたいに、ソロやデュオなどの創作活動もしていきたい。ピナとは別に、自分でも振り付けを少しずつでもしていきたいって思っているのね。」
ナイヨンからは、いつでも前向きでキラキラしたエネルギーが感じられて本当に素敵です!
「今度引っ越す所はね、部屋が沢山あるからいつでも泊りに来てね~!長期滞在も大歓迎! 大家さんもとっても良い方だし、しばらく暮らしてみて心地よかったら、思い切って購入しようと思うのね。でも、そのことに縛られるのではなくて、もしも私が別の場所に移ったとしても、誰かに貸すこともできるでしょ? だからまぁ、投資みたいなものかな。それに、ヴッパータールって安いのよ。ベルリンやミュンヘンに比べたら、考えられないくらいリーズナブルな金額よ。」
なるほど! ちゃんと考えていて、ナイヨンはえらいです。感心しました。
・・・
ヴッパータールに到着したのが3時。すぐにアンゲリカ夫妻が泊るホテルに行って、アンゲリカと仕事の打ち合わせ。彼女の旦那様ヴィリーには、ひとりでヴッパータールの街中をお散歩してもらうことにしました。
久しぶりにアンゲリカと会いましたが、ますます元気でパワーアップしていました!
「淑子! 10月に行われる東京のメッセでね、私は新しい民族衣装をメッセ用に買って着るから! お客さまに、ドイツをしっかりと感じていただきたいわ~!」と、ものすごく前向き発言。さすがです。
メッセに向けて、私達はしっかりと話し合いました。
・・・
5時半になって、ヴィリーが戻って来ました。3人でタクシーに乗ってカフェ・アダへ。
カフェ・アダは、ピナ・バウシュが一部ディレクションをしている文化的空間で、ライブハウスも併設しています。1階にも2階にもステージがあり、2階では踊る人もいるほど。そこで私達の友人の写真家JDの個展が開かれていたのです。
JDは、すでに韓国に帰国してしまっていましたが、ピナ公演でステージを撮り続けているJDの作品を、私達はぜひ見たかったので、時間はギリギリでしたけれども行きました。
本当に行って良かったです!
点数は少なかったけれども、どの作品も躍動感と上品さが漂っていて素晴らしい! もっと沢山見たかったほどです。
ヴィリーも自身が写真家でもあるので(そして陶芸家)、じっくりと見入っていました。
カフェ・アダは「カフェ」と言っていますけれども、かなり広いお店で食事も美味しいと評判。充実しています。
アンゲリカとヴィリーはお腹が空いたので、軽くパンと前菜、そしてビールで腹ごしらえ。私はお茶を飲んで過ごしました。というのも、ピナ公演を見終わってから、ナイヨンやアンナ達とみんなでレストランに行くことになっていたからです。
後でどうしても脱線してしまいますので、食事の量には気をつけなければなりません。
・・・
そして6時40分になって、タクシーでシャウシュピールハウス(ピナ公演の会場)へ。
もうぺトラが来ていました。
彼女もピナの新作を見たかったので、金曜日からデュッセルドルフの友達の家に泊まっていたのです。デュッセルからヴッパータールまでは電車で30分ほどです。
4ヶ月ぶりに再会したアンゲリカとぺトラは大喜び。そして、ピナのホームグラウンドであるシャウシュピールハウスは、地元のピナファンで満員になるので、独特な雰囲気(好き好き光線!)とても居心地が良いのです。
その中に心地よく身をおいて、私達は7時半からピナの新作を鑑賞しました。
続く