2007-06-10

ムズィーク・ムズィーク!!(3)

昨日の土曜日、私は午前中に仕事をしました。

午後になってマーケットに買出しに行った後、急にまたまた暑くなりましたので、お風呂に入りさっぱりとして、青汁を飲んで身支度。
そしてクーダムに出かけました。

いろんな用事を済ませ、5時45分に息子の友達のママ・S子さん(日本人)と合流。

実にその時まで、私は水分と青汁以外は何も口にしていませんでした。

というのも、S子さんと早めの夕飯を外でして、それからフィルハーモニーに一緒に行くことになっていたからです。
お互いの息子のもろもろの話をして、それから仕事のことなど、とても久しぶりだったので有意義でした。
子育ても仕事も、本当にいろいろとありますから・・・。いつもS子さんにはお世話になっているのです。

夕飯は、いつものリーズナブルで美味しいお寿司(場所は初めての4号店でしたが)。

なので、脱線になってしまうため、玄米とお豆腐はやめて、夕方まで何も食べないでいました。

「淑子さん、よくそんなに何も食べないでいられるね!」と、S子さんに感心されましたが、彼女もずっと私を見てきて、耳の調子がとてもよくなってきていることに気づいています。
そして、ずっと励まし続けてくれて、回復してきていることをすごく喜んでくれます。
ありがたいことです!

「聴覚がよくなってきていると感じられるし、少食ってやりがいがあるのよね。まだまだちゃんとできていないけれども、とにかく続けようと思って。」と私が言うと、

「うん、回復するのを心から祈っているね!」と心から応援してくれました。

ありがとう、S子さん!!!

・・・

さて、そしてフィルハーモニーへ。

8時開演の大ホール。私達は7時半に到着しました。

すでに多くのドイツ人が会場にやってきています。

大ホールの正面玄関に着くと、

あ! いました! 

例のアジア系のおばさまが・・・・。「無料チケット求む!」のおばさまが・・・。

やはり、このおばさまはほぼ毎日フィルハーモニーに通っているのですね。
ということは、勝算アリ、ということなのでしょうか・・・つまり、無料でチケットを譲ってくれる人が多くいるということ???

でも、私はまだそのおばさまを、フィルハーモニーの中で見かけたことがありません。(トイレを借りているのを目撃したことはありますが・・・。)

まさかそう簡単にはタダ券など手に入らないのではないかしら、と思っていたのですが・・・・・。

私達が入場してから5分とたたないうちに、彼女は満面の笑みを浮かべて会場に入って来ました!

「え~~!!! すごい! チケット入手したんだ、あのおばちゃま!」と驚嘆のS子さん。

奇特な方がいらっしゃるものなんですね。

たぶん、かなりの確率で彼女はチケットを無料で手に入れているのでしょう。
係員にも嬉しそうに、「ほらほら、チケットもらっちゃった~!」というジェスチャーをして親しげにしていましたので、会場のスタッフとも顔見知りみたいでした。

名物おばちゃまと化している??

おばさまは、とても慣れた様子でクロークに大きなリュックサックを預け、ホールに向って行きました。

唖然とする私達!

「いやぁ、音楽の力ってすごいね。天下のフィルハーモニーだものね、どんなことをしても聞きたい!という情熱で、毎日来ているのでしょうね。彼女、表情に迫力があるよね。絶対に聞きたい!チケット欲しい!(でも無料で)っていうエネルギー。」とS子さん。

・・・う~~! 
不可能を可能に変えるエネルギー!

恐れ入りました。

人間、やる気になれば何でもできるものですね。私も見習わなければ! 
いえ、無料チケットではなくて、

「強い意志を持って、少食をまっとうしたい」と思いました!

・・・

さて、大ホールで行われたコンサートですが、フランスの指揮者ブーレーズ+ベルリンフィルの演奏で、
近代音楽の巨匠4人の作品でした。

バルトーク(4つのオーケストラ作品)

シェーンベルク(5つのオーケストラ作品)

ウェーベルン(6つのオーケストラ作品)

そしてベルク(3つのオーケストラ作品)

バルトークは新民族音楽主義で、他の3人の作曲家は新ウィーン派と日本では言われていますが、近代音楽という枠は、後期の無調音楽になってからかなり難解に聞こえていたものですが、こうして聞いてみると、聞きやすかったです!

すでに、これらの音楽家の作品が、近代というより良い意味で古典に近いサウンドなのだなぁと感じました。

ブーレーズの指揮は渋くてかっこよく、ベルリンフィルの音色は相変わらずシャープで素晴らしかったです。

そして、この4作品は全てとても面白くて楽しめました。

最後のベルク作品では、巨大な木製のトンカチのような形の打楽器が、どか~~んと音を鳴らしたのですけれども、そのサウンドとビジュアルが強烈で、ものすごく圧倒されました。

こうして聞くと、ウェーベルンなどは本当にかなり聞きやすいのですねぇ。

楽章もひとつひとつが短くて、あっという間に終わってしまうのです。

「あれ? これでいいの?」と思うほどで、それがかえって新鮮な雰囲気をかもし出していて、再評価されているのも頷けました。

・・・

ということで、とても楽しいコンサートでした!

ここのところ、自然と音楽に触れる機会が増えてきています。

これはとても良い兆候です!

私の聴覚が、徐々に回復してきている証明だと思うのです。

まわりにも、聞こえるようになってきているね、と言われて、本当に嬉しいですし、ますますやる気になっています!