2007-06-15
クッキー
クッキーといっても、食べるクッキーではありません。
読者の方は、もしかしたら覚えていてくださっているかもしれませんが・・・
我が家の一員だった、ケイビーのクッキーです。とても賢いモルモット君です。
もう一匹のラッキーは、去年猛暑の中、亡くなりました。それで、クッキーが一匹ではあまりに寂しいということで、ぺトラの友達、ガビーと彼女のBFが、すでに飼っているケイビー2匹の仲間に入れてくれることになったのです。
・・・
それから早や1年ほど・・・。月日が経つのは早いですね。
昨日、そのクッキーが危篤状態になったと連絡がありました。
数日前、突然脳梗塞のような状態になったのだそうです。それで、すぐに獣医さんに行ったら、抗生物質の注射を2本打たれたようなのですが、全く効き目がなく、そのまま様子を見ることになりました。
そして今朝、もしも様子が変わらなかったら、再び獣医さんのところに行って診察した後、獣医さんが昨日提案したように、「安楽死」をさせたほうがいい・・・とのことだったのです。
とてもショックを受けました。
私は、動物のお医者さんというのをあまり知りませんが、そういうものなのでしょうか?
もしもクッキーがものすごく苦しんでいるのだったら・・・
そう思うと、どうするのが最もクッキーにとって良いのか、私にはわかりませんでした。
動揺してしまって、息子が昨日学校から戻ってから、その話をしました。
息子もすごくショックを受け、会いに行きたいと言い出しました。
でも、ガビーはBFと一緒にクッキーの面倒をみてくれていて、安静にしていなければなりません。
それに・・・大人の事情ですが、ガビーとBFは、数ヶ月前に別れてしまったのです。でも、このクッキーの件でBFが急遽やって来てくれて、二人で世話をするというのでした。
そんな複雑な事情の中で、たとえクッキーに会いたいからといって、こちらのわがままを通すことはできません。
私は、ずっとずっと考えていました。
・・・
「お母さん、どうするの? 明日病院に一緒に行くの?」心配そうに息子が聞きました。
「うん、朝9時半くらいに行くって言っていたので、仕事もあるんだけれども、とにかく様子を見て一緒に行くって伝えたわ。ガビーの家までここから50分はみないとならないから、8時半には着替えて用意していないとね。それに・・・」
「それに?」息子は、さらに心配そうな顔をしています。
「それに・・・やっぱりお母さん、安楽死ってさせたくないな。もちろん、クッキーがものすごく苦しんでいるんだったら、人間のエゴを貫いてはいけないのでしょうけれども・・・。
でも、もしも苦しんでいるのではなかったら、もしかしたら奇跡が起こるかもしれないし・・・
うちに連れて来ようかと思っているんだけれども、どうかな・・・・。君も世話を一緒にできる?」
「うん! それがいいよ! 俺もそうして欲しいって思っていたんだよ。だから大丈夫だよ! そうしようよ、お母さん!」
・・・
腹は決まりました。
どんなことでもしよう。ガビーは日中仕事で家にいないのでしょうし、だったら私が何とかする!
そう決心して、そして朝になりました。
なんだかあまり眠れず、クッキーとの4年間の思い出にひたっていました。
クッキーは、ケイビーの中でも本当にとても賢かったのです。私の言葉に反応したし、ガビーの家に引っ越してからも、私が訪ねて行って日本語で話しかけると、すぐにこちらを向いて近寄って来ました。
ガビーも彼女のBFも、そしてぺトラもすごく感心していました。
他のガビー家のケイビーは、かなりの怖がりだったけれども、クッキーだけは部屋中を好き放題に歩き回って、ガビー達のリビングまで入って来たそうです。テレビを見ているところにやって来て、一緒にちょこんと座って見ていたり・・・・。
本当に頭の良いケイビーだったのです。
・・・
ぺトラから電話があったのは、朝7時45分でした。
「淑子、あのね、ついさっきガビーの家でクッキーが天国に行ったって・・・。」
・・・
動物と共に生きる・・・というのは、こういう時とても辛いですね。
私の実家でも、2度ほどヨーキーテリア(ヨークシャーとシルキーテリアのハーフ犬)と暮らしていたことがありますが、いつかは死がやって来るとはわかっていても、本当にすごくしんどいものです。
・・・
私は、そのままPCの前に座り、ただただ仕事をこなしました。あまりスムーズではなかったけれども、それでも仕事をしていないと悲しすぎて辛かったのです。
すると、ぺトラからメールが入りました。
私は、ぺトラを通じてガビーに、自分のできることは何でもしたい、と申し出ていました。
そして、1年間クッキーの新しい親になって愛してくれたことに感謝して、少なくても獣医さんでかかった費用を渡したいと言っていたのです。
ぺトラのメールには、こう書かれていました。
「よしこ、
いろいろとあたたかい心配りをありがとう。
ガビーもすごく感謝しているし、気持ちが嬉しいって言っているわ。でも、よしこが費用を負担する必要はないって。
ガビーがね、
この1年間、自分のところにクッキーが来てくれて、本当に幸せだったって。
そうした素晴らしい時間をくれたことを、クッキーとあなた達に感謝したいって。
クッキーは、本当にとても特別だったって言っていたよ。
私もそう思う。あの子はすごく賢くて、私達人間の言っていることがわかったよね。
それに、とっても勇気があって、チャレンジ精神があって。
今は、ガビーは静かにクッキーを想って過ごしたいって。なので、しばらくして、落ち着いてから会いましょうって。」
・・・
あまりにありがたくて、私はメールを読んで思わずわっと泣き出してしまいました。
クッキーは、ガビーや仲間のケイビーと暮らすことができて、本当に本当に幸せだったと思います。
今頃は、天国で太っちょのラッキーと再会していることでしょう。