2007-05-25
ひまわりのかっちゃん
先日、アーティストの奈良美智さん取材の件で「プレシャス」誌をご紹介しましたが、10日ほど前に雑誌が送られてきました。
今回私は奈良さんと雑誌をつなげただけで、資料提供などはしたものの、インタビュー取材は全て日本で行われました。なので、どんな内容になっているのか、とても楽しみにしていたのです。
その中で、「ひまわりのかっちゃん」(西川つかさ著・講談社)という本を、奈良さんが紹介していました。
とても気になりました。
何か直感で、息子と私の「今」に響く本なのではないかな、と思ったのですね。
なので、父に頼んですぐにベルリンに送ってもらいました。
昨日その本が届き、先ほど読み終えました。
もう、もう、もう本当に・・・本当に・・・・
涙が止まりませんでした!!
かっちゃんも、森田先生も、他の子供たちもお母さんも・・・全てが私の頭の中で映像となってくっきりと浮かび上がり、人々は暖かい空気に包まれていました。
やはり、間違いない!と確信しました。
息子に何としても読ませたい、そう強く思ったのです。
「そういうの読めば俺がやる気になるとでも思ってんの? うざいんだよ、そんな考え方!」
機嫌の悪い時、息子の言い方はひどく負の力が働きます。何を言ってもムダになってしまうことも多々あります。
でも、今日は特別な日。
息子のちょっとしたトラブルがあり、その件である所に一緒に行かなければならなくなりました。息子の学校が終わってから、私達は近くのタクシー乗り場で待ち合わせ、3時の約束に間に合うように出かけました。
息子が完全に悪いので、ただただ私は謝るだけなのですが、息子も反省しているので、もうあまり厳しいことは言いませんでした。でも、教育上、罰は与えなければならないと思っていました。
ドイツでは、そういうことが当たり前のようです。ドイツだからドイツのやり方に従うというのでもないのですが、息子には、反省すべき時にしてもらって、そしてその時の痛みはちゃんと覚えておいて欲しいと思います。
「それで今回のペナルティだけれども、通常はおこづかい2か月分くらいをなしにするとかね、いろいろ罰はあるよね・・・・。君はどうしたいの?」
「いや別に・・・。俺が悪いんだし、反省しているけれども、だからといって罰をなくしてくださいだなんて、そんなムシのいいことは言わないよ。何でも受けます。」とまじめな顔をして言いました。
「そう・・・じゃぁね、この本を日曜日までに読み終えなさい。」
そう言って、私は「ひまわりのかっちゃん」を息子に渡しました。
こうなったら、息子はこの本を拒否することはできません。とにかく読むこと・・・。これが息子の罰なのですから。
「え、そんなんでいいの?」と、きょとんとしている息子。でも、好きでもない本を数日で読むというのは、結構きついことかもしれません。特に、母親である私が推薦する本は、意地でも読まないくらいの反発心を持っていますから(思春期で難しいですし・・・汗)、こうするより方法がないと思いました。
「うん、君が<そんなんで>って思うかどうかは、お母さんはわからなかったけれども、でも、とにかくこれがお母さんからの君への課題。そして、読み終わったら日曜日の夕飯の時に、感想を聞かせてちょうだいね。お母さんがヴッパータールから戻ってすぐってことだけれども。」
「わかったよ・・・。実は俺、この本読んでみたいって思っていたんだ。表紙を見たら何だか読みたくなったんだよ。だから、お母さんに強要されなくたって、俺はこの本だったら自分から好きで読んだと思う。ありがとう! おれ、ちゃんと日曜日までに読むからね。」
・・・
勉強が嫌いでやる気のなかった小学生のかっちゃんが、ある先生に出会ってからどんどん変わっていって成長する姿が、本当にキラキラと、そして生き生きと描かれています。私は後半、ずっと泣きながら読みました。暖かい涙でした。
「何事も、諦めてはいけない。」
ストレートに響く素敵な本だと思いました。
これは、少食にも通じます。なかなか続けることができなくて、挫折しそうになることがあっても、諦めないで前に進む・・。すごく大事なことだと思います。
・・・・・・・・「ひまわりのかっちゃん」・・・・・・・・・
この本は、小学生からお年寄りまで、誰にでもすんなり読める素晴らしい本です!
ぜひ、皆様にも読んでいただきたいと思いました。
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