2012-07-29

東郷健・野中広務・土井たか子

7月1日の「東郷健を偲ぶ会」。
開始時間になっても行列ができ、
来場者が入れないほど
会場には大多数の人が
集まった。

来場者には伏見憲明さんによる追悼文が
配られた。心打たれる名文と、凡庸だが、
そうしかいいようがない文章だった。

ワタシが自分のスピーチの最期に
カトリック式の黙祷を捧げたのには
理由がある。

あれは2008年秋のことだ。
浅沼稲次郎を悼む会が連合会館であった。
パネリストは野中広務、土井たか子の両元衆院議員と
大谷昭宏であった。野中さんは自分の番になると

「浅沼先生を悼む会なのに黙祷を捧げないのはおかしい」

と発言して、

会場全体で黙祷を捧げた。

次にマイクを握った土井たか子・元衆院議長は

「野中さん、ワタシは恥ずかしくて恥ずかしくてしようがない」

と、追悼がまずなされずに会が始まったことを詫びた。

「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなあ(笑)」

とかつて、野中さんを侮蔑した麻生太郎・首相(当時)が解散をするかどうか、という、時期なので、野中さんの発言をとろうというメディアと参加者で会場はあふれていた。

野中さんは「身分の高い麻生首相」というように暗に麻生を揶揄したが、直接的な批判はせず、土井たか子さんと浅沼さんについて語り合い、「『ダメなものはダメ』といえる勢力が必要なんですよ」と土井さんを持ち上げた。

そんな記憶がよみがえったのだ。