2005-07-26
ウソ、ホント?「HIV拡大は日本だけ」説
在仏日本人向けの新聞『オヴニ』紙は「約6000人」というHIV(SIDA)に関する記事を載せています。
http://www.ilyfunet.com/ovni/2004/557/onenpar.html
【12月1日の国際エイズデーに「フランスではエイズに関する警戒心が後退し、感染者が増加している」とシラク大統領。フランスでは、この1年間に約 6000人が新たにエイズに感染した。コンドーム使用のキャンペーンにもかかわらず、最近は感染者数が、男性の同性愛カップルを中心に増加している】
「先進国でHIV感染者の拡大は日本だけ」という説を私は信じていたので、昨年、HIV啓発市民グループ・AIDESのメンバーとパリ市内で立ち話をしていたとき、「フランスでも拡大」という話を聞き、驚きました。「日本のみ拡大」説では、
①政府の取り組みの甘さ
②性教育の不徹底
が、拡大の理由として紹介されています。
フランスやベルギーのフランス語圏を中心に売られているレズビアン・ゲイの総合誌「TETU」最新号で、ゲイに対するインターネット・アンケートに基づく調査記事が掲載されていました。そこでは、コンドーム使用などによるセイファー・セックスをするゲイ男性が減少の傾向にある……と、過去のデータと比較して、論じられています。
フランスでは国際エイズデーにシラク大統領が国民に向けた演説をしますし、パリ市がコンドームを無料で配給していますし、パリ市がHIV啓発のポスターを町中に貼ったりしています。日本よりは格段に啓発が進んでいます。なのに、「感染拡大……」ということで、昨年12月は少なからぬ衝撃が広がりました。
性教育をやればHIV感染は減少する……ということにはならないようです。フランスでは、如何にセイファー・セックスを普及させるか……運動の再構築が議論されています。