2012-04-26
東郷健さんの訃報に接して……
昨年パリに行く前々日にお目にかかったのが
最期となってしまった。東郷健さんが亡くなられたことを
親族が明らかにした。
ゲイバーもたたみ、中野で隠遁生活をおくられていた健さんは、
お目にかかった時は元気そのものであったが、既にそのときに
前立腺ガンを患われていたのであろうか。
飲尿療法の効能を信じて、近代医学に懐疑的だったからであろう、
病院でなく自宅で天に召された。自らを蝕む病にあることを
誰にも告げず、愛猫に囲まれながら独り死に、
数週間後に発見された。
遠藤誠・弁護士が亡くなられた折、ひどく落ち込んでおり、
2人で朝まで痛飲したことがある。
東郷健さんの活動については
健さんとの共著『常識を越えて ~オカマの道、70年』(ポット出版)で
全てが網羅されている、といっても過言ではないだろう。
再来月に傘寿を迎える前に逝ってしまった。
人生の途中で、筆をそっと置くように逝かれた
東郷健さんを想う。
逢いたがっていた遠藤誠のもとへ逝ったのだと
したら、ご本人も本望であろう。
主の身元に戻られた健さんのご遺族の上に主のまったき恵みと慰めがありますように
主イエスの尊き御名を通してお祈り申し上げます。
Adieu, Ken san。