2010-06-07

銀河鉄道の夜へ

銀河鉄道の夜へ

先日、イーハトーヴへ里帰りした。
帰郷した折には必ずといってよいほど見学する宮澤賢治記念館に行った。施設も三つに増えて、だいぶ、整備されていた。

宮澤賢治は北上川の“イギリス海岸”の石畳の上に寝そべって、物思いに耽ったという。街灯などほとんどとなく月明かりがたよりになる深夜、河岸に寝そべると、星々が美しく見える。河のせせらぎに耳を澄ましていると、銀河鉄道の汽笛が聞こえてくるようだ。

正統派指向というわけではないが、ワタシは賢治の作品で、『銀河鉄道の夜』がもっとも好きだ。たいてい黙読するのでなく、朗読CDで作品を聴く。なんとなもいえぬ切なさを覚えるのは何故だろうか。わたしよりも先に、天に召された知人・親族・友人の顔が浮かぶ時もある。

嗚呼、カムパネルラよ、ジョバンニよ。