2007-06-04
フランス社会党の党首がサルコジ新大統領を批判
『オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
タイトル:フランス社会党の党首がサルコジ新大統領を批判
サブ・タイトル:社会党から閣僚を抜擢する手法に激怒
【本文】
フランス社会党党首、フランソワ=オランドは5月20日、ラジオ局「フランス・インター」の取材で、ニコラ=サルコジ新大統領が社会党の人材を入閣させたことを「引き抜きだ」と怒りをあらわにし、「サルコジ氏の狙いは、左派を瓦解させて下院選で勝利し、フリーハンドを手に入れることだ」と痛烈に批判した。
5月18日に発足したサルコジ氏側近のフランソワ=フィヨン氏が首相となった内閣には、社会党政権下で大臣を2回務めた同党の重鎮で国民的人気の高いベルナール=クシュネル氏が外相に抜擢(ばってき)された。
また、経済担当の閣外大臣には社会党の経済政策専門の書記官だったエリック=ベッソン氏が、外交担当の閣外大臣には、リヨネル=ジョスパン左派連立政権で官房次長を務め、オランド氏の側近だった社会党のジャン=ピエール=ジュイエ氏が充てられた。
オランド氏は「サルコジ氏の詐術がいかなるものかよく分かる。6月10日に行われる下院選の第1回投票まで「時間がわずかしかない」と述べ、左派を混乱させた状態で、選挙戦を勝利しようとするサルコジ氏の手法を批判し、「全権力を掌握しようとしているサルコジ氏をこのまま見過ごしていいのだろうか」と国民に問いかけた。
大手調査会社のイフォップは下院選(定数577)の議席予想を15日に発表した。それによれば、サルコジ大統領の与党「国民運動連合」が過半数を大きく上回る336議席から390議席を獲得し、社会党は149議席から190議席に留まると予測している。
「日曜新聞」の世論調査では内閣支持率は69パーセントと高水準で、与党への追い風はやみそうにない。社会党は戦略を1から立て直す必要がありそうだ。