2006-12-26
フランス共産党の女性党首が出馬表明 左派は分裂か
『日刊ベリタ』に「仏共産党の女性党首が出馬表明 左派は分裂か」という記事を寄稿しましたので、転載します。
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12月22日のテレビ番組にフランス共産党の女性党首、マリー=ジョージ=ビュッフェさん(57)が出演し、2007年フランス大統領選挙に出馬することを表明した。
「私は選挙活動を始めることを宣言します。勇気ある左翼、戦う左翼を欲している人々の声を代表する候補者がいません。だから、私が出馬します」
2005年に国民投票によって否決された欧州憲法では、極左政党「革命的共産主義者同盟」や極左政党「労働者の闘い」、反グローバリズムの市民団体や活動家が、フランス共産党と提携して反対運動を行った。
大統領選で欧州憲法に反対した左派の間で党利党略を超えて統一候補を立てようとする動きがあり、候補者として「農民同盟」の指導者ジョゼ=ボベ氏の名前が上がっていた。フランス共産党の独自候補擁立は「左派統一候補構想の崩壊」を意味するとメディアは報じている。
一方、穏健左派の間ではセゴレーヌ=ロワイヤル女史を支持する動きが加速している。2002年の大統領選挙で独自候補を立て5・33%の票を獲得した政党『市民運動』や2・32%の票を獲得した「左翼急進党」が候補者見送りを決定し、ロワイヤル氏を支持すると表明している。
2007年の大統領選は、ニコラ=サルコジ内相、ロワイヤル氏、ジャンマリー=ルペン「国民戦線」党首の三つ巴の争いになりそうな情勢だ。
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なお、拙著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)では欧州憲法をめぐる動きについて一章を割いて掲載していますので、御興味ある方は御覧ください。
【写真脚注】欧州憲法に反対する集会で演説するビュッフェ下院議員。及川健二が撮影。