2007-06-02
フランスの人気タレントが提案した「自然環境協約」 ~サルコジ大統領は、その協約の実行を優先~
『オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
タイトル:フランスの人気タレントが提案した「自然環境協約」
サブ・タイトル:サルコジ大統領は、その協約の実行を優先
【本文】
フランス大統領選挙で、候補者たちに「自然環境協約」を署名させる試みが注目を集めていた。
「自然環境協約」の提唱者は、環境派テレビ・タレントとして人気を誇るニコラ=ユロ氏だ。
この協約は、「有機農業などの奨励に向けた農業補助金改革」や「炭素税」の創設、「環境教育の実施」、「内閣の要人に環境相をあてる」ことなど5つのエコロジー政策から成る。
ユロ氏は、この協約の発表に当たり、
「大統領選挙の争点を環境政策にするべきだ。環境危機に直面して、10人中9人のフランス人が、(環境政策に関わる)根本的な政治改革の必要性を痛感している。さらに52パーセントの国民が、環境保護を大統領がやるべき優先事項にするべきだと考えている」
と述べた。
ユロ氏は、人気タレントとして影響力を持っており、大統領選挙に出馬した与党「国民運動連合」ニコラ=サルコジ候補やセゴレーヌ=ロワイヤル候補、フランソワ=バイル候補などが、「自然環境協約」に署名した。しかし、極右のジャンマリー=ルペン氏など、署名をしなかった候補者もいた。
選挙に勝ったサルコジ大統領は、「自然環境協約」にのっとり、環境相にアラン=ジュベ元首相を就任させ、新しい内閣のナンバー2の座につけたのだ。
サルコジ大統領の環境問題に対する熱意を表す人事だった。
すっかり自信を持ったユロ氏は、今度は下院議会議員選挙用の「環境協約」を作成、下院議会議員各候補者に署名を要求している。
人気タレントを先頭に、彼を応援する一般市民が政治家たちに、環境政策など「自分たちの声」を伝え、署名させる。こうした運動が、日本であってもいいだろう。
政治家たちが公約を一方的に提示し、有権者が投票するという時代から、市民の側からも、納得できる政策を、政治家たちに提案してもいいのではないか。
日本版「環境自然協約」を出せるタレント、市民はいないのか。