2006-11-07
『沸騰するフランス』の魅力を語る②
先週上梓した拙著『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』(花伝社)は書店での売れ行きも順調なようで一安心している。100枚近くの写真が掲載されビジュアルも重視している。
第8章では「日本より10倍面白い! フランスの政党──社会党から快楽党まで」と題して、フランスの政党について紹介した。フランスには弱小政党を含めれば、一〇〇以上の政党が存在する。その中で「影響力がある」「面白い」という2つの観点から22の政党を選び、解説を書いた。フランスの政党をもっとも丁寧に解説した本になっている。フランスの政党の中で特に私が思い入れを持っているのは、快楽党(Le Parti du Plaisir)だ。同党はヌードダンサーなど性労働者(セックスワーカー)が候補者として国政選挙に出馬し、党首にはヌードダンサーでポルノ女優の女性がついている。反原発・反遺伝子組み換えなどまっとうな環境政策もあれば、「高校でナンパの授業をもうけるべし」「失恋者に救急車を!」という奇抜な政策もあり賑やかで愉快な政党だ。
第9章では「死刑廃止を断行──ミッテラン前大統領」と題して、10年前に亡くなったフランソワ=ミッテラン前大統領について語った。愛人が50人いて、前立腺ガンに侵されながらも女性たちとの逢瀬を死ぬまで楽しんだミッテラン前大統領の人間味あふれる素顔に迫った。58歳年の離れた隠し子の娘が1994年にスクープ・公表されたときの微笑ましいエピソードも紹介している。
第10章では「人権活動家の語る『死刑・貧困・水飢饉・フランス暴動』」と題して、国際連合に大きな影響力を持つ人権NGO『フランス自由協会』を率いるダニエル=ミッテラン前大統領夫人にインタビューした。ルペン氏が極右の大御所だとすれば、ダニエルさんは人権派の大御所といえる。紛争地域にも足を運び、貧困地区を援助する「ホンマモン」の活動家である。80歳を超えたいまもなお、精力的に活動を続けている。
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