2007-08-09
「新党日本」が善戦した理由をボランティアに聞いた 小政党は軒並み苦戦の中で……
『オーマイニュース』に次のような記事を執筆しましたので、転載いたします。
タイトル:「新党日本」が善戦した理由をボランティアに聞いた
サブ・タイトル:小政党は軒並み苦戦の中で……
7月29日に投開票が行われた参院選。民主党に突風が吹く中で、比例代表区ではミニ政党は苦戦した。以下は小政党の獲得票だ。
政党名 得票数 得票比率
共産党 440万7937票 7.48%
社民党 263万4716票 4.47%
新党日本 177万697票 3.00%
国民新党 126万9220票 2.15%
女性党 67万3591票 1.14%
9条ネット 27万3755票 0.46%
維新政党・新風 17万515票 0.28%
共生新党 14万6986票 0.24%
(注) 2007参院選選挙・比例代表区ミニ政党の得票について
共産党が3議席、社民党が2議席、新党日本が1議席、国民新党が1議席を獲得した。2004年の参院選比例区では女性党が98万9882票(1.76%)を獲得し、現在は解散した中村敦夫・参院議員(当時)が率いる環境政党「みどりの会議」は90万3775票(1.61%)を獲得。議席獲得ならずとも善戦したのに対し、今回、政党要件を有さないミニ政党は苦戦を強いられた。
しかし、そんな中で、意外にも健闘したのが、「新党日本」だ。
同党は選挙直前に所属の国会議員が2名、離党して国会議員ゼロになるなど、逆風が予想された。新聞では既成政党6党に比べると小さな扱いだった。同党は比例区のみに3名の候補者を立て、選挙区への候補者擁立を断念した。
それが比例区に14名、選挙区に候補者を13名立てた国民新党の獲得票数をはるかに上回り、都市部では社民党以上の票を獲得した。新党日本は結局、1議席を獲得し、田中康夫・代表が当選した。なぜ、新党日本はミニ政党逆風の中で善戦したのか。支持者の1人はこう発言する。
「党首討論等の番組を見ていても、田中さんはキチンとしたデータソースに基づいて発言する。田中康夫代表は多く持ち合わせたボキャブラリーで、他を抜きんでていました。田中さんが多くのテレビ番組に出演することによって、新党日本にとって非常に有利になったと思います」
新党日本を手伝ったボランティアの1人、Nさんに新党日本に魅了された理由を独占インタビューした。
―――新党日本の何が魅力的でしたか。
N:過去に何度か選挙スタッフをしてきたが、そのどれもが既成政党の選挙でした。支持母体のない、独立愚連(ぐれん)隊的な選挙も手伝ってはきましたが、最終的には労働組合などの組織票集めに奔走することになります。結局のところ、当選するためには何かしらの「確固たる票」がなければならない。そう自分の中で信じているものがありました。
新党日本の魅力は、そんな自分の思いこみを打破してくれる何かがあるところでした。バックに宗教団体も労組もない。ドブ板選挙とも違う地道な選挙戦。自分の考えを訴え、純粋に考えに同調してくれた人によって当選を狙う。
ある意味純粋な選挙。そして、純粋な活動方針に魅力を感じました。
―――田中康夫さんをどう評価しているか?
N:人への気遣いをする人だと思う。
行政とはサービス業です。そのような当然のことを忘れているから年金問題などが出てきてしまうのです。サービス業であるならば、お客さま本意に考えて仕事を進めていくべきであります。そのことを田中代表は知っています。そして、それを周りに徹底する力のある人が田中代表です。
今回、国政という場に田中代表が出て行くことにより、その力を遺憾なく発揮してくれるものであると信じています。
―――田中さんの訴えに共感した点は何ですか。
N:「当たり前」なところです。
国民が思っている当たり前なことをなぜかいままでの国会議員たちは言ってきませんでした。言ったら「寝た子を起こすな」とまで言われる始末。長野県知事になる前に書かれた文章から田中代表は当たり前のことを書き続けていました。自分の思うことを当たり前に書いていく。舞台が政治へと変わったときも、そ の当たり前の姿勢を変えることなく進んでいきました。
年金から憲法まで、あらゆる事柄が今回の選挙で争点になった。その争点に対する田中代表の回答はどれもが「当たり前」のことでした。年金手帳もサンダーバードもわたしとしては「当たり前」のことなのです。それを訴えてくれたところに自分は喜びを感じ、共感したのです。