2015-03-04

渋谷区の同性パートナー証明書で『タンタンタンゴはパパふたり』に自治体からも大量注文

ポット出版から2008年4月に発行した『タンタンタンゴはパパふたり』の注文が増えている。

今朝、大阪のある区役所から電話で、「62冊ほど注文しようと思うんだけど在庫はあるか?」という問い合せ。
ここんとこ大口の注文の問い合せが続いているので担当者に聞いたら、渋谷区の同性パートナー認定がきっかけで
あちこちの自治体も続こうという動きがあるらしい。
また性的少数者に対する理解を深める目的で幼稚園や小学校に配るということもあるらしい。
ちなみにその区は区内の幼稚園と小学校にタンゴだけでなくいろいろな本をセットにして配布するつもりだとのこと。

『タンタンタンゴはパパふたり」は、現在3刷(今、在庫は500冊くらい)で、淡々とじっくりと売れ続けている。

ニューヨークのセントラル・パーク動物園の実話をもとにした絵本で、ロイとシロのオスのカップルが「卵のような石」を温めていたのを見た飼育員が、他のペンギンカップルが育てられなかった卵を巣に入れて、タンゴが生まれた、って話。
米国図書館協会(ALA)の2007年「最も批判の多かった本(most challenged books)」で第1位。2006年に引き続き、2年連続の1位となったり、イギリスでは同性愛への理解を深めるための、4歳から11歳の就学児童への教育プロジェクト「No Outsiderプロジェクト」でテキストとして採用されたというニュースもあった話題作。

この本は、最年少の大阪府議で、レズビアンであることを2005年にカミングアウトして、2007年の参議委員議員比例区に立候補した尾辻かな子さんが、出版を提案してくれてポット出版から発行した絵本。
7年後に、渋谷区の同性パートナー証明書の条例提案を機にさらに注目を集めている。

ポット出版の所在地の渋谷区が、同性愛者の理解を広げる取り組みとして、地方自治体でできることに果敢に挑戦しているが、そうした取り組みにこの絵本が一役買っているくれている。