2011-05-25

お部屋2217/クラブが厳しく取り締まられる歴史的背景[追記あり]

29日(日)にまたヴィンセントラジオに出ます。午後8時からです。

今回はクボケン磯部涼というメンツ。

また原発やデモの話みたい。メンツは違っても、同じことを話すのはつまらないので、「知ってた? 原発以外でデモやってもいいんだぜ」って話でもしようかなと思ってます。

ツイッターを見ていると、たぶんそろそろ「風営法改正のデモ」を呼びかけるのが出てくるんじゃないかな。とくに関西で次々とクラブが摘発されていて、相当怒りが蓄積されているので。

風営法はあちこちに改正すべき点があると思いますが、中でも、クラブがヘルスやキャバクラ同様に、深夜12時あるいは1時までの営業っておかしいと私も思います。ヘルスやキャバクラだって、今の時期は深夜営業をさせるべきだと思っていて、まして踊る場所は朝までやっていい。

そもそも音楽を聴いて踊るだけの場所が、どうしてそうも厳しく取り締まられることになり、営業時間の制限までなされるようになったのか(深夜営業ができなくなったのは、1980年代のことですが)。

ちょっと前にツイッターでも書きましたし、メルマガでも詳しく説明しましたが、風営法が制定された昭和20年代のダンスホール事情と関わっているのだと思われます。

今現在のクラブのルーツは高度成長期のディスコにあります。このスタイルが出てきたのは昭和40年頃からでしょう。

それまではダンスホールやナイトクラブです。若い男女が集まってパーティをしたり、ナンパしたり、されたりするホールもあったわけですが、もうひとつのスタイルがあって、ダンサーが待機していて、男の客がチケットを購入し、それをダンサーに渡してパートナーになってもらいます。ダンサーは店から金を得ておらず、このチケットを換金して収入にしていたはず。

戦前からあったスタイルですが、戦後とくに大衆化します。

これを規制するために、風営法第二条では、店による「接待」を要件としてキャバレーを規制する第二号とは別に、第三号・第四号の規定ができたのだと推測できます。

ダンスホールの場合、踊りが接待とも言えるわけですが、ホール側とダンサーとの間に明確な雇用関係がなかったため、第二号では規制しきれないわけです。そのため、ダンス教室以外の踊る場所を提供する営業一般が風営法の対象になったと。

当時ダンスをいかがわしいものと見るムキもあったわけですが、それよりも風営法が規制したかったのは、接客(風営法上の「接待」)です。事実、客とダンサーの個人交渉も頻繁に行われ、客やダンサーによってはむしろそれこそが目的でした。それを規制するために、ダンスがとばっちりを受けた格好です。

この規定が、やがて登場するディスコも対象にしていくことになるわけですが、本来規制対象だった業態がもうないのに、なおクラブを厳しく締め付けるのは不当です。

しかし、現にこの法律があるので、警察が摘発するのは妥当だと言うしかない。法改正するしかないのですが、政治家たちは誰もこれを改正しようとしないため、今なお残ってしまっています。

黙っていたら、今のまま。そろそろ声を上げるべ。

なんて話をしようかなと。先に書いちゃったけど。

もうひとつ告知。

6月1日(木)、新宿ネイキッドロフトで以下があります

“ブレないジャーナリスト”青木理ד日本一危険な編集者(By サイゾー)”久田将義の
「「ダークサイド トーク」第二弾〜電力利権の闇〜」
【出演】
青木理(ジャーナリスト)
久田将義(『実話ナックルズ』発行人)
【Guest】
川端幹人(『噂の真相』元副編集長)
松沢呉一(ライター)

Open 18:30 / Start 19:30
予約¥1300 / 当日¥1500(飲食代別)
予約は以下にて受付中
WEB
http://bit.ly/mDiP1z
電話
Naked Loft 03-3205-1556(17:00〜24:00)

「メディアと原子力産業の癒着」みたいなテーマらしいです。その辺は川端さんが詳しいので、私としては、ちょっと違う切り口で、メディアの責任についての話をしようと思ってます。

これもここに書こうかと思ったんですが、客が減るといけないので、当日まで温存しておきます。
 
 
追記:風営法制定当時、ダンスホールがどのような場所であったか、どのように見られていたのかについては、2299「クラブが厳しく取り締まられる歴史的背景 2」も参照のこと。
追記2:チケットダンサーの収入について、店から金をもらっていないかのように書いてましたが、訂正します。磯部涼編著のクラブ本に執筆するために改めて調べたところ、チケット代金の4割から5割がダンサーの取り分でした。詳しくは2012年8月発売のこの本を参照してください。