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[第5章●録音データのデジタル化道] 8… Skypeって何? |
[2005.02.08登録] |
石田豊 |
何度か書いていることなんだけど、さいきんどうもアタマの具合がよろしくない(今に始まったことじゃないかもしれんのだが)。そのため、好奇心にドワっと火がつくことが少ないのでとてもタイクツである。なにかおもしろいことないか、と、POTの日高さんに訴えたところ、「すかいぷはどうでっしゃろ」とのサジェスチョン。 さっそく試してみたのだが、これがなかなか面白いのだ。 Skypeとは何か。 何ができるかというと、まず「インターネット網を介して、無料で電話通話することができる」というものである。 Skypeの日本語ページからアプリケーション(Windows版だけでなく、Linux版、MacOS X版もある)をダウンロードする。無料である。 つぎに、コンピュータに音声を入力するシステム、音声を出力するシステム(こちらはふつー、どんなパソでも備えてますな)を用意する。ぼくの場合、PowerBookにはビルトインのマイクもスピーカーもあるから、なんら問題がない。 この状態で、SkypeのIDを持っている人、たとえば日高氏のSkypeIDを指定し、「コール」のボタンをクリックする。すると日高氏のパソではリリリンと着信音が鳴り、受信のボタンをクリックすることで、ふたりの間で、電話のように会話ができる。通信料は無料である。 つまりSkypeユーザ同士は、どんなに離れていようと、無料で電話のような通話が可能になる。 音声の品質は非常によい。電話よりクリアといっても過言ではない。しかも通話料は(プロバイダに支払っているインターネット接続料とかは考えなければ)まったくの無料である。日高氏は10キロも離れていないところにいるからナンだけど、たとえばイルクーツクに住んでいたとしても、これは同じ。 ワープロ画面とかが開いているだけのコンピュータを前に話すのは、どうも勘が狂うというか、調子が悪いというか、で、ずいぶんヘンな感じだが、それでもちゃんと会話はできる。これでパソにヘッドセット(後述)でもつければ、ぐんと感じがでて、ふつーの電話会話になるに違いない。 ここまでのところでも、ずいぶん恩恵を受けうる人は多いと思う。たとえば、遠距離恋愛をしているアナタとか、娘を語学留学に送り出したアナタとか、札幌の下請け先と毎日のように長時間打ち合わせをしているアナタとか。 通話者双方が(1)PCがあり、(2)そのPCがインターネットにつながっており、(3)SkypeアプリをDL(無料)さえすれば、何時間電話で話そうと、無料なのである。これだけでも十分うれしい。 かくなることを書くと、あ、それそれ知ってる、BBフォンといっしょねとかいう人が出てくるわけだが、ぼくはいままでその手の新機軸には、どうもこころ引かれなかった。それは、「じぶんとこにとりこむぞ」路線が衣の隙間から見え見えだったからである。べつに自分が利益を受ける範囲内でどこのだれがその代償を受け取り大もうけしたところでいいようなものだが、どうもぼくは狭量でいかん。「わしがとりこむぞ」システムはなんだか知らないが、キライなのである。 BBフォンの相互無料通話を享受できるのはその会員相互である。ケーブルテレビの電話も同じく。 このSkypeのいいのは、そういうケチくさいことをいわないところだ。つまり、プロバイダがどこでもいいし、マシンが何でもいい(っても、WinかMacかLinuxかポケットPCだけなんだけど、いまのところ)。とにかくSkypeのアプリをインストールしただけで、相互の無料通話が楽しめてしまう。 じつはこのシステムの存在は、少し前にライブドアのサイトで知ってはいたのだが、ここの会社も「何でかは知らんが」やっぱり些かキライであり、そのキライさのバイアスから、どーせしょーもないしすてむだろお、と、こころ引かれながらも、ちゃんと検討していなかったのである。そういうところは「題名はえげつないですが、言っていることはかなり納得できるのです」と平常心で100億稼ぐ超メール術 1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術を とにかく、このアプリをダウンロードし、自分のパソにインストールする。この時点では、話すべき相手はいない。だって肝腎の日高氏も、ヘッドセットは家にあるから、いまは会話できませんというていたらくである(彼がカイシャで使っているパソには内蔵マイクもよういされてないんだ。デスクトップだから)。 そこで通話先IDを「echo123」とする。「echo123」といれて「Call」ボタンをクリックすると、ヨーロッパの電話の呼び出し音(!!)が2、3回鳴って、英語の女性アナウンスが、なんでもテストで言ってちょうだい、10秒後にそれがあんたに返ってくるから云々かんぬんてなことを言う。「あーあー、こんなことゆーてもはずかしですな」とか馬鹿なことをパソにむかってつぶやく。そっから10秒、じっと待っていると「あーあー、こんなことゆーてもはずかしですな」と悪意によってヘンな声に加工された自分の声がフィードバックされる。 なるほど、この音質であれば、音声の電話として使うのに、なんの障害もあるものではない。 つまり、この音質と気軽さで、世界のどこに対してもタダ電話を掛けられるちゅうのは、まさにたいしたものである。 しかし、それでは世間は納得しない。Skypeの本領は、実にSkype OUT。Skype者以外にどうやってコミュニケーションをとるねんというところにあったのだ。 それは、明日。 では。 |
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