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[第5章●録音データのデジタル化道] 2… 録音のためのハードウエア |
[2003.08.15登録] |
石田豊 |
録音のためのハードウエアとして、何をお使いだろう。 前回に書いたように、私は現在ポータブルMDレコーダを使っている。その前はマイクロカセットレコーダを使っていた。マイクロカセットからMDに乗り換えた理由は、主としてメディアの入手の難易という要素だった。 マイクロカセットテープはどこにでも売っているようなシロモノではない。大きめの電器店やカメラ屋でないと扱っていない。地方取材に出かける前などは、何本かをバックに入れるが、それでも不安はある。出先では追加調達が事実上できないからだ。だからいつもテープと電池は余分に持っていく。テープは消耗品だから、どこでも気軽に調達できることが重要だ。 ある時期を境にMDメディアがコンビニにも置かれるようになった。マイクロカセットレコーダがくたびれてきて、時々誤動作をおこすようになったこともあり、それを機会にMDに乗り換えた。 短慮にも一般向けのMDレコーダを買ってしまった。一般向けというのは、つまりは音楽再生用ってことだ。これはインタビューなどの録音・再生には、あまり向いているとは言えない。早送りとか巻き戻しとかがやりにくいからだ。そういう点はカセットやマイクロカセットの方がずっといい。 ただ、それはMDの本質的な問題じゃないだろう。MDであっても取材用として利便が考えられている機種もある。ソニーのMZ-B100(オープン価格、市価31,800円)、MZ-B10(オープン価格、市価24,800円)。シャープの"MD-DR7"(オープン価格、市価24,800円)などだ(市価はどれも2003年7月23日時点でのyodobashi.comでの価格)。 カセットやマイクロカセットは、今持っているものを継続して使うならともかく、新規に購入するなら、私見ではあまりよい選択肢とは思えない。なんといっても録音時間が短すぎる。オートリバース機能はどうしても必要だが、それがついていても2時間そこそこ。メディアの入手も今後徐々に難しくなるだろうと思われる。なんといっても「古い」メディアなのだ。 いっぽう、新しい選択肢として最近注目を集めているのがICレコーダだ。テープをつかわずデジタルデータとして音を録音する機械。物理的にテープを回転させる必要がないため、消費電力が小さく、また機械そのものも小型化できるというメリットを持っている。 出始めの頃はちょっとしたボイスメモを吹き込むような用途のものだけであったが、最近ではテープやMDを大きく上回る録音時間を誇るものも出てきている。 ICレコーダの魅力は録音データのパソコンとの親和性の高さにもある。 単に録音を再生するという点だけなら、従来の録音装置とかわるところがないが、多くのICレコーダはデータのコンピュータへの転送を機能として持っている。私のこのプロジェクトでは、これは重要だ。 だったら買えよ、ということになるのだが、二の足を踏ませるようなことがいくつかある。まず、最大の理由はともあれ自分はすでにMDレコーダを持っているし、それがまがいなりにも動作しているということ。もったいないでしょ。 次には、私がメインで使っているコンピュータはMacであるというファクター。多くのICレコーダはソフトによりコンピュータとの連携をはかろうとしている。Windows専用のものも多い。よしんばMac用があったとしても、こういう方式は、未来が心配になる。OSのバージョンが変化した時、ちゃんとソフトは追随してくるのだろうか。OSが変わったら、いきなり接続できなくなりましたということになったら、目も当てられない。 もうひとつは、多くの機種が内蔵メモリのみという設計であることだ。つまりメディアを取り換えられない。録音時間が5時間の機種なら、5時間を超える録音はできない。そうするためには、中身を削除してからということになる。事実上、ほとんどすべての取材は5時間もあれば充分だ。しかし、心配性なのか、それを超えるシチュエーションをついつい考えてしまう。たとえば取材旅行とか。 メディアを取り換えることで、無限の録音時間を確保できるという機能は取材用の録音機器として、必須に近い条件ではないかと思うのだ。 もちろんICレコーダにあっても、メディア交換式のものも少なからずある(いささか高価だが)。しかし、使っているメディアはスマートメディアであったりメモリスティックであったりと、入手が比較的困難、つまりコンビニ調達はできないものばかりだ。 それは、どちらかといえばウレシイ性質ではない。できれば避けたい。こう書くと、じゃあデジカメはどうなんだよ、と突っ込まれるかもしれない。デジカメでも同じでしょ。確かに。ただ、モノの比較というものは、そのジャンル内での優劣関係で決まる。デジカメ対銀塩カメラの軸で考えた場合にはメディアの調達の難しさというファクターは取るに足らないとまでは言えないが、それでも無視しえるレベルだと思うのだ。しかし録音の場合には、その関係は微妙。 ついでにもうひとつついでに言い募れば、録音ファイル形式も、はたしてどこまで汎用性・継続性があるのかという不安もある(ただし、これは私がこの分野にほとんど無知であることからきている不安なのかもしれない。今後勉強していきたい。どうかご存知の方は教えてください)。 こういう理由で、私はICレコーダの入手に消極的だった。 しかし、そのICレコーダが前回書いた私の録音関係に関する不満の解消へ向けた思想と行動の着火剤になった。 ポット出版の沢辺さんといっしょにある取材を行った。彼が「聞き手」で、私がそれを原稿化するという役回り。その際の録音機器は沢辺さんの新兵器であったICレコーダだった。サンヨーのディプリトークICR-B80RM(定価27,000円、市価19,800円;条件は同上)という機種。 これは一風かわった仕様のレコーダで、本体に折り畳まれた脚を伸ばすと、その先端がUSBコネクタになっているのだ。つまりそのままコンピュータのUSBポートに突き刺せる。メーカーのWebページを見るとWindows専用と明記してあるが、なんのことない、コンピュータ側からは単なるストレージとして認識されるため、Macでもちゃんと動作する。もうちょっと「専門的」に言うなら、この方式であるかぎり、どのようなUSBの標準的な規格をサポートする機器からなら、機種は原理的に選びえないということだ。これはいい。 その上、録音データのファイル形式はごくごく一般的なMP3。このファイル形式をボイスレコーダに使うということの技術的な批判はあるだろうと思う。効率、どうなのよ、と。しかし、ファイル形式は技術論で語ってはいけない。要は普及しているかどうか、なのだ。MP3なら、ま、何とでもなる。現在においても、おそらく未来においても。ファイル形式は一にも二にも勝てば官軍なのである。だからこれもいい。 取材後、沢辺さんからメールが来た。「録音データはウチのFTPサイトに置いといたから、DLしてね」と。 この瞬間、私は閃光につつまれた。ちょっとおおげさだけどね。 これで行けばいいんだ! |
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zappaさんより [2004-11-01] |
サンヨーのICレコーダをMac OS Xで認識させる方法は? こんにちは、石田さん。 私もMDを止めて、サンヨーのディプリトークICR-B90RMを購入して、会議やセミナーの録音などに重宝していました。 ところがOS Xでしか起動できない新型iBookに乗り換えたら、Cレコーダが認識されなくなりました。良い方法はないでしょうか? 分かりましたらお教えいただけないでしょうか。 ____ そうなんですよね。ぼくもPowerBook G4に乗り換えてからは(というよりOSが10.3.4になったあたりから)同様の問題で苦慮していました。たまたま他の機種もごちゃまんと所有しているし、実用上問題はないのですが、これしかなかったら困るところでした。対策を考えます。いましばらくの猶予をください。(石田) |
zappaさんより [2004-12-04] |
気長に待ってます 石田さん、お返事ありがとうございます。 今は、mp3データをとりだすために、HDとDVDドライブが不調なpismoにつないで、外付けHDに読み込むと言う作業で乗り切っています。しかし、出張の歳にはそれもできないので辛いところです。 気長に待っておりますので、また朗報あればよろしくお願いします。 |
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