炭鉱の唄たち 炭坑節からプロテストソング、そして流行歌まで

発行:ポット出版プラス
前田 和男 著
希望小売価格:8,900円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-86642-025-7 C0039
A5判 / 1048ページ /並製
[2024年08月刊行]

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内容紹介

多様な唄たちはなぜ過酷な炭鉱仕事から生まれたのか?

登場する主な唄
炭坑節、常磐炭坑節、北海盆唄、がんばろう、十六トン、俺ら炭坑夫など

帯の推薦文より
「時は昭和、季節は夏、日本全国の盆踊りを櫓でリードしたのは“月が出た出た…”の元気な唄と踊りだった。
炭鉱の労働歌として地底から湧き出た唄がなぜ三池炭鉱とされたのかの謎に始まり、1960年代の盆踊りと炭坑節の斜陽まで、社会と労働と唄の関係の深堀りに成功した大作。」
藤森照信(東京大学名誉教授、建築探偵)

「労作です!」
石川孝織(全国石炭産業関連博物館等研修交流会会長)

目次

序章 どっこい炭鉱唄は生きている!

第Ⅰ部 三大炭坑節をめぐる生誕と流転の謎

第一章 炭坑節を戦後復興の応援歌にしたのは誰か
第二章 常磐炭坑節はこうして国民歌謡になった
第三章 北海盆唄はなぜ炭鉱唄から国民的愛唱歌になれたのか

第Ⅱ部 富国強兵と戦争と炭鉱唄

第一章 炭鉱を鼓舞した軍国歌謡
第二章 戦時下の炭鉱社歌と社員慰安歌
第三章 炭鉱城下町の「公的唄」と戦争の影
第四章 炭鉱城下町の「校歌」と戦争の影
第五章 「外地」で生まれ育った炭鉱唄

第Ⅲ部 炭鉱と唄たちの戦後 その再生と死と

第一章 戦後復興を支えた炭鉱唄たち
第二章 閉山へ捧げられた挽歌たち
第三章 戦後復興を支えた炭鉱労働運動歌
第四章 戦後復興から閉山へ。炭鉱の盛衰に連れた流行歌

あとがき

担当から一言

もっとも苛酷をきわめたのが炭鉱の石炭採掘仕事。
にもかかわらず、その中から数多くの唄が生まれた。

いまや「仕事」は、ときに死をもたらす「苦役」からは無縁になりつつある。
だが、それはいっぽうで、仕事と肉体のいっそうの乖離によって人々の心の安寧をますます失わせることになる。
数年前、若い人たちの間で、美輪明宏うたう土木作業唄「ヨイトマケ」が再評価されたのは、その補償作用なのかもしれない。それは失われた仕事唄を取り戻そうとするレコンキスタ(失地回復)の兆しではないのか。
となれば、炭鉱生まれの唄たちは「過去の懐メロ」ではない。
「ヨイトマケ」よりもはるかに多様で物語に富んでいる。

著者プロフィール

前田 和男(マエダ カズオ)

1947年東京生まれ。
日本読書新聞編集部勤務を経て、翻訳家、ノンフィクション作家、編集者。路上観察学会事務局。『のんびる』(パルシステム生協連合会)編集長。
●著作
『昭和街場のはやり唄』(彩流社)、『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社新書)、『足元の革命』(新潮新書)、『選挙参謀』(太田出版)、『紫雲の人、渡辺海旭』(ポット出版)、『民主党政権への伏流』(ポット出版)、『MG5物語』(求龍堂)他。
●訳書
オーレン・ハラーリ『コリン・パウエル リーダーシップの法則』(KKベストセラー)、テリー・イーグルトン『悪とはなにか』(ビジネス社)他。
絵本『タンタンタンゴはパパふたり』など。