民主党政権への伏流
定価:3,200円 + 税
ISBN978-4-7808-0153-8 C0031
四六判 / 648ページ /上製
[2010年09月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン 山田信也
内容紹介
民主党政権はどこへ行くのか!?
10人の「伏流」たちの証言から日本政治の行方を見定める。
2009年8月の「政権交代選挙」に至る20年。どんな人物が、何を考え、どう動いたのか。
歴史の表舞台には上がらない「伏流」のなかで「何でも反対野党」からの脱却を目指した10人の物語を、詳細なインタビューを元に綴る。
目次
序 「政治的大変」を準備した伏流に聞け「わだつみの声」
金成洋治の章 細川護煕の側近として日本新党に新しい政治文化を胚胎
錦織淳の章 新党さきがけの「正系」として元首相に死闘を挑む
三浦博史の章 「平成維新の会」事務局長として〝生活者主権〟を提唱
松原脩雄の章 社会党のペレストロイカに破れて小沢一郎の新進党へ
高木郁朗の章 社会党・総評ブロック発の政治再編、「よりまし政権」を求めて─
仲井富の章 山岸章の名代として「殿様連合」を仕掛ける
河野道夫の章 村山首相を首席秘書官として支えた〝仏教社会主義者〟
若尾光俊の章 日本に「オリーブの木運動」の移植を試みた元浪人全共闘
住沢博紀の章 ローカルパーティという新しい政治文化の仕掛け人
松本収の章 民主党を孵化させ政権交代を仕込む
あとがき
初出一覧
参考・引用文献
戦後政党史 1945-2010
登場人物注
1989年以降の各党の議席数の増減
1992年以降の主な政党の流れ
人物索引
事項索引
前書きなど
今こそ二〇年間の政治的激動の「総括」がなされる時期がきていると思われる。
そこで危惧されるのは、高くて大きな所から「大きな物語」が語られるいっぽう、伏流水のなかにある「小さな言葉」は無視されてしまうことだ。つねに歴史は勝ち残ったものたちの歴史である。しかし、ようよう訪れた「政治的大変」の未来を歪めず豊かにするためには、伏流の中にこそ声を聞かねばならない。
長年政治の末端に関わってつくづく思うのだが、永田町の大政治家の「大言語」、大新聞政治部の「大言語」は、そのほとんどが二次情報に拠っており、生きた政治の現場からは遠く遊離している。
本書では、今回ついに生起した「政治的大変」を準備してきた伏流水のなかに「わだつみの声」を聞きあつめながら、「政治的大変」がどこからきてどこへいこうとしているのかをしかと見定めたい。そして、それを高くて大きな所にいる「大政治家」たちにもぶつけてみたいと思う。
(序 「政治的大変」を準備した伏流に聞け「わだつみの声」より)
担当から一言
現在の民主党をつくるのに何人の人が関わったか、想像したことがあるでしょうか。
菅直人、鳩山由紀夫、小沢一郎、あるいは枝野幸男、岡田克也、海江田万里、仙谷由人……。
でも、それだけではありません。彼らの影に、無数の「大河の一滴」が。
本書は、それらの「小さな言葉」を拾い集めることで、民主党という政党の姿を、テレビや新聞などの解説よりも圧倒的に深みのある色で描き出している、マニアックでも大言壮語でもきれい事でもない「政治」の本です。
本文565ページ、注や年表を含めるて648ページと分厚い本ですが、10人それぞれを主人公に、複数の視点から重層的に語られる民主党の歴史物語として、一気に読むことができると思います。
秋の夜長に、ぜひご一読を。
[担当編集・大田洋輔]
著者プロフィール
前田 和男(マエダ カズオ)
1947年東京生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒。
日本読書新聞編集部勤務を経て、翻訳家、ノンフィクション作家、編集者として活動。
01年千葉知事選、02年参院補選(千葉)、03年・05年衆院選(大阪3区)、05年大阪市長選、07年東京都知事選の現場に関わる。
●著作
『男はなぜ化粧をしたがるのか』(集英社、2009年)
『MG5物語』(求龍堂、2000年)
『足元の革命』(新潮新書、2003年)
『選挙参謀』(太田出版、2004年)
『選挙の裏側ってこんなに面白いんだスペシャル』(ビジネス社、2007年、三浦博史氏と共著)など。
●訳書
I・ベルイマン『ある結婚の風景』(ヘラルド出版、1981年)
O・ハラーリ『パウエル リーダーシップの法則』(ベストセラーズ、2002年)
バルドーニ『名リーダーに学ぶ説得術』(ベストセラーズ、2004年)
ジャスティン・リチャードソン&ピーター・パーネル文、
ヘンリー・コール絵『タンタンタンゴはパパふたり』(ポット出版、2008年、尾辻かな子と共訳)
など多数。
追記
本書は「図書新聞」での連載「政権交代へのオデッセイ」(2008年6月21日〜2010年6月19日)に加筆、修正して書籍化したものです。
イベント情報
2010年11月27日(土)に、神保町・東京堂書店で『民主党政権への伏流』のイベントを行ないました。
・イベントレポート●『民主党政権への伏流』刊行記念トークイベント「政治は誰がつくっているのか─聞き手(インタビュアー)が見る政権交代」御厨貴(東京大学教授)×前田和男(『民主党政権への伏流』著者)
メディアでの評判
・asahi.com─【レビュー・書評】民主党政権への伏流 [著]前田和男
・月刊「生活経済政策」─書評:『民主党政権への伏流』/村上信一郎
・角倉邦良─2010.11.22 政権交代へ
・CHUNICHI BOOK WEB-中日新聞・東京新聞に掲載された「自著を語る」 著者が思いをつづる! 『民主党政権への伏流』前田和男さん 名もなき人々の汗が礎に
・毎日jp─今週の本棚:藤森照信・評 『民主党政権への伏流』=前田和男・著
・THE JOURNAL─【対談】前田和男×高野孟:民主党政権への伏流
・日本サードセクター経営者協会[後房雄のブログ]─前田和男『民主党政権への伏流』ポット出版、2010年
・10/5 民主党のエートスを理解できる「民主党政権への伏流」
・高野孟の「極私的情報曼荼羅」─高野孟の遊戯自在録007[9月18日(土)]
[...] ●2010.08.25水 夜、版元ドットコムの組合員会議。 その前に「民主党政権への伏流」の著者が来て、最後の著者校正。 20代の左翼時代の、オイラたちチームの機関誌のタイトルが「伏流」 [...]
[...] 2010年9月13日刊行予定の近刊『民主党政権への伏流』の予約受付を開始しました。 [...]
[...] 議されてしまう。11時〜22時まで。 喫煙はベランダと台所の換気扇のところのみ。 「民主党政権への伏流」で書店キャンペーンをやろうと急に動き出した。ファックス準備とか、いろいろ [...]
[...] 2010年9月15日(水)書店発売の新刊『民主党政権への伏流』(著●前田和男)は2009年8月の「政権交代選挙」に至る20年にどんな人物が、何を考え、どう動いたのか、歴史の表舞台には上 [...]
[...] 9月16日(木)に全国発売予定の『民主党政権への伏流』(前田和男著)の五段十二割広告を、9月12日(日)の朝日新聞朝刊に出しました。掲載は読書欄です。 『民主党政権への伏流』 [...]
[...] 2010年9月17日、『民主党政権への伏流』の紙版と電子版を発売しました。 [...]
[...] 目次など、詳細は以下をご覧ください。 ◎民主党政権への伏流 [...]
[...] 目次など、詳細は以下をご覧ください。 ◎民主党政権への伏流 [...]
[...] この前に日誌を書いたときには、優勝は時間の問題と思われたのに、、その後大事な試合にことごとく負け続け、気がついたら3位です。矢野選手の引退セレモニーは素晴らしかったのになあ。。優勝できそうだったのになあ。。 先日、『民主党政権への伏流』の広告を出した、朝日新聞の掲載誌、たまたま社内に転がっていたのをぱらぱらと眺めていたときに書評のところで見つけた『球場ラヴァーズ』1巻を読みました。カープの話ですが、野球ファンには面白いと思います。 [...]
[...] 2010年11月27日(土)の16時より、神保町・東京堂書店にて、『民主党政権への伏流』刊行記念トークイベント「政治は誰がつくっているのか─聞き手(インタビュアー)が見る政権交代」 [...]
[...] 目次など、詳細は以下をご覧ください。 ◎民主党政権への伏流 [...]
[...] 『民主党政権への伏流』(前田和男)の記事が、2010年11月9日(日)の中日新聞に掲載されました。 記事は中日新聞のWebサイトでも読むことができます。 [...]
[...] 2010年11月27日(土)、神保町にある東京堂書店神田本店6Fにて、『民主党政権への伏流』刊行記念トークイベント「政治は誰がつくっているのか─聞き手(インタビュアー)が見る政権交 [...]
[...] 『民主党政権への伏流』(前田和男)の書評が、2010年11月28日(日)の朝日新聞に掲載されました 書評は、朝日新聞のWebサイトでも読むことができます。 [...]
[...] 『民主党政権への伏流』(前田和男)の記事が、「図書新聞」の2010年12月11日(土)号の1面に掲載されました。 『インサイダー』編集長、『THE JOURNAL』主幹の高野孟さんによる「『民主 [...]
[...] 『民主党政権への伏流』(前田和男)の記事が、「毎日新聞」2010年12月19日(日)の「今週の本棚」で紹介されました。 工学院大学教授・建築史家の藤森照信さんに2010年「この3冊」に [...]
[...] 『民主党政権への伏流』(前田和男)の書評が、現在発売中の「日経ビジネス」2011年1月10日号の「新・良書発掘」に掲載されました。 〈民主党の本質─「ない交ぜ」ゆえの混沌〉と題 [...]