ヘルメットをかぶった君に会いたい
希望小売価格:2,000円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-86642-020-2 C0093
四六判 / 304ページ /並製
[2023年11月刊行]
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内容紹介
鴻上尚史の革命と青春を描いた初小説作品(2006年・集英社刊)を復刻
あの熱狂、あの悲惨、あの戦いはなんだったのか?
ふと、休憩のためにつけたテレビ画面から流れた
ヘルメットをかぶった彼女。
その映像は60年代後半の学生運動のいち場面。
それから30年以上もたっていた。
同じ大学の、10歳ほど年上だ。
僕は彼女にあいたいと思った。
目次
前書きなど
僕は、過去の映像に猛烈に魅かれる。
例えば、70年前後の新宿の風景に魅かれる。その時、僕は新宿になんていないのに、四国の愛媛県でただの小学生だったのに、過去の新宿の風景に魅かれる。
何故だと聞かれても、うまく答えられない。
自分がそこにいたかのような気持ちにもなる。『激化する学園紛争』の映像の中に、自分がいるんじゃないかと、一瞬、本気で思い込む。
酔っぱらって、その風景を見ていると、僕は、涙ぐむ。
それは、その世界の中で生きたいという願いと、それは不可能だという悲しみと、そこに映っている人たちのその後の人生を想像しようとする時に感じる切なさが混じった涙だ (15ページ)
著者プロフィール
鴻上 尚史(コウカミ ショウジ)
著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家