倫理の起源

発行:ポット出版プラス
小浜 逸郎 著
希望小売価格:3,400円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-86642-009-7 C0010
四六判 / 480ページ /並製
[2019年04月刊行]

ブックデザイン 山田信也
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この本の刊行にあたって、これまでポット出版から発行・復刊してきた小浜逸郎の著書を、お求めやすい価格で販売します。ぜひこの機会にこれまでの小浜逸郎のしごとをお手元に。
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内容紹介

「善」とは何か
私たちは、ふつう、「道徳」あるいは「善」という理念のようなものがどこかに存在して、それに依拠してみずから生活の秩序を組み立てていると考え、また日々そのように振る舞っている。
しかし、では、その「道徳」あるいは「善」とは、どんな姿をとっており、それがいかなる理由によって根拠づけられるのか。
プラトン、カント、ニーチェ、J・S・ミル、和辻哲郎を超え、「倫理問題」の拠ってきたるところと、それが含む厄介さについて、徹底的に明らかにする。

目次

第Ⅰ部 道徳はどのように立ち上がるか
第一章 良心の発生
第二章 善とは何か

第Ⅱ部 西洋倫理学批判
第三章 プラトンの詐術
第四章 イデアという倒錯
第五章 カントの道徳原理主義
第六章 ニーチェの道徳批判
第七章 J・S・ミルの功利主義

第Ⅲ部 人倫がもつ矛盾をどう克服するか
第八章 和辻哲郎の共同体主義
第九章 人間関係の基本モード(1)性愛・友情・家族
第十章 人間関係の基本モード(2)職業・個体生命・公共性

前書きなど

本書を手にとられた皆さんへ

 長年かかって書き継いできた論考を、いま世に送ります。
 ただご覧のように、この本は少し分厚すぎるかもしれません。それに中身もそうわかりやすいものとは言えません。
 特に第二部の「西洋倫理学批判」の部分は、全体の45%を占めています。ここで扱われている思想家は、プラトン、カント、ニーチェ、J・S・ミルのたった四人です。
 著者がこの四人にこだわったのには、それなりに理由があります。それは、この四人が西洋という文化風土の中で、倫理や道徳の問題について彼らなりに考えつくしており、しかもこの四人の説くところにある連続性が認められるからです。(後略)

担当から一言

目次詳細

まえがき

第Ⅰ部 道徳はどのように立ち上がるか
第一章 良心の発生
 1.良心の疚しさとは何か
 2.悪とは何か
第二章 善とは何か
 1.共同性と善
 2.ハイデガーの唱える「良心の呼び声」
 3.善の正体

第Ⅱ部 西洋倫理学批判
第三章 プラトンの詐術
 1.『饗宴』を通して
 2.『パイドロス』を通して
 3.『パイドン』を通して
第四章 イデアという倒錯
 1.イデアとは何か
 2.理想国家への野心
第五章 カントの道徳原理主義
 1.実践理性と道徳
 2.道徳の存在根拠
 3.徳福二元論
第六章 ニーチェの道徳批判
 1.ニーチェの選民思想
 2.強弱、優劣の原理
 3.信頼の原理と道徳
第七章 J・S・ミルの功利主義
 1.個人の幸福と共同性
 2.J・S・ミルによるカント批判

第Ⅲ部 人倫がもつ矛盾をどう克服するか
第八章 和辻哲郎の共同体主義
 1.和辻倫理学と西洋倫理学の相違点
 2.和辻倫理学への問題提起
第九章 人間関係の基本モード(1)性愛・友情・家族
 1.性愛(エロス)
 2.友情(同志愛)
 3.家族
第十章 人間関係の基本モード(2)職業・個体生命・公共性
 1.職業
 2.個体生命
 3.公共性 倫理学と文学の狭間で

結語

著者プロフィール

小浜 逸郎(コハマ イツオ)

1947年、横浜市生まれ。
批評家、国士舘大学客員教授。
『日本の七大思想家』(幻冬舎)『13人の誤解された思想家』(PHP研究所)、『時の黙示』(學藝書林)、『大人への条件』(ちくま新書)、『日本語は哲学する言語である』(徳間書店)など著書多数。自身のブログ「ことばの闘い」においても、思想、哲学など幅広く批評活動を展開している。(https://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo)

追記

2019年5月11日(土)19:30(開場19:00)〜
小浜逸郎『倫理の起源』刊行記念トークイベント 倫理はどこからやってきたのか

私たちが「善」や「道徳」と呼んでいるものは、いかなる理由によって根拠づけられているのか。『倫理の起源』の著者・小浜逸郎が解き明かします。

入場料はドリンク付きで1000円です。

イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5
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