百年の憂鬱
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ISBN978-4-7808-0184-2 C0093
四六判 / 160ページ /上製
[2012年07月刊行]
印刷・製本●シナノ印刷株式会社
ブックデザイン 小久保由美
内容紹介
物書き業のかたわらに週一回、ゲイバーを経営している義明。作家としてはすでに書きたいテーマを書き尽くしてしまった感を覚え、気鬱な日々を過ごしていた彼の前に、弱冠二十歳のハーフの美少年、ユアンが現われる。自分への無垢な好意に、暗い情動を突き動かされる義明。当然のように二人は関係を持つ。突然の僥倖に淫する義明だったが、彼には長年のパートナーがいた。
27年の年の差を埋めるように、すべてを欲しがるユアンと、そんな恋愛感情は長くは続かないことを知っている義明。若者のストレートな純愛と老獪な中年の恋愛は当然激しくぶつかり合う。
「どうやったって過去は手に入れることはできないよ」
「いや、俺は全部欲しい」
お互い傷つけ合い、貪り合うような恋。そしてついに終止符が訪れる──。
「これが男と女だったら、そこまで互いを追いつめたりしない気がするわ」(本文より)
目次
担当から一言
憎んだり、憎まれたり。
傷ついて、傷つけあって。
「ああ、恋って苦しかったんだよな」と、恋愛の黒い部分や、自分の黒い部分をあらためて思い知らされる苦い恋愛小説です。
描かれるのは筆者の実体験を基にした中年男性と青年の恋愛ですが、これはそのまま男女の恋愛にもあてはまり、強く共感できる部分がふんだんに織り込まれています。
ラスト、若い恋人に捨てられるときの中年男の激情は是非読んでいただきたいです。[編集担当・高橋大輔]
著者プロフィール
伏見 憲明(フシミ ノリアキ)
作家。2003年、初の本格小説『魔女の息子』(河出書房新社)で第40回文藝賞を受賞。著書に『団地の女学生』(集英社)、『欲望問題』(ポット出版)、『男子のための恋愛検定』(理論社/現在はイースト・プレスより発行)、『さびしさの授業』(理論社/現在はイースト・プレスより発行)ほか多数。
伏見憲明サイト◎http://www.pot.co.jp/fushimi/
追記
カバー写真◎野村佐紀子
関連リンク
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