ARENAのアドレスリストというのはなかなか独特な思想に溢れていて、「メールアドレス欄のエイリアス的使用法」(本書213ページ)といったフシギな機能も多いのですが、よく訊かれるのは「なぜアドレスリスト内を検索できないのか?」という点です。開発メンバーの一人がアドレスリストを使うのが嫌いだから、という噂もありますが、実は私もアドレスリストはほとんど活用していません。だって、登録とか更新とか、面倒じゃないですか。
というわけで、ご挨拶が遅れましたが本書の編集担当の日高と申します。僭越ながら今回は私の小技、アドレスの入力方法についてのお話です。
●メールボックスは「人」で仕分ける
いきなり関係ない話のようですが、コレが重要なのです。メールのやりとりが発生したら、その人の名前のメールボックスをまず作ってしまう。そうすると、その人とのやりとりを読み返しつつ、「その人に返信(あるいはアドレスをコピー&ペースト)」さえすれば確実にメールを出すことが出来るわけです。昔メールをやりとりして、しばらく交流が途絶えていた場合など、アドレスリストのメンテまで手がまわらず、古いアドレスにメールを出してしまう、といったことがしばしばありますが、この方法なら今まさにやりとりしている相手に返信するのですから、そういった凡ミスはかなり減らせます。
「そんなことをしていたらメールボックスだらけになっちゃう」という人でも、メールボックスのエイリアスを活用したり、交流が途絶えた人は「休眠中メールボックス」に移す、といった整理をすれば、トップ画面に見えるメールボックスはかなり減らせるはずです。
もちろん、自動振り分けはきっちり定義して、さらに見逃し防止策として着信時にそのメールボックスを開くようにしています。
……とは言っても、複数で仕事を進めているときなんかは、なかなか「人で仕分ける」というのは難しいんですよね。現実には、「人の名前のメールボックス8割」「仕事(組織)の名前のメールボックス2割」といったところでしょうか。
●IMEに辞書登録
「思考の流れを妨げない」という点では最強なんですよね。「ひだか」を変換するとhidaka@pot.co.jpが出るようにしておく。ショートカットをATOK8ライクにしているので、option+eでガシガシ辞書登録して、不要になったらoption+dで消す。ATOKの場合、変換候補ウインドウが出ている状態でこの削除ショートカットを叩けば、登録単語を消せます。余談ですが、知り合いのライターI氏は、「いや〜一杯やりながら単語を消していくのがこれがまた楽しいんですわ」とのたまっておりました。ムダな登録単語を消してIMEの変換精度を上げるのが快感なのだそうです。
メールアドレスをメール本文に入れたい、という場面は結構多いので、「ひだか→(変換)→hidaka@pot.co.jp」と社内へのBcc用アドレスはかならず登録しています。
まあ、結局登録しないといけない、という点ではアドレスリストと同じなんですけどね。たくさん登録すると自分で忘れちゃうし。
●command+/は結構使えますね
この原稿を書きながらいろいろ試していたのですが、いままでcommand+.(キャッシュからの補完)しか使っていなかったので、「/」による「アドレスリストからの補完」は結構感動的でした。「日高」と打ってcommand+/を押すと、(アドレスリストに入れてあれば)「日高<hidaka@pot.co.jp>」に補完してくれるのです。
ただし、これも一長一短があって、補完の際「環境設定→メール→あて先の自動入力」を「メールアドレスを入力」にしている私の場合、当然メールアドレスしか出てこない(だって、To欄に日本語しか入ってないのに相手に届くなんて気持ち悪くないですか? え、そうでもない?)ので、それが本当に正しいかどうかがわからないのです。
「日高→(補完)→日高<hidaka@pot.co.jp>」ならいいんですけど、「○○さん→(補完)→xxxyyyzzz@hogehuga.pu.nyo」なんてアドレスが出て来ちゃうと「誰だ?」ってことになってしまうわけです。
だから、正しいARENA使いとしては「日高<hidaka@pot.co.jp>」という表記でアドレスリストに登録ですね、と結ぼうと思ったら、2.2から採用された「vCard書き出し」で書き出しちゃうと、「EMAIL;INTERNET:hidaka@pot.co.jp」となって日本語部分は剥がれてしまうんですねー。もちろん、コレを再取り込みしてもダメです。しょんぼり。
……OS XのAddress Bookの情報をcommand+/で引っ張ってこられたら最強なんですけどねー。
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