第1回目は名古屋にある「鎌倉文庫 メルサ店」。
ポット出版の『カーミラ』という本を半年で24冊くらい売ってくれた書店さんです。この秘密を聞きに行ってきました。
立地は名古屋駅から徒歩5分できわめて好条件。でも、近隣には大型書店が多くて(ツインタワーの三省堂高島屋店、ツインタワー地下二階の三省堂名古屋テルミナ店、近鉄パッセの星野書店近鉄パッセ店、ヴィレッジ・ヴァンガード、アニメイト)、競合店に完全に包囲されてしまっている。
インタビュー後、三省堂のツインタワーと近鉄パッセを一通り覗いてきたけれど、メルサ店が入っているビルは、少し見劣りがする。ちょっとだけ鈍くさい感じだ。またビル自体が持つお客さんの流れも、それほど強力とはいえないと思う。
こんな条件の下で、どんな商売をしているか。
インタビューに答えてくれたのは岩崎美佳さん。大学のアルバイト時代を含めメルサ店勤務は15年になる。
※インタビューで話している棚の場所については、随時店内マップ(岩崎さん作)を参照してください。
●アイドル写真・グッズ販売
岡田……アイドル写真(写真1)やグッズを結構扱ってますよね、やっぱり小中高生を狙ってですか。
岩崎……そうですね。一応狙ってはいるんですけどね。アイドル系とかは結構見に来てくれてる方が多いです。写真とか買っていくのはやっぱり小、中あたりですね。内容にもよるんですけど。
岡田……売れてるんですか、写真なんかは?
岩崎……やり始めた頃よりはだいぶ落ちちゃっていますけど、でも世代の流れというか、例えば「モーニング娘。」さんが全盛期の時はすごく売れてたし、売れる人が出てくるとお客さんの反応も良くなるんですよね。そういう意味では、お客さんにいろいろ教えてもらっているな、というところがあるのかなと思います。
岡田……こういうグッズの仕入れは取次からってわけではないですよね。
岩崎……ええ。これは直接商品を持ってきてくれる業者さんがいて、並べるのはうちの店長が上手に並べてます(笑)。
岡田……ちなみに支払条件っていうのは?仕入れた時に即支払ですか?
岩崎……いえ、じゃなくって一応委託になるのかな。(店長に)委託ですかこれって?
(店長)委託ですよ。
岡田……毎月1回ぐらい?
(店長)一ヶ月締めで。売れた分だけ請求。業者の方が毎月いらっしゃって、いくつ売れたかチェックをしてという形です。
岡田……こういうものがあると、お客さんも大型店だけに行こう、なんてはなんないのかな。小中高校生もみんな三省堂、ってわけじゃないですよね。
岩崎……いや、でも結局すごく本が好きだとかそういう子たちは、どこに何が置いてあるとか結局知っているわけじゃないですか。何とかの本はどこどこで買って、この本はあそこにしかないからあそこで買って、ってどうも使い分けているみたいな感じがするんですよ。だから三省堂の袋を持ってうちに来るお客さんとかいるし、星野書店さんの袋を持ってうちに来るお客さんとかもいるから、だから、全然全く来ない…来ないお客さんももちろんいると思うんですけど(笑)…というわけではなくて、流れてるみたいな感じですね。
岡田……書店を巡ってきてるんですね。
岩崎……ええ。うちは一番最後(笑)。かもしれない(笑)。
岡田……でメルサ店ではどんなものがよく買われているって感じですか。
岩崎……今は割と、そうだなぁ、女性向けの癒し系の本とか、こっちの方になるんですけど(とコーナーまで移動開始)。
あっそう、ミリタリーもすごく強いんですよ。
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