2013-01-12

お部屋2482/コミュニティなき行動の可能性

本日はこんなイベントがあります。無料ですので、HIVに関心のある方はどうぞ。

http://www.ca-aids.jp/event/130112_akta_talk_show.html
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akta Talk Show -HIV/エイズの今を知る!vol.5-「MSMのHIV対策とコミュニティ」
[東京]2013年1月12日(土)

 日本で20年に渡ってMSM(男性とセックスする男性)のHIV対策に取り組みつづけている研究者と、風俗や性に関する問題を提起しつづけているライターをお招きし、HIV対策のこれまでの研究・活動を振り返りながら、コミュニティと今後の取り組みについて考えます。

《出演》
 市川誠一:名古屋市立大学、第26回エイズ学会アルトマーク賞受賞
 松沢呉一:ライター
《司会》
 岩橋恒太:NPO法人akta/名古屋市立大学
 マダム ボンジュール・ジャンジ/荒木順子:NPO法人akta代表/コミュニティセンターaktaセンター長

日時:2013年1月12日(土)18:30-20:30
会場:コミュニティセンターakta
東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301
入場:無料
主催:NPO法人akta(東京都委託事業)

http://www.akta.jp/

協力:コミュニティセンターakta

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なんで私がこんなんに呼ばれたのかというと、去年、磯部涼とaktaでやった風営法の話のつながりかと思います。

その時に、風営法の厳格化を進める警察の事情と、それをバックアップする市民の意識という話をしまして、「コミュニティなき社会で行動することが可能か」ということを論じています。

これについては、「週プレNEWS」のインタビューを参考のこと。これの後半です。

血縁、地縁なき社会で台頭してきたコミュニティとして、労働組合だったり、市民運動だったりがあった。また、ライブハウスや劇場、ミニコミという場を拠点としたカルチャーコミュニティというのが存在していた。これらが1980年代以降、崩壊、あるいは弱体化して、結局、この国では利害をともにする「業界」というコミュニティだけが力をもっています。業界の利害で事が進むし、理不尽なことに抵抗しようとしても、これが妨害をする。行政さえも、天下りといった形で業界に取り込まれている。ないしは行政もまた業界として機能している。

これについてのひとつの回答が金曜日の官邸前抗議です。

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野間易通著『金曜官邸前抗議』

既存のコミュニティに依拠することなく、一瞬人が集まり、解散していく。当然、それぞれバラバラの背景、属性があるわけですが、そこを問わないために、シングルイシューを徹底している。

だからこそ、組合だの組織だのといったコミュニティを基盤としてしか行動してこなかった人たち、個人で行動できない人たちの反発も招いている。団体の旗を振らないと抗議もできない人たちは排除されたと感じるわけですが、すべての人たちが個人で参加するための方策であり、実は誰も排除はされていない。勝手に排除されたと感じて、反原連を批判する人たちがいるだけです。

この問題は反原発というイシューだけでなく、あらゆる局面で問われていることです。

HIV対策も、東京であれば新宿二丁目、大阪であれば堂山という街、個別のゲイバーやクラブというコミュニティの場を基盤として、啓発活動がなされてきて、そこにおいてコミュニティをつなぎ、新たなコミュニティを醸成する場として、aktaや大阪のdistaなどなどのセンターがあります。

これは正しい方法だったと思うのですが、そこにあるものと思われているコミュニティの質をもう一度とらえなおしておく必要があるのではないか。

といった話をしようかなと。つうか、だいたいここに書いてしまいましたが。

新宿二丁目そのものの歴史的経緯とその変質については、来月またaktaでやる予定ですが、これはたしか一般向けではないはず。聞きたきゃ、どっかでワシを見かけた時にでも聞いてくれれば話しちゃる。