2011-01-12

お部屋2163/他人に厳しく、自分に甘く

初めての方は以下を先にお読みください。

2139/「メタ視力」リンクまとめページ
  
  
長らく放置していたのに、パソコン修理のため、しばらく更新できなくなると思うと、急に更新したくなるものです。一気に話を進めます。

続いてもうひとつ、事例を出しておきます。

2110/ツイッターでの議論まとめを読んだ編集者が「こんなものがありますよ」とyamachin_nuさんが発行している「ライター山崎・月例企画書」なるメルマガの存在を教えてくれました。

yamachin_nuさんをこの上批判したいわけではないのですが、このテーマにとっては格好の素材であります。

ここにさまざまな「企画」が箇条書きに並んでいるのですが、そのほとんどはネットで拾ったものと推測でき、ツイッターで誰かがつぶやいた話までを羅列しています。一部は元ネタにリンクされていますが、その多くは出典も明らかにされていません。

ネットでネタを拾い、「どこどこにこんな話が出ていた。本当かどうか確かめてみた」という記事の作り方はありだと思いますよ。通常の引用の範囲ですし、モラルにも反しないでしょう。

その一方で、出典を伏せて、さも自分の足や目を使って見つけてきたかのような記事を作っているライターがいることも容易に想像ができます。

私も自分がツイートしたことが元で作られたのではないかと疑った記事もあります。引き受けなかったですが、コメント依頼があったので、おそらくそうなのでしょう。「ネタを使わせてもらった代わりにコメント料5千円な」ってことかと思われます。

とりわけツイッターはツイートが流れやすいため、ネタをパクるにはもってこいです。ゲスなライターや編集者がここでネタ拾いをやっていますので、ライターの皆さんは、自分が調べていることやこれから調べようと思っているネタは書かない方がよろしいかと。

ネタ自体に著作権なんてありませんから、出した方が悪いという言い方も法的には間違ってはいません。モラルとしてはどうなんかと思いますが、yamachin_nuさんとしてはあくまで売り込み用としてメルマガをとらえていて、いざ記事にする場合はルールに則ったやり方をしているのかもしれませんから、ここまでは見逃すとしても、yamachin_nuさんは私の名前まで出しています。それが心当たりのない使われ方なのですよ。

懇意な人であれば、「名前を使わせてもらったよ」「どうぞどうぞ」ということはありますけど、yamachin_nuさんのことを私はほとんど知らないです。

さらに私が理解できないのは、このメルマガで「パクられ率も一番! お願いしますから仕事にしてください」「無断転載、転用禁止。つってもパクるやつはパクるんですよ中国人みたいに」なんて書いていることです。yamachin_nuさんは中国人だったのか。

ネットでネタを拾って作ったメルマガに掲載されたネタを雑誌が記事にしていただけで、「パクられた」とするのはいくらなんでも自分勝手が過ぎます。このメルマガはどこかで名刺交換をした編集者に一方的に送りつけているものですから、好き好んで自分で晒しているわけで、文句を言えるのかどうか。

それ以前に、その雑誌もまたyamachin_nuさんと同じくネットからネタを拾っただけかもしれないし、yamachin_nuさんとは違って、自分で苦労して探し出したものかもしれない。

このメルマガに出ているネタの中には、配信された段階ですでにスポーツ紙や週刊誌に出ていたものもあります。つまり、スポーツ紙や週刊誌が掲載したネタをネットで誰かが転載し、それを見たyamachin_nuさんがメルマガで取りあげただけと思われるのです。

このメルマガの存在を教えてくれた編集者も、ネットからネタを拾っているだけのメルマガなのに、「無断転載禁止」などと書き、「パクられた」など騒ぐことに呆れて、私にこれを教えてくれました。まともな編集者だったら、このダブスタぶりに呆れますよ。

人のネタを平気でパクっておきながら、それを使われたと思い込んで、「パクられた」と文句を言う。結局、彼にあるのは「自分の都合」だけです。

すべては自分の都合で判断されますから、「他人に厳しく、自分に甘く」が「ごっこ右翼」の特徴ですが、「ごっこ右翼」ならずとも、そこに通じる心性は著作権に対する姿勢に出やすいように思えます。

次回、さらにそういう人物を取りあげてみるとしましょう、