2009-07-29
お部屋1926/着物は変化する
「マツワル」の購読受付は終了しました。次回は11月を予定してます。
それだけ書いて終わるのは淋しいので、以下についてコメントしておくとしましょう。
http://www.zakzak.co.jp/gei/200907/g2009072804.html
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ポルノ女優?ミス・ユニバース“下半身”丸見え大批判
「日本が誤解される」と抗議殺到
8月1日から選考が始まる「ミス・ユニバース」の日本代表、宮坂絵美里さん(25)がナショナルコスチュームとして着用する衣装に批判が起きている。牛革レザー製の黒振り袖に、下半身はショッキングピンクの下着とガーターベルトというド派手な衣装だが、これに対し、帯職人や着物の販売店がデザイナーに直接抗議しているほか、デザイナーのブログにも「日本が誤解される」などと1000件以上の抗議が寄せられているのだ。
(略)
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たしかにこの着物はどうかと思いますが、「品がない」だの「奥床しくない」などと批判するのは、水着や下着での審査もある「ミス・ユニバース」に「出るな」と言っているに等しくて、いまさらパンツが見えたところでどってことはないでしょう。ハミ毛をしていたら「品がない」と言っていいとして。
それと、「この着物のデザインは伝統を壊している」という批判もおかしな話です。着物は時代によって変化していて、伝統を壊し続けた結果が今の着物です。
着物が活きた衣装として着られていた時代には、流行によって変化し続け、近代になって以降も、たったの10年程度で変化しています。
これについてはかつて「マツワル」で長期にわたって論じたことがあり、帯とその位置、半襟、おはしょり、裾、髪型などなどを見ることで、写真の時代を同定することができます。そもそも私が着物の変化を調べ始めたのも、古い写真を一瞥して時代がわかるようにするためです。
昨今、裾の短い着物や浴衣が出てきていること自体はおかしな話ではなく、むしろ着物や浴衣が命を吹き返した証拠とも言えて、伝統を殺さないために、私はこの動きを歓迎していまして、伝統をそうもかたくなに守ならければならないのであれば、既婚者は前帯にしろってことにもなります。
したがって、「ミス・ユニバース」の着物を批判するのであれば、デザインとしての欠点を指摘すればよく、「奥床しくない」「伝統を壊すな」なんてことを言うから、おかしなことになる。
という話を次号の「実話ナックルズ」の連載でやろうかと思ってます。「着物のどこがどう変化したのか」「我々が伝統と思っているものは、それまでの伝統を破壊して、近代になってから作られたものである」「時にその変化は欧米の文化を取り入れたものである」ということを古い写真で確認しようという試みです。興味のある方は来月末発売の号をお読みください。
でも、いきなり大きく変化し過ぎると、それはもはや着物とは呼べなくなってしまう気もしますがw
裾の短い着物は、かなり昔からありますね。
ま、漫画の世界のはなしですが。
ドロロンえん魔くん
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1287610.html
これ、ガーターとパンチィが格好悪いから、ここまで批判されるんだと思います。
赤褌にしといたら格好良いのにな~w
ppssさま
>いきなり大きく変化し過ぎると、それはもはや着物とは呼べなくなってしまう気もしますがw
あそこまで変化してもなお着物であると認識できているから批判されているわけで、つまりは「着物と呼べないところまで変化はさせていない」ってことでしょう。
漫画で言えば、白土三平や手塚治虫も早くから裾の短い着物を登場させていたように記憶します。こうせざるを得なかった事情は理解でき、今の着物は活動的ではない状態、ハレの状態で着るからおしとやかになっているだけで、そもそもそんな時にしか着なくなった状態自体が「伝統に反する」と言えます。
>これ、ガーターとパンチィが格好悪いから、ここまで批判されるんだと思います。赤褌にしといたら格好良いのにな~w
そういう批判ならありですよね。
こういう時にいきなり理解できていない「伝統」なんてことを言って箔づけしようとするから、マヌケなものになってしまいます。
[...] ところで、一昨日、「実話ナックルズ」の原稿を書きました。「1926/着物は変化する」で予告した通り、着物の話です。 [...]