2009-07-06
お部屋1894/誤字のお知らせ 1
「1893/『エロスの原風景』の裏庭風景 5・宮武外骨とプランゲ、ついでに私(中)」で書いたように、「田亀源五郎’s Blog」で『エロスの原風景』が紹介されたのですが、その中で、人名が間違っていたことが指摘されています。
具体的には141ページにある「怪奇雑誌」昭和24年11月発行号掲載「裸になった処女」のイラストにつけられたキャプションです。「山田利美」とありますが、正しくは田亀さんが書くように「小田利美」です。これに気づいたのはさすが田亀さんと言えましょう。図版を見ていただければおわかりのように、描き文字の「小」を「山」と読み間違えたためのミスです。
このような間違いは、出版社にとっても、著者にとっても恥ずかしいことですが、誤記をそのまま書き写す人が出てくるとまずいので、こちらでも大々的に訂正をしておくことにしました。
なぜこのような間違いが生じたのかの事情も説明しておきます。
連載ページにおいて、図版の最終的な選択は編集者が行っています。私は原稿を書き、それに関する雑誌や写真を多めに編集者に渡し、そこから編集者が選択をします。こちらで付箋をつけておいたり、「この記事は原稿で触れているので入れて欲しい」と指定することもありますが、最終的な判断は編集者です。
レイアウトなどの事情はこちらには判断ができないため、そこはお任せにした方が面倒がなく、その方が編集者やデザイナーも面白がれましょう。その結果、内容とズレてしまうことや、「なんでこのページを使ったのかな」ということもあるのですが、これを言い出すとキリがないですし、内容と直接関係がないものを出した方が広くその雑誌の特性が見られることもあるものです。
単行本では、その時の図版をそのまま流用しているものと、新たに選択したものがあって、新たに選択したものも編集者が選んでいます。
こういった流れから、雑誌でも単行本でも、キャプションはすべて編集者がつけています(タイトルも編集部)。ゲラの段階で私もチェックはしているのですが、どうしても人が書いたものはチェックがアバウトになりがちです。
その上、今回は私が酷な要求をしたために、チェックが甘くなってます。ゲラを返却した段階で、「わかる範囲で、表紙のイラストや本文イラストや写真について、すべて名前を入れて欲しい」と編集者に依頼しました。入っているものもあったのですが、当該のイラストのように、抜けているものがあったものですから。
引用の場合はもちろん、著作権が切れているものであっても、人格権上は名前を出すべきですし、資料性の意味でも出すのが好ましい。また、単純に敬意を払いたいということだったりもします。
最後の最後だったため、おそらく編集者はこのキャプションのチェックをほとんどできなかったはずです。ゲラチェックの段階で、新たな作業をやるべきではないとわかってはいるのですが、つい気になってしまいまして。
キャプションに限らず、間違いはまだあるはずです。特に巻末の書誌データは、現物と照らし合わせているのでなく、私の所蔵品リストをそのまま使用しているため、発行年月日や号数に間違いがありそうです。
お気づきの方は、ご一報ください。引き続きこちらで公表し、増刷時に訂正します。現段階の数字は、「悪くはないが、良くもない」といったところで、増刷される可能性はほとんどないですが。
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