2009-05-17

お部屋1850/唐沢俊一のブーメラン

なぜかブログの感想を直接私のところにメールしてくる方がいます。表に出しにくい情報であればそうするのもわかるのですが、なんということもない感想をメールで送ってくる意味がよくわからず、たいてい無視します。単なる感想はコメント欄に書いていただいた方が返事を書く気になります。

ただし、このブログは、古いエントリーにコメントがついた時に気づきにくい難点があります。私も気づきにくいのですから、まして読者は気づきにくくて、せっかくのコメントに誰も気づけないことになりかねないため、早め早めに書き込んでいただくのがよろしいかと思います。

で、【1845/中村克も「やけしに方式」】にいい情報を書き込んでくれた方がいらっしゃいます。矢野穂積が初めて中村克に接近した時の話です。コメントを書き込んだ方が誰なのかわからないのですが、おそらく実話でしょう。

そこに書いたように、矢野穂積は人を取り込む能力に長けています。自分が支配できる弱い相手をしっかり見抜く。誰かに依存していないと生きていけない中村克は格好の対象だったでしょうし、矢野穂積にとっては、瀬戸弘幸なんざ、赤子みたいなものです。

その瀬戸弘幸もまた似ているかもしれず、自分よりもっと弱い人間たちを集める。この弱さはおもに知性って意味ですが、瀬戸弘幸より弱い人間は「集団ストーカー被害者」みたいな人たちばっかりです。

では、今回の本題。

今まで幾度か指摘してきたように、矢野穂積、中村克、瀬戸弘幸らに共通する特性として、「他者に求める基準と自分を律する基準がズレている」というものがあります。「他人に厳しく、自分に甘い」というダブルスタンダードを使い分け、その結果、強力なブーメランを至るところで投げることになります。

わかりやすい例を出すと、中村克が自分の文章に「無断引用、転載、リンクを固く禁じます」と書き添えるようなものです。法に反してあれだけ悪質なパクリをやっておきながら、引用やリンクまで禁じるというのですから、「どのツラ下げて」という話です。

同様のブーメランの名手を取りあげてみるとしましょう。「トンデモない一行知識の世界 2 – 唐沢俊一のガセビアについて」の一昨日更新分を読んだら、唐沢俊一は『最後のパレード』について語っているのですね。

原文はこちら(魚拓)。今回は次のターゲットに進む予定でしたが、こんなもんを読んでしまったため、今回と次回は唐沢俊一のことをさらに書いておきます。

数日前、たまたまポット出版で、「世の中には、著作権というものを理解する能力が欠けている人がいるのではないか」という話をしていたところです。「無体物の権利」という観念自体が理解できないのか、何度説明してもわからない人が現にいます。理解できないこと自体が私には理解できないため、「どうしてわからないのか」についてもうまく説明できないです。

その理由はともあれ、中村克、矢野穂積、瀬戸弘幸、唐沢俊一らは揃ってそういうタイプのように見えます。

唐沢俊一はこう言っています。

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唐沢 似たようなことではオレも騒がれたことがあるけど、2ちゃんねるからの引用ってのは笑ったな。著作権意識のないところからパクって、それで著作権侵害になるのか? って感じだったな。

村崎 パクって作った本なら、本の表紙に正直に「本書は正真正銘の120%パクリ本です」「ほかのキャンペーンの入賞作品やネットの書き込みから、まんまネタを集めまくったパクリだけで出来ているので、オマイラはそれを承知の上、お買い求め下さい」とか但し書きしとけばよかったんだな(笑)。

唐沢 素人投稿を集めた本なんか、今は珍しくないし、アイデアとしてはまあ、よくあるもんだと思うのよ。でも、そのあとがよくなかったよね。この著者がブログで謝罪の言葉もないままにパニック状態になっちゃって。

村崎 ああ、アレ、すごかったね〜。「読売新聞と日本テレビを提訴する」とか「読売新聞の愚民どもに告ぐ」とかトチ狂ったことばっか書いていて、挙句の果てに「読売新聞社の前で焼身自殺したい」ってえんだから大笑いだよ。自殺するくらいならその前に謝れよ(笑)。もともと、本が出たときにすでにディズニーランドに内容証明を送られていたのに無視していたっていうし。まあ、普通に確信犯なヒトなんだろうね。

唐沢 あんなに版権管理のうるさいところ、まともな著者や出版社なら最初から手を出そうとしないよね。ディズニーネタで稼ごうとしたこと自体がそもそもの間違い。

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「トンデモない一行知識の世界 2」「唐沢俊一検証blog」が的確に唐沢俊一の発言を批判していますので、詳しくはそちらに譲るとして、こんな短い文章で、どうしてここまでのデタラメを語れるのでしょう。

すでに書いたように、出版界にも著作権のことをよくわかっていない人たちがいくらでもいますから、著作権について、間違ったことを語ってしまうことはあるでしょう。他のジャンルについても間違ったことを書いてしまうこと、言ってしまうことは誰にでもあります。それだけなら、よくあることで済ませられるかもしれない。しかし、唐沢俊一の場合はそうはいかない。

盗用事件を起こした人間が、他の盗用事件について語ってはいけないなんてことはないわけですが、唐沢俊一はここまで盗用が指摘され続けているのに、なおその後も著作権に無知であり続けていて、事実関係さえも把握できていないことを晒しながら、『最後のパレード』を笑っているのですから、ワケがわからない。この人も著作権を理解できない人なのではないか。

村崎百郎は面と向かって唐沢俊一に意見するには気が弱すぎますが、相変わらず、性格は悪いです。恥をかかせようとして、この話を持ち出しているとしか思えません。村崎百郎はあえてパスしているとして、どうして編集者は修正してあげないのでしょうか。この連載には編集者がいないのか? その前に、どうして唐沢俊一は著作権について理解ができないのでしょうか。

このあと出てくる「巨匠病」もまた唐沢俊一自身のことではないかと思わないではいられません。これについては次回。

このエントリへの反応

  1. 唐沢氏のお話を聞いて(読んで)いて感じるのは、教授が助教授(准教授)や学生の論文を、「わしの名前で出してあげてるんだ」みたいな 自名、共著で出すような感覚を覚えます。

    >感想を直接私のところにメール
     「聞いて欲しい」だけと言う事もあるのでしょうし、聞いてくれる相手を探しているのかもしれませんね。 Tomatotic-jelly が、誰が見るでもなしの日記を垂れ流してるのに似ていたりして。

  2. Tomatotic-jellyさま

    検証している人たちの書いていることを読めば読むほど不思議。

    教授が学生から、師匠が弟子から盗むことは昔からあったわけですが、これって「弟子の立場から文句は言えない」「パクられても幸せ」みたいな思い込みがあって初めてできたことなんだと思います。そんなものがあり得ない関係でも堂々とパクっていて、どうして相手が怒るだろうことを想像できないのかがわからない。

    なおかつパクリとガセが共存していることが唐沢俊一の特徴です。面白すぎて、抜けられなくなってます。

    直接メールしてくる人たちについては以前も書いているんですけど、コメント欄に書いてくれれば、もっと多くの人に聞いてもらえるのに。意味がよくわからないです。

  3. http://tondemonai2.blog114.fc2.com/blog-entry-111.html
    を、取り上げていただいて、ありがとうございます。(_ _)

    唐沢俊一の場合は、「著作権を理解できない人」を通り越して、そもそも法律とかそういうものを理解できない人ではないかと思います (まあ、私も他人様のことをあれこれいえるほどの理解はあやしいのですけれど)。

    唐沢俊一は、2000 年に出した『トンデモ一行知識の逆襲』(大和書房) という本の中で、「著作権についての勉強をせねばと思い、何冊かの本を買って読んでみた。」(P.59) と書いています。その中の一冊が「同文館というところから出版されている『知的
    所有権法基本判例〈著作権〉』という本」(P.59)——正しくは、同文舘ですが。

    この本を読んで勉強し、くだした結論が

    漫画『ピーナッツ』の主人公はチャーリー・ブラウンではなく、スヌーピーであると法律で決められている。(P.58)

    となるのですから、唐沢俊一、侮れません。
    (詳細は、http://tondemonai2.web.fc2.com/331.html を参照してください)

    まあ、それでも、中村克に比べたら、まだまだ小粒な物件なのかもしれませんが……。

  4. http://tondemonai2.web.fc2.com/331.html
    を読んでみました。疑問符が百個くらい頭上を舞ってます。

    一体何が欠落していると、こういう発想になるんだろう。「法律と判例と判決」の区別がつかないのかもしれないですね。だったら、自分の著作物と他人の著作物も区別がつかないのもわからないではない。

    「中村克と唐沢俊一とどっちが重要物件か」は、何を重要とするかによって違ってきそうです。中村克は派手ですけど、物書きとしては所詮ポッと出ですから、唐沢俊一に一日の長がありそうです。

  5. [...] 前回の続きは書き終えているのですが、間違っていたらまずいので、「現物」を確認してからアップします。 [...]

  6. [...] 前回の続きは書き終えているのですが、間違っていたらまずいので、「現物」を確認してからアップします。 [...]

  7. [...] 宅八郎は「四方宏明の処刑」に忙しいようだし、私も東村山の問題に忙しいので、その後、これといった展開がなく、失望させてしまったとしたら申し訳ない。今後も、さして期待に添えないですが、この辺で唐沢俊一の話を入れておきます。 今回は、「1848/唐沢俊一か中村克か」「1850/唐沢俊一のブーメラン」の続きではなく、数日前に、「唐沢俊一 まとめwiki」を読んでいて知った話です。 [...]

  8. 寛容になりましょう。
    他人が何を考えててもイイではありませんか。
    著書を買う人がいるから出版されるのでしょう?
    売れたモン勝ちだと言う事を分かるべきですヨ。

    貴方の場合、負け犬になる権利も得ていない。

  9. 1571846さま

    他人が何を考えててもイイに決まってます。しかし、「金のためには人の文章をパクっていい」という考え方を実践した時には、当然反発されますヨ。

    そういう行為を批判することは誰でもできますから、負け犬かどうかはなんの関係もないです。

    また、唐沢俊一はさほど売れているわけでもないですし、『最後のパレード』は売れたにしても、印税さえもらえず、これ以降、両者は延々と笑われ、蔑視される辛い人生が待っているだけですから、「売れたモン勝ち」の条件を満たしていないですネ。残念。

  10. [...] 以下の文章は、「1850/唐沢俊一のブーメラン」の続きです。とっくに書いてあったのですが、記憶で書いて間違っていたらまずいと思い、この名刺をずっと探していて、やっと先日発見しました。 [...]