2008-08-01
お部屋1605/雑誌の未来は中国にあり
更新がいつもより遅くなりました。忙しかったためではなく、昨夜から今日にかけて、ブログが不調で書き込みができなくなっていたためです。忙しいのも事実で、久々に徹夜して昼近くまで仕事をしてしまいましたぜ。
昨日、MCプレスが、エロ雑誌4誌の廃刊だけでなく、会社自体の解散を発表。続いて、本日、集英社が「月刊プレイボーイ」の休刊を発表(まだ集英社のサイトにも、「プレイボーイ」のページにもお知らせは出ていないみたいです)。
これについての文章を書いてあったのですが、「黒子の部屋」の書き込みができなかったため、「マツワル」用に書き直して配信。そういうことしてっから、仕事が遅れて徹夜になるのですね。
その原稿で、今年休刊になった雑誌、これから休刊になる雑誌のリストを作りました。ほぼ毎月「休刊号」「最終号」が出ている状態です。しかも、広く知られる雑誌が多い。
中では、「論座」の休刊より、「主婦の友」の休刊より、「ヤングサンデー」の休刊より、私にとってはやっぱり「月プレ」の休刊がショックです。毎号仕事をしているってこともあるのですが、創刊時の騒ぎを知っている世代なものですから。高校1年の時だったと思いますが、私も学校が終わるや否や自転車を飛ばして買いましたよ。今も大事にとってあります。
以前「マツワル」で詳細を書いてますが、日本の女性ファッション誌は軒並み中国版が出ていて、大変よく売れています。休刊した女性誌、休刊が決定した女性誌は中国進出していない、あるいは進出して失敗した雑誌だと思ってよさそうです。主婦の友社の雑誌も、4誌の中国版が出ていて好調のようですが、すさまじい勢いでオシャレやブランドに傾斜しているのは若い世代ですから、「主婦の友」は進出できないでしょう。それであえなく休刊。
「雑誌が生き残れるのか否かは中国に進出できるかどうかが分かれ目」です。ネットがいかに浸透していると言っても、まだ10億人以上はパソコンを見られる環境にはなくて、雑誌マーケットが巨大です。たぶん9億人くらいは雑誌を買えない貧農ですけど。また、世界中の企業が宣伝費を中国に注ぎ込んでますから、広告収入も期待できます。
「雑誌まで中国依存かよ」って話ですが、そうしないとやっていけないってだけでなく、日本の文化や考え方を理解させる、外に目を開かせるという意味ではその役割は非常に大きくて、私は積極的に進出すべきだと思ってます。
しかし、情報系の雑誌は中国進出ができないですから、このあとバタバタと潰れましょう。ニュース系の雑誌やオピニオン雑誌ももちろん無理。
生き残れるのは中国に進出できるファッション雑誌と漫画雑誌です。これらは機械的な翻訳の作業が必要なだけで、中国版を出す手間もあまりかかりません。
可能性がわずかにあるのはエロ雑誌。中国がとっととヌードを解禁さえすればエロ系の雑誌は間違いなく売れます。あっちじゃまだモデルを確保できませんので。ヌードなしの「ブレイボーイ」みたいな雑誌(水着あり)は上海でもう出ていて、どこの書店やスタンドにもあります。あれにヌードがついたら、どんだけ売れることか。
しかし、「プレイボーイ」の場合、本体が進出してしまうので、日本版ではその可能性はゼロです。
だから休刊です。
詳しい話は「マツワル」で配信してしまったので、こっちではいい加減な話を書いてみました。
注:ネットは飛ばし読みになりがちで、シャレをシャレと受け取らない人が出てきてしまうため、念のために書いておきますが、中国進出の可能性がないことが「月プレ」休刊の理由ではないですからね。
ついでに書いておくと、日本のファッション誌が中国でうまくやっていけているのは、思想性がないってことが理由になっていて、ヌードが解禁になったところで、「プレイポーイ」はそのままでは出せないでしょう。
記事ページは中国編集するとしても、インドネシア版「プレイボーイ」のように、中国国内のイスラム原理主義者に襲われかねない(一般の中国人はエロに寛大です)。エロは、それ自体、思想なのです。
それとともに、日本のファッション誌が欧米のものより中国で売れているのは、肌の色も髪の色も同じだからです。読者の中には香港や上海の雑誌だと思っているのもいるかもしれない(中国編集ページも入ってますし)。
その点でも「プレイボーイ」はさほどは売れない可能性があります。裏DVDも人気のあるのは圧倒的に日本のものですし、表のAV(全裸なし)もパッケージの写真は日本のパクリです。
さらにもう一点、ファッション雑誌進出の背景には、アパレル産業とのかねあいがあって、他のジャンルではこうはうまくいかないかとも思います。
バカ話に解説をつけてみました。