2008-04-06
お部屋1443/あれやこれやの表現規制 1
ルール違反はいかんですな。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20080404k0000e040084000c.html
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映画「靖国」:文科相「国政調査権で依頼」を疑問視
ドキュメンタリー映画「靖国」の上映を中止する映画館が相次いだ問題で、渡海紀三朗文部科学相は4日の閣議後会見で「一部の議員が国政調査権として(内容の確認を)依頼したようだ。国政調査権は本来(両議院の)委員会を通じて行使されるのがルールだ」と述べた。この問題では、自民党の稲田朋美衆院議員が映画の封切り2カ月前の2月12日、文化庁に内容の確認を申し入れたことが明らかになっている。
渡海文科相は「(稲田議員は)『あの映画に政治的メッセージがあるにもかかわらず、(文化庁所管の独立行政法人から)助成金が出ているのでは』という疑義があるから見せてほしいとのことだった。特定の依頼に対し、国の機関が何かをやるのは基本的によくないと思う」と述べた。
文化庁は申し入れを受けて配給会社に相談し、全国会議員を対象とした異例の試写会(3月12日)を開催することが決まった。
国政調査権は憲法に基づく国会の権利で、衆参両院のいずれかの議決で発動する。行政機関に記録の提出を要求したり、証人喚問をすることなどができる。【加藤隆寛】
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こういうことすっと、「助成金を出したのはルール違反ではないか」と小さい声でしか言えなくなります。あるいは黙りこくるしかなくなります。
しかしながら、「靖国 YASUKUNI」は結局のところ、当初予定していた以上の映画館で上映されることになりそうです。稲田朋美議員と一緒に上映運動をするまでもなくなったのが残念です。
マスコミ関係者、表現者、法曹関係者などの諸団体がこの件についての声明を出してますが、ペンクラブの声明は映画館に言及しているのが異質です。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080403k0000e040073000c.html
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映画「靖国」:ペンクラブが声明「関係者の猛省うながす」
映画「靖国」の上映中止に関し、日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は3日、「自由な表現の狭まりを深く憂慮し、関係者の猛省をうながす」とする緊急声明を発表した。「面倒を恐れて自発的に場所の提供を渋る雰囲気がまん延している。公共言論空間を守る決意を訴えたい」としている。
毎日新聞 2008年4月3日 13時36分
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日本ペンクラブのサイトの声明のページが開けないため、全文を読めないのが残念ですが、映画館も表現に携わっている以上、そうも易々と上映中止をしていいのかとの思いは私にもあります。もちろん、「上映前の映画館に抗議をするなよ」ということはその前にあるとして。
右翼の街宣車が来たらビビるのは当然ではありますが、度を過ぎた抗議に対しては通報すればいいわけで、上映中止にすることはなかろうと。
場所を提供する人たちの弱腰もそうですが、表現をした当事者やメディアではなく、スポンサーに抗議をするといった手法が広がっていたり、権利意識が過剰になっていたり、妙な法律が次々と出てきたりといった具合にワシらの社会はいろんな形で表現が規制されつつあります。
ここから何回か続けて、いくつかの例を取りあげていこうと思ってます。連載ざんす。
[...] さて、この話、期待権として見た時にはどう考えるべきでしょうか。「あれやこれやの表現規制」で取りあげる予定だった期待権については、出す余地がないため、「マツワル」に回し [...]