2008-10-17

お部屋1682/背筋が凍る話【追記あり】

ちょっとちょっと、荒井さん! ニャロメさん! 感嘆符をいっぱいつけることが流行っているのでなく、その数を数えることが流行っているのです(これとて流行ってはいないか)。誤解しないように!!!

もしかすると一方では、自分の文体を把握されないように、感嘆符をつけないようにしている人も出てきているかもしれない。しかし、すでに「日本よ何処へ」のコメント欄のデータは十分入手したので(でぶちんさんが)、これ以降は無効票にすればいいだけのことよ。

それに我々のプロジェクトは、まだ始まったばかりで、ゆくゆくは文章のすべての構成要素を(でぶちんさんが)数値にするのが目標です。感嘆符ごときを消したところで無駄です。こういうことを書くと、またでぶちんさんが背筋を凍らせるわけです。

私の過酷な要求に潰れてしまったのか、でぶちんさんは昨日の更新はなし。昨日は他の方々の更新も少なくて、あっても、瀬戸弘幸関係ではなく、さすがに飽きましたねえ。

図画工作員Sさんは、名前、住所、電話番号などの必須事項を除く肩書き、略歴の文字数をカウントする「名刺何文字プロジェクト」に動き出して、「デタおた」ではないと言っていた彼もまた「データの国」に旅立ったかもしれない。

しかし、本日のエントリー「躓いた欧米『金融市場のコントロール』が不可能に! 」のコメント欄で、瀬戸弘幸は「読売新聞」の権威にすがり、自分がジャーナリストであることの主張をした(つもりになっている)ため、さっそく「3羽の雀」さんが突っ込んでます

瀬戸弘幸よりはメディアの事情に詳しいであろう私も突っ込んでおくことにしましょう。

3羽の雀さんの繰り返しになりますが、まずは問題のコメント。

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(略)

ジャーナリストから社会運動家

このことは昔を思い出したということです。最近自称ジャーナリストなどと書く人がたくさんいますが、昔は読売新聞などは立派に認められており、自称ではありませんでしたが、今は社会運動家の方が似合っているということです。

http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51493819.html

Posted by せと弘幸 at 2008年10月17日 09:51

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日本語がおかしいと思いますが、いつものことなので、そこはパスするとして、このリンク先にはこうあります。

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 私は肩書きとしてはジャーナリストや記者としても十分通用すると思っています。
 実は、私はかつては新聞社の発行の人名録にも掲載されていました。読売新聞社で毎年発行している読売年鑑の別冊に「読売人名録」というものがありました。

 そこには全国で30,000人が記載されており、私は1990年頃から「報道・評論・出版」の部門に載っていました。それから何年も掲載されてありましたが、毎年来る調査票を提出するのを止めたので、現在は記載されていません。

 掲載要綱を見ると次のように書かれてあります。

 「この『読売年鑑』は現在各界の第一線で活躍しておられる代表的な方々を、分野別に掲載しました。正確を期すために、約60,000人に調査票を送り、回答を寄せられた方々の中から、更に当社で選定させていただきました」

 お金を出せば掲載される紳士録などではありません。天下の読売新聞社に認められた評論家であり、報道人であったのです。今から16年前ですから、まだ39歳でした。これはある意味凄いことだったのかも知れません。

 6万人に調査票を送って、3万人の中に選ばれたわけですから、自慢できる事だったのでしょう。報道・評論・出版は2千人ほどしか掲載されていなかったのではないでしょうか。

 しかし、自分としてはそのような名誉は必要ないと調査票の提出を止めました。私は違った肩書きが欲しかったのです。当時は「社会運動家」という肩書きが欲しかった。

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日本語のおかしいところがありますが、いつものことなのでパスするとして、このような名簿は販売されるものもありますし、一般に公開しないものとして作っているケースもあります。原稿依頼、取材依頼、出演依頼の参考にするためです。

テレビ局のディレクターに依頼されて、その場で書いたことはあったと思いますが、郵送されてきたものについては、これまですべて私は無視しているかと思います(よく覚えてない)。仕事が増えるかもしれないことを考えると、回答した方がいいのかもしれませんが、面倒なものですから。

一冊くれるなら書いてもいいですが、掲載する人数が多いため、私の知る限り、現物ももらえないです。「欲しけりゃ買え」ってことです。実際、自分の名前が出ていることが嬉しくて買う人もいますから、それで部数が確保されるという事情もあるのでしょう。

各社人選の方法は違うでしょうが、「読売人名録」の6万人という人数から考えて、メディアに名前が出ている人や何らかの名簿にすでに名を連ねている人に、片っ端から調査票を送っているのだと思われます。

こういうものを無視する私のような人間もいますし、瀬戸弘幸のように、あるところから、何事かを考えて回答しなくなる人もいますから、このうちの何割か、場合によっては半数くらいは回答しないことが想像できます。住所が間違っていて、送り返されるものも確実に出てきますしね。

中には人違いだったり、回答がおかしかったり、あきらかに虚偽が混じっていたりするものもおそらくはあって、そういうものをはじいて、回答の届いたものは原則としてすべて掲載しているのでしょう。万単位の人間が回答したことをいちいち精査して選別するはずがないです。

6万あるいは3万という数字の意味は、ウィキペディアの項目が今現在527,673本であることから、ざっと読み取れます。正確な数字がわからないのですが、このうち実在の人名は10万本以下でしょう。その中には、海外の人名、歴史上の人名、犯罪者の人名も入っているわけですから、今現在、国内の各界で活躍している人の数はその数分の1です。1万か2万か3万かは知らないですが。

となると、6万人をリストアップしている「読売人名録」に出るより、ウィキペディアに名前が出るこのと方が難しいかもしれない。瀬戸弘幸は「ウィキペディアに名前が出たから、ジャーナリストとして認められた」と言っているに等しい、あるいはそれよりひどい勘違いをしているってことです。

ましてアンサイクロペディアは11.266本ですから、こちらに項目が出ることの方がはるかに難しい。瀬戸弘幸の項目にも書き込まれましたので、瀬戸弘幸は有名人の資格ありってことです。

でも、ジャーナリストか否かとはなんの関係もなし。準公人であることの根拠くらいにはなりましょうけどね。

「報道・評論・出版」というジャンルに掲載されているのが2千人ほどだったのではないかと言ってますが、ほかに「政治」「経済」「スポーツ」「文芸」「芸術」「芸能」「学術」くらいしかジャンルはないでしょう。その中でも、マスコミ関係は一般に知られている人の数が多いですから、1万人くらいは掲載されているのかも。ここは現物を確認する必要がありそうです。時間があったら図書館で調べてきます。

また、「報道・評論・出版」の分野に出たからといって、それがジャーナリストの証明になるはずがない。ライター、コラムニスト、エッセイスト、評論家、批評家、編集者といった肩書きの人たちもこのジャンルに入っているのでしょうから。

なんとなくこの人名録は見た記憶があって、たぶんB5の薄っぺらいものだったと思います。200ページもなかったのではなかろうか。仮に200ページあるとしても、1ページに150人です。つまり、名前や年齢、所属、連絡先、専門分野程度の名簿です。【私は違った肩書きが欲しかったのです。当時は「社会運動家」という肩書きが欲しかった】とあるように、おそらくこの名簿には、肩書きの記入欄もなかったのでしょう。あるんだったら、そう書けばいいだけ。

肩書きが入っているにしても、こういった名簿ではしばしば肩書きは自己申告です。専門分野も自己申告。そんなもんの裏とりをいちいちしないですから、言ったもん勝ち。

つうか、こんなもんに出たからと言って、肩書きが決定するはずがなく、「社会運動家」という肩書きが欲しいなら、そう名乗ればいいだけ。メディアに出る際に、そう言い続ければいいだけ。たった一冊の名簿にどうしてそうも力があるって思えるのでしょう。権威を心から認めている新聞社が発行しているからですかね。

今はネットがあるため、こういった名簿が市販されることは少なくなっていますが、かつては「マスコミ人物辞典」の類いの名簿録が何種類か出版されていて、その一つに名前が出たことがよほど嬉しかったのでしょうね。【名誉】だってさ。【自慢】だってさ。【これはある意味凄いことだった】だってさ。【天下の読売新聞社に認められた評論家であり、報道人であった】にアンダーラインですよ。イタイイタイ、イタイイターイ(改めて流行らせようかなと思いましてね)。

人ごとながら、背筋がゾーっとするほど恥ずかしい。ある意味、凄いですけどね、たしかに。これがジャーナリストと名乗る根拠だったとは。

「おまえはそれでもジャーナリストか」と問われて、どっからどう見てもジャーナリストの根拠になり得ないものしか出せないから、「自称」とつけられていることさえも理解できない自称「ジャーナリスト」なのでありました。イタイイタイ、いろんな意味でイタイイターイ

なお、私はこのあと「データの国ツアー 食事・観光はオプション/2泊3日/39800円」に出かけるため、数日休みになります。
 
 
追記:3羽の雀さんの追記で、今も「読売年間」の別冊として「人名録」が出ていることを知りました。

【18分野の約2万人】とあって、当時も同じ分野で分けていたとすると、「報道・評論・出版」が2千人であったとしてもおかしくはない。ここは消して、ペンディングとしておきます。

また、私が記憶していた薄っぺらなものとも違っていました。ここもいったん消して、ペンディングにしておきます。当時どうだったかはわからないので、現物を確認するしかないですね。

追記2:橋本玉泉さんが書いている大宅文庫の人物索引は13万件。故人も含まれ、全ジャンルにわたるわけですが、相当の範囲でひっかかります。

大宅文庫が保存していない媒体での執筆、無署名の執筆は当然カウントされないのですが、執筆記事が9件というのは、あの年齢の物書きとしては相当に少ない印象です。瀬戸弘幸は、今現在も、ジャーナリストとしての活動をネット以外で続けているようにとれる発言をしていますが、無署名でやっているってことなのでしょうか。あるいは右翼系の新聞での執筆でしょうか。

追記3:資料屋◆bfimNvQTbのコメントにあるように、詳しいことが判明しました。間違っていた部分は正式に訂正します。それ以外に大きな違いはないので、そのままにしておきます。

このエントリへの反応

  1. > 「データの国」に旅立ったかも

    体育館の中を走り回ってる方が好きなので、まだ、大丈夫です。
    それに、うちに有る名刺は入れましたので(表は更新してあります)、
    あとは松沢さんへエクセルを送るだけです。(^^♪

  2. 肩書きゼロっていう人は珍しいというほど珍しくないのね。

    この調査は、名刺の所有者がどういう人かわかるのではなく、こういう名刺をもっている図画工作員Sさんのことがわかる調査ですね。

    医療、介護、IT関係が多い。医療、介護関係のHP制作をやるのが仕事と見た。

  3. > HP制作をやるのが仕事と見た。

    ブ、ブー でした。そう言う仕事は、やった事ないです。
    全部、昔に貰った名刺です。最近は、名刺貰う事があまりないんです。
    何故か、不思議な名刺が集まっている。謎。
    ところで、ライターの方は、六本木方面にいらしたOさんと言う方です。お知り合いだったりして。

  4. 昔もらったにしても、偏りが激しいな。

    うむ、やっぱりO君か。妙なところでつながるものだ。

  5. よく考えたら、ワシは図画工作員Sさんの仕事を知っていた。忘れていた。

  6. [...] 「データの国ツアー」から無事帰ってきました。 [...]

  7. 読売年鑑、図書館で実物を見て来ました。
    瀬戸弘幸が掲載されているのは1990年から1995年までです。
    で、当時のページ数は736ページほどで、ジャンル分けは「皇室」「国会議員」「政治」「官界·法曹」「経済·産業」「社会」「報道·評論·出版」「人文科学」「自然科学」「文芸」「美術」「音楽·舞踊」「演劇·芸能」「スポーツ」「趣味¸服飾¸美容」「都道府県」「外国人名」「学術·芸術会員」の18分野となっています。
    記載事項は生年月日、肩書き、最終学歴と連絡先ですね。
    1ページにだいたい51人前後、見開きで102人程度の掲載です。
    で、「報道·評論·出版」のページ数は1993年までは21ページ、1994年、1995年は20ページとなっています。
    ページ数として多いのは「都道府県」でして、知事や都道府県の幹部職員、市長、市議会議長を載せていたりするので毎年100ページほど割いてます。
    なお、瀬戸弘幸の肩書きは「世界戦略研究所代表」となってました。
    国会図書館の蔵書に世界戦略研究所出版のものが4点ほどヒットしましたから多分出版社の経営者として掲載されたのではないでしょうか。
    実際に報道·評論·出版のカテゴリーには出版社の役員が多数掲載されていました。

  8. あ、もう一つ、出身都道府県も載せられています。
    それと、巻頭の掲載要項を見ると調査表を送付した6万人の中には外国人は入っていません。

  9. 資料屋◆bfimNvQTbさま

    さすがに早いですね。私も数日中に図書館に行こうと思っていたのですが、手間が省けました。

    なるほど、出版社の経営者か。ありそうです。読売新聞社側がその趣旨で調査票を送ったため、「世界戦略研究所代表」と書いたのかも。

    4冊のうち、この時点で出ているのは3冊ですが、小室直樹と倉前盛通の共著が出ているため、読売新聞社も掲載する意味ありと考えたのかもしれません。

    だとしても、そうじゃないとしても、これでジャーナリストとして認められたという発想はどこから出てくるのでしょうね。

  10. 資料屋◆bfimNvQTbさま

    この報告は皆さんに知っていただいた方がいいので、次のエントリーでご紹介します。

  11. [...] 「1682/背筋が凍る話」に対して、資料屋◆bfimNvQTbさんからのコメントがありました。瀬戸弘幸がジャーナリストである根拠として挙げた「読売年鑑」の別冊「読売人名録」についてです。 [...]

  12. [...] 「自称ジャーナリスト」「詐称ジャーナリスト」と言われた時の反論として、たいして意味のない読売人名録を出すのであれば、「ソースネクストを告発した本を出している。アマゾン [...]