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  [2002年09月2日更新]
 

東京レズビアン&ゲイパレード
2002



を応援します!

今年も東京レズビアン&ゲイパレードが開催されます。
開催日は9/7(前日祭)、9/8(パレード)。
これに合わせポット出版が事務局となり都内書店でブックフェアを開催。
フェア用に作ったブックカタログを全文公開します。
伏見憲明さんに「ゲイ&レズビアン・ブック」の選書&エッセイをお願いしました。

もくじ


このブックガイドについて
はじめに…伏見憲明
レズビアン&ゲイ・ライフ
セクシュアル・マイノリティ
同性愛の歴史
クィア・カルチャー
レズビアン&ゲイ・スタディーズ

【付録】
ポット出版/ブックフェア営業報告
ブックフェア開催書店募集

このブックガイドについて


凡例
○掲載は著者名50音順です。
○雑誌など定期刊行物は、書名の横に(月刊)等と表示、最新刊を挙げています(2002.6現在)。
○文庫は定価の後に、文庫と表示しました。新書も同様にしています。
○翻訳書については原則、原著者名のみを挙げました。
○入手可能/絶版かは表記していません。絶版のものもあります。
○掲載した本について、BK1に情報があったものにはリンクが貼ってあります。
その他雑誌等は出版元のホームページへ、一般書店で扱っていないものは、ネット上での販売先へ
それぞれリンクを貼ってあります。
○書誌の編集責任はポット出版にあります。

ブックフェア開催予定書店
→営業報告のページはこちら
8月下旬より以下の書店で開催いたします。(2002年9月2日現在)
▼青山ブックセンター本店 8.21……9.8
▼ブックファースト渋谷店 8.21……9.8
▼パルコブックセンター渋谷店 8.21……9.8
▼青山ブックセンター新宿ルミネ2店 8.21……9.8
▼杉並北尾堂・ブックカフェ2[西荻窪] 9月末まで
▼タコシェ[中野]9月末まで
▼紀伊國屋書店新宿南店 9月5日〜
▼ブックスアメリカン北上店[岩手県] 8.28〜
▼煥乎堂[群馬県前橋市] 8.28〜9.16
▼早稲田大学生協コーププラザブックセンター 10月予定
▼ジュンク堂書店京都店 9月上旬
▼旭屋書店なんばCITY店  9.9〜
▼ジュンク堂書店広島店 9.9〜
▼同志社生協書籍部京田辺店 10月上旬〜
▼リブロ広島店 10.7〜
▼紀伊國屋書店仙台店 9月中旬〜

フェア参加出版社
アーティストハウス  ●明石書店  ●かもがわ出版  ●勁草書房
現代書館  ●杉並北尾堂  ●青弓社  ●青土社
ジープロジェクト  ●十月舎  ●テラ出版  ●七つ森書館
ねおらいふ  ●パンドラ  ●ポット出版

はじめに

伏見憲明
(選書・エッセイ)

ふしみ・のりあき●
評論家、ゲイライター。
1963年生まれ。
慶応義塾大学法学部卒。

91年に『プライベート・ゲイ・ライフ』
(学陽書房)でデビューして以来、
講演などで全国を駆け巡る一方、
10年あまりで20冊以上の
同性愛・セクシュアリティ関連の
書籍を出版。

代表作に
『ゲイという[経験]』(ポット出版)、
『〈性〉のミステリー』(講談社現代新書)『性の倫理学』(共著、朝日新聞社)
ほかがある。

またシリーズ
『クィア・ジャパン』(勁草書房)の
責任編集を務め、vol.1から5までを刊行。vol.6は2003年春に刊行予定。



 今回、ゲイ&レズビアン・ブックの選書をするにあたって、bk1の検索を利用したのだが、「同性愛」「ゲイ」「レズビアン」といったキーワードを入力するだけで、多数の関連書籍が瞬時に画面に表示されるというのに驚いた。そしてそのこと自体が、現在のレズビアン&ゲイの置かれた時代状況を反映しているようにも思えた。
 思春期の私が自分のセクシュアリティについて理解したいと切望した、今から20年前(!)では、まず、同性愛に関して言及している本を探すのが難しかったし、実際、それを中心テーマに据えたものはほとんどなかった。図書館や書店で必死に探しても、異常心理学のたぐいの翻訳書にたどり着くのが関の山だった(当時、そういう本を読んでかえって暗くなってしまう当事者も多かった)。
 そんな中、私を勇気づけたのは、大学の図書館で見つけたモートン・ハント『ゲイ――新しき隣人』(河出書房新社、1982)という翻訳書だった。同性愛に肯定的なストレートの男性によって書かれたもので、アメリカのゲイ状況を紹介した一冊だったと記憶する。今になってみれば、その本にもどうかと思うような記述もあったのだが、当時の私にとっては、自分のセクシュアリティ(その言葉自体、80年代にはまだ一般に用いられてなかった!)を否定したり、治療の対象とするのではないというだけで、救われたような気がした。言葉が人の「生」を深く支える、という意味で、書籍の役割はきわめて重要だろう。
 けれども、本当のところ当時のリアリティでは、肯定的だろうが否定的だろうが、同性愛について触れていてくれるのなら、それらはすべて救いになっていたかもしれない。なぜなら、世間はそれ以前に、同性愛者の存在などないものとしていたし、「ホモ」や「オカマ」は書籍でまともに取り上げるような対象ではありえなかったからだ。
 あれからおよそ20年の時を経て、今日では、「選書」しなければならないほど同性愛の関連書籍が市場に流通している。この間ずっと、そうした本の出版動向に注目してきた私も、今改めて振り返ってみると、その変化に目を丸くするばかりである。1992年に出版された『別冊宝島・ゲイの贈り物』(宝島社)のリストと比較してもよくわかるのだが、とりわけ人文や社会の分野での出版点数の増加は圧倒的だ。かつて同性愛の情報にとにかく渇望していた時代を考えると、夢のような状況だと言える。
 これらのリストを眺めるだけで、現在のゲイやレズビアンの自己肯定感と、社会における相対的な認知度の上昇が、そうした書籍による情報効果に関っている、というのが容易に推測されるだろう。当事者と、そのサポーターの努力によってなされた同性愛の「革命」が、ここにもあったのだ。私自身、こうした出版におけるムーブメントに微力ながら参加できたことを、非常に誇りに思う。
 そして今後、さらに多くの人たちが「読者」として、この言説における実践に合流していただければ願う。それによって私たちは、より充実した知の財産を継続的に享受することができるはずだ。
 ぜひとも、この冊子を参考にして、書店で、今の貴方に必要な一冊を見つけてほしい。そうした出会いがまた貴方を、人生の新しい可能性に導いてくれるに違いない。

レズビアン&ゲイ・ライフ
セクシュアル・マイノリティ
同性愛の歴史
クィア・カルチャー
レズビアン&ゲイ・スタディーズ

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