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[第4章●デジタルな環境構築] 4… comで行こう |
[2004.01.14登録] |
石田豊 |
数回にわたって、メールアドレスの永続性を狙って独自ドメインを確保しようという提案をしてきたわけです。いままではトップレベルドメインは、ま、お好みですが、というスタンスで記述してきましたが、私自身の考えは決まっています。com、netなどのgTLDを選択すべきだ、ということです。 なぜなら、ずばり安いからです。jpドメインなどは、維持に年間5,000円ほどの費用がかかりますが、comなどのgTDLはたとえば総元締めに近い(ということは比較的高い)レジストラのネットワークソリューションでも9年間まとめて手続きすると、年当たり19ドルでOKです。つまり年2,000円ちょい。 to(トンガ)とかtv(ツバル)とかのccTLDでも、日本並に高いことは変わりません。 ツバルは南太平洋の非常に貧しい島国でした。なんといっても、国の最大の収入が出稼ぎ労働者からの仕送りだったというのだから、推して知るべし。 それがたまたまtvというccTLDを付与されたことが、思わぬ収入をもたらしたわけです。国家予算の何倍にもあたる金額でアメリカの会社にドメインの運用権を売っちゃったわけ。その金でもって学校をつくったり、国連に加盟したりしたそうです。なにが金になるか、わかったもんじゃないという「イイ話」であるのですが、もうこの契約は取り交わされた後なので、tvドメインを我々が取得したところで、ツバルの人たちに1円のお金が落ちるわけじゃない。私的ODAにもならんわけです。 かってな推測ではありますが、jpやtvなどのccTLDは、今後もそう大幅に料金が安くなることはないでしょう。いっぽう現在安価で提供されているcomとかのgTDLの利用料金が、これ以上、急激に値上がりすることも、そうないんじゃないかな、とも思います。 メールアドレスを確保するためのドメイン選びなら、プチ愛国心や判官びいきを捨て、com、netなどのgTLDをお選びになるのが、まずはまっとうな道だと思います。 独自ドメインの運用を始める場合、通常は、ホスティングサービスを利用するというのが普通でしょう。 ホスティングサービスを行っている会社は、もう、まさに星の数ほどもあり、私にしてもそのどこがいいとか悪いとかを言うこともできません。そんなこと知りゃしないですからね。 すべての会社がリストされているわけではないですが、ホスティング ナビで、いろいろな会社のサービスを比較することができます。 このリストの中からたまたまピックアップしたレンタルサーバー ネットグルーヴの「エントリープラン」で見ると、ディスクスペースが50MB、メールユーザ数10という内容で、初期費用が2,000円、年間利用料金が10,000円(月あたり834円)。 この費用の中に、(com、net、orgなどのTLDであれば)ドメイン取得費用と2年間分のドメイン維持費用が含まれてます。 つまり月額1,000円足らずで、鉄壁な永続メールアドレスが維持できることになる。 ただ、この方法でドメインを取得して、ほんとうに「永続」が狙えるのか、といえば、不安が残るのも事実です。 立ち上げたサーバとドメイン名を結びつけるのは、レジストラのデータベースの「DNSサーバ」という欄の情報を書き換えるだけでOK。であるから、いったんドメイン名を取得すれば、理論的には同一ドメイン名を維持したまま、他のホスティングサービスに乗り換えたりすることは可能です。 しかし、そのためにはレジストラのデータベースにアクセスするためのパスワードが必要になります。 ホスティングサービス会社がドメイン取得を代行してやってくれる際には、レジストラのデータベースにそのドメイン名をパスワードとともに登録します。 だから、もしレジストラのデータベースを書き直そう(別のサーバに移転する)と思えば、登録作業を依頼したホスティング業者からパスワードを教えてもらわなければならないことになります。 ホスティングサービスの会社が突然倒産してしまったら、どうする? そうなりゃオシマイだとは思いませんが、とてつもなくヤヤこしいことになってしまうでしょう。gTDLの場合、レジストラは海外の業者である可能性が高いから、交渉は英語になるしねえ。 そんな決定的な状況を想像しないでも、相手の会社が「ちょっといじわる」であるだけで、パスワードを教えてもらえない可能性だってあるし、私自身は(幸いにも)経験したことはありませんが、ネットなどでは、そうした体験が頻繁に報告されています。 もちろん、そうした事故はレアケースでしょう。現に私はつい先日ホスティングサービスから自前のサーバに乗り換えたました。それまで契約していた会社に解約の申し出をし、同時にレジストラのパスワードを尋ねたのですが、パスワードだけではなく、修正登録の手順まで懇切丁寧に記したメールを貰いました。感動しました。 しかし、永続性を狙っているのに、将来をこういう「出会いの運」に任せてしまうのは、はなはだ危険ですよね。であるから、ホスティングサービスをつかって独自ドメインを構築する上では、以下の3つの戦略があると思います。 1)運を天にまかせてそのまま申し込む 2)申し込みに先だって、解約時にパスワードを教えてもらえるか、などを電話で確認する(したところで、それを信じきるわけにはいかないが) 3)ホスティング申し込みに先だって、自分でレジストラにドメインを申請する もちろん(3)がもっともカタい。なにしろまさに「キー」であるパスワードを自分で指定しているわけだから、そのあと何が起ろうと、ドメイン保持は鉄壁でありましょう。 たしかにその方法は(現在、多くのホスティングサービスはドメイン登録料と1〜2年のドメインフィーをオマケにしているため)、若干コストがかかります。しかし、長い目で見れば、その差はたいしたことはありません。もっとも有名なNetworkSolutionsを使ったとしても、9年契約で年15ドル。いわば30ドル分(2年分)だけ余分にコストがかかるのですが、安心料としては、妥当と考えられるのではないでしょうか。 ただ、レジストラでドメインを申し込む場合には、あらかじめDNSサーバ情報がわかっていないとなりません。DNSサーバ情報はホスティングサービスと契約してからでないとわからない。 そこで、あらかじめホスティングサービスにその旨を申し出、契約を交わしてから、レジストラでドメインを申し込む、という手順になります。とっても面倒くさい。 たしかに面倒くさいのだが、この方法がもっともカタいでしょう。 実務的に言えば、この部分がもっとも面倒で、かつヤヤこしいのですが、これさえのぞけば、独自ドメインの運用そのものは、ホスティングサービスを使えば、そんなに難しいことではありません。 心から、この方法をお勧めする次第。 |
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