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[第4章●デジタルな環境構築]
2… ドメイン取得はいくらかかるか
[2003.12.17登録]

石田豊
ishida@pot.co.jp

インターネットに接続するためには、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)と契約を交わす必要がある。このISPは、文字通りインターネットにおけるサービスをプロバイドしているわけだけど、それだけじゃ何のことかわかりゃしない。いったい「何」をプロバイドしているのか。

乱暴に言ってしまえば、ここが提供しているサービスの本質は、インターネットへの「入場権」である。インターネットという世界に立ち入るための権利をここから買っていると思えばよい。であるから、独自ドメインを立ち上げたとしても、この費用がなくなるわけではない。

ISPと契約を交わすと、もれなくメールアドレスがひとつついてくるが、メールアドレスの永続性を考えるなら、このアドレスは使わないことだ。オマケを無駄にするのは心苦しいが、このオマケは「顧客がよそへ乗り換えるのをブロックする」ためにあると心得たい。

ISPのコンピュータはとおく離れた場所にある。そのコンピュータまでの回線を使う費用も必要だ。ダイアルアップ接続なら、それはNTTなどの電話料金に従量で上乗せされるし、ADSLやFTTHなら、それ相応の利用料を支払うことになる。プロバイダ料金のなかにパックで含まれている場合も少なくない。これも今まで通り支払うことになる。

つまり、今までの出費は、自分のドメインを立ち上げたところで、減るわけじゃない。今まで通りの出費が必要である。

しかし、どのプロバイダを使っていようと、独自ドメインでメールの送受を行うようになれば、それは一切オモテにでないのだから、安いところへいつでも乗り換えられる。プロバイダの料金はメールの容量とか、提供されるwebスペースの容量などに左右されるものだが、独自ドメインを運用すれば、そんなもんは関係なくなるので、「つなぐ」という一点に絞って比較検討すればよい。この観点で選び直せば、今お使いのものより安くあがる可能性は非常に大きいはずだ。

独自ドメインを取得するとなると、その分の費用が上乗せされる。それはいったいいくらくらいか。

それを考えるには、その前にドメイン運用とはどのようなものか、ということを知らなければならない。

インターネットに接続しているあらゆるコンピュータ(だけではなく携帯電話などの端末も含むが)は、原則としてすべてIPアドレスという一意の番号を振られている。その番号の採りうる範囲は000.000.000.000から255.255.255.255までの理論上42億通りである(使えない領域も多いので、理論値どおりにはいかないが)。なかにはIPアドレスが振られない状態でインターネット接続している形態もあるのだが、ま、リロン的には、そうなっている。

ただ、われわれ一般の利用者がプロバイダを介して接続している場合、IPアドレスは利用のたびに一時的に与えられるだけで、次回接続時には、ことなるIPアドレスになる。こういうふうに一時的にIPアドレスを与えられることを、よく「動的に割り当てられる」なんて言ったりする。

動的があれば「静的」があるのは当然で、固定のIPアドレスを占有するサービスもある。これはちょっとお高くなる。この固定のIPアドレスを(プロバイダなどから)取得し、その回線にコンピュータをつなぎ、それを常時動作させておく。これがインターネットサーバのオーソドックスなイメージだ。

この連載が掲載されているスタジオ・ポットのサーバもそのように運用されている。ポットの事務所の一角には、サーバ(っていってもふつーのパソコンだが)がうんうんうなっていて、そこにはこのページを含むさまざまなページを擁するWebサーバと、ポットのスタッフ(および私など寄稿者の)メールの送受を行うためのメールサーバなどが含まれている。

こういうカタチでの運用が、もっともオーソドックスなカタチのドメイン運用なのであるが、これを実現するためには、かなりのスキルが必要になるし、いざ、何かが起これば(そしてそれはごくごく頻繁に発生しやがるのだが)、ぜんぶ自分で復旧しなければならない。

ま、カタギの人間にはそんなことできるわけがない。そこで「ホスティングサービス」というサービスを利用することになるのが普通だ。

ホスティングサービスとは、メールサーバ、Webサーバをちゃんと設定した「コンピュータ」(数ユーザで1台を共有するカタチが普通だが)を、すっかりお貸ししましょう。メインテナンスをふくめて面倒見ましょう、というサービスである。

独自ドメインを運用するには、こうしたホスティングサービスと契約することになる。

ただ、これだけではすまない。ドメイン名を取得しなければならない。インターネットにつながるすべての端末にはIPアドレスが振られている。それはサーバも同じだ。しかし、メールにしても、Webページにしても、無機質なIPアドレスで宛先を指定するのは不便である。そこでドメイン名というものが必要になってくる。たとえばここポットで言えば「pot.co.jp」というのが、それだ。

ドメイン名の構造については後述するが、ともあれ、このドメイン名を取得および維持していくためには、なにがしかの費用が発生する。

つまり、独自ドメインを運用するためには、今まで支払っていたインターネットに接続するための費用に追加して

ドメイン名取得・維持に関する費用+ホスティング費用

が必要になるわけだ。

結論から書くと、ドメイン名取得・維持は、年間1,000円程度から5,000円ほど。ホスティングサービスもピンキリだが、安いところだと月2,000円ほどくらいで、まあまあ使えるのがある。

つまり、安い目で見積もるなら、2,100円程度/月となる。

永続性のあるメールアドレスを維持して行くために必要な負担として、これを高いと見るか、安いと見るか。私は「安い」とまでは言わないけど、妥当なものだ、と考える。

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