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松沢呉一さんの攻撃について [2000年10月12日]
松沢呉一さんの
攻撃について
 松沢さんが私怨に基づくと思われる攻撃をえんえんと続けているわけですが、相変わらず事実誤認だらけで、これは言論の域を越えた暴力そのものです。単行本「風俗バンザイ」に関する記述など、丸ごと事実無根です。あまりにひどすぎるので、以下最低限の指摘だけしておくことにします。

●まず、松沢さんが「お部屋110」で鬼の首でもとったかのように 書いている「篠田氏は、これまで自分が書いた文書の確認作業を一切しないで『松沢呉一さんとの一件』の1・2を書いたことを告白してしまっているのです」という記述について。
 松沢さんは後の方でも誇らしげに書いており、今後も何回も出てきそうなので、説明しておきます。これまでの文書は紙のコピーで保存しています。フロッピーに整理して残していないと書いただけで、篠田は文書を保存もしておらず確認もしていない、と論理を飛躍させてしまうのは、まさに松沢さんの表現を借りると「驚愕するに足る」ことがらです。
 だって、これは公表を前提とした原稿でなく私信として送ったFAXなのですから、フロッピーに整理して記録してないことなど当たり前ではないですか。
(しかし、本当に説明するのも消耗ですよね。こんなやりとり)
●「お部屋112」で風俗ユニオンに関することを書いてますが、これも混乱の極みです。
松沢さんが引用している「青山での集会に参加したいと問い合せた」という話は、朝日新聞に風俗ユニオンの記事が載った時でなく、はるか以前の話ですよ。松沢さんがたぶん忘れてしまっているのでしょうが。
「連載終了について連絡した際のFAXにそのことを書いた」というのも、1月26日付のFAXに書いてありますから、混乱せずにきちんと読み返して下さい。
 念のため引用しておくと、こうです。
〈松沢さんの連載の中で興味深かったのは、性労働者の組合結成といった動きの話で(これをも「込み入った話」として私が退けたように言われるとだいぶ違うのですが)、これについては今後も誌面化したいと思っています〉
 松沢さんが持ち出している2月19日というのは、〈「風俗ユニオン」の代表者から、そちらに「原稿を書かせて欲しい」という電話がいくかもしれませんので、話を聞いてやってください〉という申し出のFAXが、私からでなく松沢さんからあった日にちです。別にUNIDOSに無関心で風俗ユニオンに関心を示したのでなく、上記の文書で〈興味深かったのは性労働者の組合結成といった動きの話で〉というのは、むしろUNIDOSのことを書いているわけです(文書の日付が朝日新聞の記事が出る前ですよ)
●「真実・篠田博之の部屋8」で突然、98年の『風俗バンザイ』出版に至る話が出てきたのにも驚きました。篠田が「ショー松」版をずっと読んでおらず、他社が本にしたいと言ってきたので惜しくなって「うちで出そうと思っている」と答えたと書かれています。どうして今頃こんな邪推をし始めたのか哀しくなりますが、ここに書かれている内容は丸ごと事実無根です。実際には「ショー松」を手に入れて、ちょうど地方出張が入っていたのですが、旅先で一気に読んで、面白い、本にしようと思ったのが真相です。悪意を持って眺めると事実もこんなふうに歪んで見えるのか、と唖然とするばかりです。
 単行本にする際の構成をどうするかなど(分量を縮めるというだけの問題ではなかったのです)、私も担当者も「ショー松」の原稿は当時、何度読み返したかわからぬくらいなのに、今になってこういう話を書き連ねて「真実・〜」などと見出しをつけるのは、悪意にしても度が過ぎます。
●「お部屋111」の『噂の真相』についての記述も、放っておくと読んだ人が事実と誤解するので触れておきます。宅八郎氏が『BUBUKA』で書いた内容については、事実関係の確認という電話が宅さんから入りました。恐らく私に『噂の真相』批判をさせたいという意図なんだなと理解しましたから、その期待には応えられないと言い、彼からここはこうで間違いないかという事実確認の質問のみ答えただけです。
 実際、宅さんが書いた記事も、よく読めばわかるように私に正式取材してないことがわかるような記述になっているはずです(恐らく宅さんが配慮してくれたのでしょうが)。 そもそも松沢さんは勘違いしているようですが、私は『噂の真相』が右翼襲撃の際に警察に通報したことを支持しているし、『創』誌上でそう公言もしています。
 でもこの話で驚いたのは、宅さんは松沢さんの親友なはずで、上記の事柄などちょっと確認すればわかることなんですが、そういう確認さえせずにこうした文章を書いているわけなんですね。
●一番ひどいのが「お部屋109」での99年6月29日の電話のやりとりで、一読して仰天しました。「別件で篠田編集長に電話したところ」と、冒頭から間違いなのですが、この電話で「次号からインタビューを出すと久保田さんに伝えてあるんですよ」と松沢さんが言ったことになってますが、こんな事実は全くありません。もし本当にその電話でその話が伝えられていたら、その後の誤解に基づくトラブルはいっさいなかったし、誤解も即座に氷解していたはずです。私が「次号からインタビュー」という話を知ったのは7月14日のFAXによってで、そのことは次に送ったFAXで伝えてあったはずです。
 これは単なる思い違いといったレベルでなく、この対立の根幹に関わることで、無茶苦茶な事実の改ザンというほかありません。
 ついでに同じ文章の中で、その電話で私が「売買春はもういい」という発言をしたと、私自身が認めたかのように書いてありますが、これも誤り。その言葉自体を言ったか言わないかというやりとりでは全く不毛な応酬になるので、私は、少なくとも松沢さんが言うような意味では言っていないという言い方をしただけです。
●と、ここまで書いてきて、これだけの事実の改ザンに、いちいち書かれた側が、それは違う、あれはこうだと説明していくありようが妥当なのか疑問を感じざるをえません。松沢さんが一方的にこれを答えろと言っている事柄と、昨年来こちらから送ったFAX内容をUPせよとこれまた一方的に言っていることについては、必要かつ可能な範囲で(昨年来のFAXは公開可能ですが、私信であり、第三者の個人名など含めて当然検討が必要です)近々対応するつもりですが、この間の誹謗中傷については、受忍の限度を越えていると申し上げておきます。

(篠田博之)

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