2013-04-19

お部屋2500/サッカーと反レイシズム[追記あり]

新大久保のレイシズムデモを取り上げた魚住昭のルポを読んで、久々にECDILLREMEを聴きました。このルポではECDの言葉を取り上げてますが、イルリメの言葉がまた滲みます。

ザイトク野郎どもはいくらか弱さを抱えていたり、いくらか頭が悪かったり、いくらかズルかったりはしても、その多くは普通のヤツらです。私らの周りにいる人間が、いつの間にか、あちらにいるかもしれない。

カウンター部隊のひとつにダンマク隊があります。今まで新大久保では二度横断幕をデモに向けるカウンター行動をやっています。

これは一回目の写真。
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これは横浜マリノスのサポーターであり、サッカーにまつわる企画、運営、執筆などに携わっている清義明さんがリーダーの部隊です。

先週木曜日にネイキッドロフトであった反レイシズムのイベントにも清義明さんは来ていて、話をしてくれました。清義明さんがダンマク隊を始めたきっかけは、知人がザイトクデモに参加しているのを知ったことにあります。

https://twitter.com/masterlow/status/305332316161581056
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荒巻丈はデモのあと、ノコノコと新大久保にやってきてしばき隊に捕捉され、しばかれた人物。しばかれたと言っても怒鳴られたのは最初だけで、合意のもとで居酒屋に行き、しばき隊に酒をおごられ、いい気分になって桜井誠らの悪口をさんざん言っていただけです。

ダンマク隊が二度目に登場した際に、荒巻丈も清義明さんが来ていたことに気づいています。少しは世話になったであろう清義明さんに対して、左翼だなんだと罵っている。これが荒巻丈という人間です。

対して清義明さんはこんな荒巻丈にも責任を感じている。と同時に彼がカウンター行動をやっているのは、サッカーの世界に生きているからです。

清義明さんはネイキッドロフトで「サッカーの世界での反レイシズムの潮流」をざっくり語ってくれました。

ナショナリズムが高揚されるサッカーの世界では、レイシズムが厳しく排除されます。

http://www.dailymail.co.uk/sport/football/article-2226112/Chelsea-racism-row-Club-launch-probe-picture-appears-fan-making-monkey-gesture-Manchester-United-striker-Danny-Welbeck.html

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これはイギリスのDailyMail紙がアフリカーナの選手に対してモンキージェスチャーをしたチェルシーのサポーターを写真入りで大々的に報じたものです。リンク先を見ていただければおわかりのように、顔まではっきりわかるくらいに引き伸ばしていて、法律をもとに警察までが動く。

もし日本の新聞がこれをやったら、「メディアの暴力だ」「どっちもどっち」と叩かれるでしょう。「どっちもどっち」のワケがない。差別は社会的不均衡のもとで初めて成立している。その前提がなければ差別は成立しないことさえわかっていない人たちが日本にこうも多いことに私は愕然としております。差別とは何なのかをもう一度一から勉強し直した方がいい。さもないと、ザイトク連中と同じレベルに留まります、

スポーツの世界だけでなく、近代社会において差別が避けられるのは、公正の原則に反するからであり、民主主義に反するからです。

これについては個人でカウンター行動に参加しているeastern youthのリーダー吉野寿によるブログ「天沼メガネ節」が的確に指摘しています。

http://www.yoshino-seisakujyo.com/meganebushi/?paged=2
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ネトウヨはデマと差別が大好き。デマもまた公正さを覆す。卑怯な人間が好む差別とデマでしか自分の正当性を主張できない連中であります。

ネトウヨに限らず、ザイトクvs.カウンターを「右翼vs.左翼」と見るムキがあるわけですが、何が行われているのか理解する気のないことをそうも堂々表明しなくてよろしい。検索して、それらの活動をしている人たちのTwitterでも見ればわかるように、左派もいますけど、右派もゴロゴロいる。右でも左でもない人はもっとたくさんいる。パンクスもいればラッパーもいる。サラリーマンもいれば学生もいる。ノンケもいればゲイもいる。公正な社会を求めることに仕事も思想も年齢もセクシュアリティも関係がない。国籍も関係がない。

「しばき隊やプラカ隊は朝鮮人だ」なんてデマをせっせとネトウヨは垂れ流しているわけですが、事実として、多数は日本人です。在日や韓国からの留学生、また、台湾から日本に来ているのも参加していますが、あんなレイシストの前に堂々と顔を晒せるとなると、日本人になってしまいます。ネトウヨには想像しにくいのでしょうが、当たり前のことです。

参加している人たちにほぼ共通しているのは自分たちが暮らす社会が公正であることを望んでいるってことかと思います。個人によって事情はさまざまであり、濃淡もありましょうけど、結果として、在日外国人や新大久保という街を守ることにはなっても、多くの人が守ろうとしているのはこの社会です。

これはレイシストvs.反レイシストの闘いであり、公正な社会を卑劣な手段でぶち壊したい勢力と、公正な社会を創り出したい勢力の闘いです。

つうことで、21日、懲りないザイトク一派のデモがまた新大久保であります。

「デモに反対の意思表示をしたい」という方はこちらを参照してください。

また、同日、大阪でもレイシストの街宣とデモがあり、それに対する反対の意思表示をしたい方はこちらを参照してください。

追記:大阪は、神鷲皇國會の幹部が次々と逮捕されたため、街宣、デモとも中止となり、よってカウンターも中止となりました。http://calendar.zaitokukai.info/kinki/scheduler.cgi?mode=view&no=112 京都の街宣は行われます。http://calendar.zaitokukai.info/kinki/scheduler.cgi?mode=view&no=127

追記2:群青さんが指摘しているように、ここで「神鷲皇國會は壊滅だぁ」といい気になっていると、カウンター側もやられます。「神鷲皇國會はあまりに悪質」「ネトウヨはこの辺でお灸をすえないと危険」と警察が判断しているだろうことは報道から察することができますが、同時に「ザイトク一派vs.カウンター」の騒ぎを抑えたいという意思もありそうですから、警察はカウンター側も締め付けておこうと考えそうです。トラメガしばきに参加する方々はくれぐれもご注意のこと。歩いて怒鳴っている分には捕まえようがないですが、集団でトラメガを使って移動しているのは違法と判断される余地がありますので、警告が出たらすぐにトラメガの使用はやめた方がよいかと思います。騒ぎの中では警告が聴き取りにくいと思いますので、互いに注意しあった方がよいでしょう。

追記3:この記事も参照のこと。ミラン:「差別があれば国際舞台でも試合中止にする」 イタリアやスペインでは、なお差別的野次が横行しているらしいのですが、反レイシズムがサッカーの世界標準になるのは時間の問題だろうと思います。