2013-01-30
お部屋2484/古い原稿を大量公開中【追記あり】
風営法改正問題については、もっと書いておくべきことがあると思っていたのですが、その後もちいとも議論が深まらないため、すっかり興味をなくしました。この国では、広範な議論によって、よりよい制度を作り出していくなんて無理なんすね。ガックリしました。
アホ臭くなって、1月はずっとメルマガ「マッツ・ザ・ワールド」読者用に、古い原稿の公開を進めてました。今現在、19冊分の単行本未収原稿を公開しています。原稿用紙換算で7000枚、280万字くらい。まだ完成していないですが、これ以外に4冊同時進行で公開作業中です。
次回の購読者募集は3月でありますが、この時の購読者は少なくともこの19冊分は読めるようにする予定です。今年中には50冊分くらい公開したいとも思ってます。
すでに絶版になっているもの、現在品切れになっているものも、こちらで公開していく予定です。デジタルの公開について契約書に入っているのはたぶん1冊だけだと思いますので、あとは全部出します。契約書に入っているもので、品切れになっているのも絶版通告しようと思ってます。
ゲラまでできていたのに単行本になる話がポシャった『Q2のある素敵な暮らし』も公開したいところですが、あれの入ったハードディスクが読み込めなくなったため、救出できたら公開します。
インタビュー原稿もいっぱいあるのですが、許諾がとれたものと問題のないもののみ出していく予定です。
ちなみに現在公開しているのは以下の19冊。
●風俗ゼミナール・最上級女の子編 22本
●風俗ゼミナール・特上女の子編 21本
●風俗ゼミナール・最上級お客編 24本
●風俗ゼミナール・お店編 27本
●風俗ゼミナール・ダークサイド編 21本
●60分ロマンス・指名編 14本
●桃色世界 20本
●桃色人間 20本
●街の灯り 9本
●街の香り 8本
●街の翳り 7本
●風俗巡礼記 14本
●蒙昧メディア 9本
●魔境の迷路 15本
●公序良俗クソババァ 12本
●改竄された歴史 全4章
●教えてクレイチ! 1 全9章
●教えてクレイチ! 2 全9章
●教えてクレイチ! 3 全8章
ほとんど風俗ライター時代に書いてあったものです。
●「風俗ゼミナール」シリーズは売れたのですが、4冊目は売れなくなってしまい、これだけ増刷にならず。しかし、原稿はまだまだあったのであります。打ち切るのが早すぎたかもしれない。これで単行本になったものを含めて全9冊終了です。掲載は風俗誌が中心。
●「風俗ゼミナール」が売れなくなったため、方向転換のために出したのが『60分ロマンス』でしたが、これも売れなかったので、1冊で終わりました。このシリーズも原稿がまだまだあって、また、未発表原稿も多く、少なくともあと2冊公開する予定。雑誌に掲載したものについてはほとんど風俗誌。
●『桃色世界』『桃色人間』はエロい人たちの話を集めたものです。「ぐろぐろ」的要素も入ってます。掲載誌はバラバラで、風俗誌だったり、「URECCO」だったり。「ナックルズ」だったり。
●『街の灯り』『街の香り』『街の翳り』は各地の風俗取材です。このあと『街の火照り』を公開予定です。単なる風俗店の取材ではなく、摘発に関するものや、飛田の女の子たちとおばちゃんの座談会、男娼の取材ものなど内容はさまざま。これも掲載誌はバラバラで、「ダークサイドJAPAN」だったり、「アクションカメラJr.」だったり、「エクストリーム・ラブ」だったり。
久田将義編集でやっていた「アクションカメラ」の連載が入っているハードディスクが壊れてしまったため、これが救出できればあと2冊分はあります。『街の盛り』『街の滴り』というタイトルにしようかなと。
●『風俗巡礼記』は『風俗見聞録』の続き。『風俗見聞録』も売れなかったものですから。いろんなテーマの探訪もの、調査ものです。これも掲載誌はバラバラで、「SPA!」だったり、「S&Mスナイパー」だったり、「バンディッツ」だったり。少なくともあと一冊続きます。
●『蒙昧メディア』は佐野眞一の『東電OL殺人事件』をボロクソに批判したものや、「週刊朝日」の捏造疑惑についての質問状、承諾していないコメントを勝手に使ったデタラメな記事を出してなお開き直る「週刊実話」とのやりとりなど、メディアを批判したものです。掲載誌は「ダークサイドJAPAN」とネット。
佐野眞一を批判した長文は久田将義編集で、久田君がこの本を読んで呆れて原稿を依頼してきました。10年前に佐野眞一の書くことがいかに信用できないかを指摘していたのであります。この文章は本人も読んだと聞いてますが、反論はなし。反論できなかったのでしょう。その時に反省していればあんなことにはならなかったものを。起用するメディアが狂っているって話ですけどね。
●『魔境の迷路』『公序良俗クソババァ』はいずれも『風俗バンザイ』に入れなかった「創」の連載です。当初この連載は、性風俗の世界がどうなっているのかを見ていくものだったのですが、それについては『風俗バンザイ』でまとめたため、以降は「売買春はなぜ肯定されるのか」を論じていくものになっていきます。なお、「公序良俗クソババァ」というのは本文に出てくる竹中労のフレーズです。
「創」と決裂して以降、初期「黒子の部屋」で公開していた売買春についての長文はこのあとまとめていく予定。これも2分冊か3分冊になる予定。
●『改竄された歴史』はメルマガで書いたものや「黒子の部屋」に書いていたもの。こういうものは書かせてくれる商業誌はないのであります。売買春否定論者たちが、どんだけ捏造と改竄を繰り返してきたかを細部にわたって検証しています。そのひとつは短縮版を「黒子の部屋」に公開しましたが、こっちではそのオリジナルに加筆したものを出しています。
●『教えてクレイチ!』は風俗誌「Ping」とそのサイトでやっていたQ&Aです。雑誌は毎月、サイトは毎週で、連載が長かったので三分冊です。今は読めなくなっているので、こっちでまとめておきました。
当面は風俗ライターとしての仕事をまとめていく予定ですが、そのあとはエロ以外を出していき、メルマガのバックナンバーもテーマごとにまとめていきます。すでに連載500回を越えているメルマガの「松沢式売春史」もすべて公開する予定。これだけで全10巻になりそう。そこまで行き着くのは来年以降になると思いますが。
電子書籍の話が時折持ち込まれ、「んなもん、たいして売れず、なのに契約で縛られるんだったら、購読者に無料で公開すればいいべ」という気分になったために勢いでやっているだけで、どこまで公開するか、いつまで公開するかは不明ですが、興味のある方は3月の募集時にお申込みください。
追記:これがえれえオモロイ展開を見せていて、続々電子書籍化される可能性が出てきました。今までもおいしいところだけつまんで電子書籍化しないかという話はあったのですが、それとは全然違う規模と方法になるかもしれない。こっちとしては引き続きメルマガ読者には無料公開することを条件にしてまして、たぶんクリアできると思います。したがって、メルマガを購読していただければタダで読めますけど、単体で読みたい方は電子書籍を購入してください。決定すればこの春のうちにはスタートできるかと思います。まだ五分五分ってところですけど、私の子どもじみた構想をまともに聞いてくれる会社が出てきたこと自体が嬉しいし、出版界ではもはや商品価値がないとされてきた原稿群を商品化しようとする会社が出てきたこと自体がありがたい。