2011-05-09

お部屋2209/瞬く間のアジール 5.7 原発やめろデモ!!!!!!!

遅れていた原稿を書き終えたので、土曜日に渋谷で行われた「5.7 原発やめろデモ!!!!!!!」について書いておきます。

あいにくの雨で、集合場所は当初閑散としていて、知人らと「今日は大丈夫なのか」と話していたのですが、閑散としているように見えたのは、高円寺の公園と違って集合場所が広かったためでもあって、スピーチやバンドの演奏が始まる頃には、ステージ代わりのテープルの回りは人でいっぱいに。

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藤波心の話と歌

高円寺のデモより、年配の人が増えた印象もあります。ネットを使っていないため、高円寺についての情報をあとになってから知って駆けつけたり、「素人の乱」を冷ややかに眺めていた人たちが無視できなくなったのでありましょうか。ビラ配りをする市民団体の数も一気に増えた印象です。

団体の旗も増えたんじゃなかろうか。普通のデモっぽくなってつまらなくなった感もありますが、全体から見ればほんの一部なのでまあいいか。

20mSv問題をプラカードにしている人たちがいっぱいいて、スピーチでも多くの人がこれに触れていました。もしここから目を逸らすために、浜岡原発運転中止要請を出したとしたら、失敗しています。少なくともここに来ている人たちに関しては。

やがてスタート。

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※先頭はジンタらムータ、曲は「プリパ」

私は第3梯団あたりに混じってスタートしたのですが、友人と私は根性がないので、途中で休憩をして、歩道を歩きました。

そのすぐに近くにいたのですが、原宿駅近くで2名が逮捕されます。サウンドカーとデモ隊の間に機動隊が入って分断。それに対してデモ隊が抗議している際にもみ合いになった模様。

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こちらに出ていた写真を拝借

これはひどいです。交通渋滞を避けるなどの正当な理由がある限りにおいて、デモ隊を分断することはやむを得ない。しかし、この場合は、そのような事情などありはしない。事実、私が見た限り、他のサウンドカーでは、ここまで離されておらず、それで問題は起きていないのですから、そうする合理的な理由はなかったと見ていいでしょう。

たとえばデモを5人単位で10メートルくらい離して分断することが許されるのかどうかって話で、ここは抗議していい。私は見ていないし、公開されている写真や動画を見ても、よくわからんので、その抗議が正当な範囲だったのかどうかについては判断不能です。

しかしながら、警察のおかげで、この日はあちこちでいい光景を見ることができました。

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※原宿交差点近く

なぜああも長い間デモ隊を進めなかったのかわからないのですが、交差点で足止めし、その場に立ち止まるしかなくなったドラム隊がうねりだし、瞬く間に歩道から通行人たちやカメラマンが集まってきます。四列縦隊が崩れ、歩道と車道の境界が消えて広場と化しました(四列縦隊は都条例によるものらしいのですが、条文が見つからないです)。この状態が5分から10分くらい続いたんじゃなかろうか。

あのドラム隊は、毎回、その日限りの寄せ集まりらしいのですが、バラバラのまんまでひとつの固まりを作り出して、その固まりのリズムがちょっとずつ変わっていくんですね。面白いなあ。

新宿西口広場は、ギターをもって立っているだけで注意される場所になっています(三田格による)。そんな広場が奪われた街に突然現れた解放区でした。音の力です。

普通であれば、警察は「デモ隊は速やかに進みなさい」と命令するところですが、速やかに進めていないのは警察ですから、どうしようもない。

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※原宿交差点

ここでも同じような光景が見られました。

私らはビルの2階にあるカフェでアイスコーヒーを飲みながらデモを眺めていたのですが(休憩しすぎ)、この時、音とマイクが絶妙で、隣の美容室のおねえさん方も外に出て眺めていて、店の中にいるスタッフまで体でリズムをとってました。ありゃ踊りますよ。

この日はコースもよくて、井の頭通りに入ったあたりから道が狭くなり、車もそうは動けないため、今度はクラブと化してました。

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※宇田川町交番横

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※東急本店通りに抜ける道

私が見た範囲で、この周辺がもっとも盛り上がっていたと思います。これは人の多さと道の狭さ、スピードの遅さによるものですが、やはりサウンドデモだからこそ。

私が目撃できたのはデモのほんの一部であって、さらにいい光景がいっぱい見られたはず。

ああも分断されたら抵抗したくなる気持ちは理解はできるし、事前の申し入れをするなり、事後の抗議をするなりは必要だと思うのですが、それに伴うリスクを考えると、参加者がその場で強く抵抗するよりも、その規制をすり抜ける方法、逆手にとる方法を考えた方がいいんじゃないか。とくにサウンドデモの場合はそれが可能だと確信した次第。

その際、サウンドカーに頼らず、個人が楽器を持ち寄って、バラバラに音を作り出す方がさらに強い。バラされてもバラされてもくっつく。指揮者がいなくても音を積み重ねていくことができる集団は強い。

もうちょっと書きたいことがあるのですが、長くなりそうなので、また次回

このエントリへの反応

  1. 7日は地元神戸でこじんまり行われたデモに参加してきました。
    主催者発表は450人。主催者が若い兄ちゃんだったせいか団体色は薄く、ギターベースボンゴカウベルが鳴り響く、意思をはっきり打ち出したパレードって感じでした。

    規模の大小はあれど、原発というものがコミュニティを完膚なきまでに破壊するものである以上、こういうそれぞれの生活の場で、「お前の村の踊りを踊れ」っていう意思表示の動きが同時多発的に起こって行くことが重要だと思います。

    4月16日の御堂筋デモで打楽器の威力を思い知ったので、210円のシェイカー握って参加。
    ギター&ベースの二人組に勝手にまじってシャカシャカ鳴らしてきました。
    やっぱりここでも長髪ボンゴ男、アメリカンクラッカー二人組、60過ぎのカウベル持ったおっちゃんたちがバラバラわらわらと集まってきてバンドはみるみる増殖して行きました。
    音は強いです。

    一応主催者からは、センター街(三宮のメイン商店街)に入ったら鳴り物は控えめにとの注意があったのですが、音楽は途切れず。
    買い物客も笑ってる人が多かったです。
    小規模デモだったからか警察もそれほどうるさくはなく。

    終点のメリケンパークに着いてからも盛り上がりは続き、主催者が「これ以上マイク使ってなんかやってると僕がどっかに連れて行かれるので、流れ解散でーす」と宣言するほどに音楽が鳴り続けていました。

  2. 松沢さん。

    お初にご挨拶いたします。手前、「教科書が教えない小林ナントカ」なるご本で拝見して以来の、松沢さんの文章のひそかなファンでございやす。

    さてこの日私もタンバリン一個持って参加しましたが、勝手わからず最後尾になってしまい、サウンドの届かない場所だったのがちょっと残念。なので逮捕騒ぎも知らぬが仏でした。

    最後の一節に強く同感です。向こう様はきっと計画通りだったのでしょう、「とりあえず2人くらい」みたいな。それに釣られず、のらりくらりと、抑えても抑えてもあちらからこちらから、ひとり一人から澎湃と音が沸き起こるみたいなのがきっと一番強いです。地鳴りのように。わしらが鳴らすのではない。百姓が鳴らすのだ。

    呼びかけ文の
    「■ドカドカうるさいマーチングバンド!!!!
    だれでも参加可・経験不問・リーダーなし・指揮者なし・持ち曲なし・ルールなし・練習無用・うちあわせなし。」
    というのが好き。すごく好き。これで参加を決めたくらい好き。

    だからここに惹かれて来る人がもっと多ければなあと、勝手ですが、思います。

    All God’s Chillun’ Got Rhythm.
    金と力はないけれど。ぼくらにはリズムが。
    リフジンを笑いのめすために。

    長文失礼しました。またどこかでお目にかかります。

  3. なめぴょんさま

    写真を見ると、神戸のデモは歩道を歩いてましたね。「車道から見る風景」が私は好きだったりもするのですが、歩道のデモは街との一体感が強そうです。
    神戸は考える契機としてのデモみたいな打ち出しをしていて。「デモ表現派」の私としては、百花繚乱状態になってきているのが本当に頼もしい。

    Ustなどでデモの中継を見ている人って、そんなに多くはないんですけど、私はよく見ていて、音の重なり方がデモによって違っているのが見所のひとつです。
    たまたまその時そうだっただけかもしれないけど、福岡はピアニカか何かの音が重なっていて、祭りの囃子に近かったんですよ。ピアニカが横笛の役割です。さすがどんたくの博多だと思いました。適当に楽器を持ち寄っているのに、地域性や個性が出てしまう。それが表現というものです。

  4. クレヨン伯爵さま

    状況から見て、あの隊列が「特別扱い」されたことは間違いなさそうです。それに対して批判、抗議することと、うまく逆手にとることは両立できることなので、どっちもやっていくのが正解でしょう。

    足止めを食らった時に、「チャンス」と思って音を出すしたたかさも必要で、あのドラム隊はそれを実行して、瞬く間に路上を広場にしてしまったのが素晴らしかったなあ。

    分断されたことによって、原宿、渋谷全体が広場になったとも言えて、イキな警察の演出と思っておけばいいんじゃないかな。

  5. こんばんは。

    先日のサウンドデモに参加しました。
    楽しかったし、有意義でした。
    人が多すぎたせいか、私がいた近辺でもサウンドカーやバンドから離れてしまい、
    ちょっと寂しかったです。
    めげずに次回以降はなにか楽器を持参してサウンドデモを盛り上げたいと思います。

    あと、ご存知かも知れませんが東京都内ではヘブンアーティストという制度があり新宿駅前でもたまに楽器の演奏をしている人がいます。
    素人が自由にやっては駄目というのはちょっと変だと思うのですが、ご参考までに。
    http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/heavenartist/

    これからも頑張ってください。

  6. 猫八さま

    猫八さんには日の丸を掲げて欲しかったな。高円寺には日の丸がいたのに、今回は見かけなかったので。批判していた人たちがいたので、居心地が悪くなったのかもしれない。そうやって原発とは無関係なところで排除するのはよくないっす。

    つうか、猫八さんは容認派じゃなかったっけ。それもまたよしですが。

    ヘブンアーティストは私の知人も登録していますが、審査がありますからね。ヘタクソな素人がやってもいいじゃん。

  7. 松沢様。
    一応、私は極右民族派を自認しているのでそれらしき出で立ちで参加しております。
    4・30の渋谷のデモでは特攻服に日の丸ハチマキ、
    http://youtu.be/w2xjvzpfF4o

    5・7のときは東電の近くを通ると聞いたので放射線防護服でしたが途中から迷彩服の完全武装でした。
    結構、評判が良かったです。これかもそのようなアピールをします。
    現在のような事態では、あまりイデオロギーとか関係ないんじゃないないでしょうか。
    ランキンタクシーさんの歌みたいに放射能は右左関係ないので何か言われたらそう答えるつもりです。

    確かに私は原発容認推進派だったのですが大地震以降結構悩んで、
    松沢さんの黒子の部屋やネットゲリラ等読んだり、
    ポット出版の抵抗の花見に参加してフッ切っれました。
    原発はいらないです。
    事故ったら解決にどれくらいかかるかわからないのですから。
    爆発するはずの無い原子炉が爆発して、代替案だのおかしくて。
    無けりゃ無いで我慢するなり工夫するのが大事だと思うようになりました。
    それが、ひいてはお国の為だと思っております。
    私はそういう極右民族派です。Twitterのフォロワーさん、だいぶ減っちゃいましたがしょうがないです。
    (首にタオル巻いて寝たら風邪を引いてしまいましたが)。

    連投申し訳ありません、またイベントやデモでお会いしましょう。
    どうぞ、お体をお大事に。
    ありがとうございました。

  8. 猫八さま

    >現在のような事態では、あまりイデオロギーとか関係ないんじゃないないでしょうか。

    関係あるとしても、そこでぶつかることはなかろうと。主義主張を伏せることでぶつからないようにするのではなく、主義主張を出したまま場を共有している状態がいいなと思ってます。

    そっか、すでに反原発に回ったか。それはそれは。

  9. 松沢さま

    デモ規制の件、都の公安条例では規制内容については特に規程がなく、第三条各号のいう事項に対して「必要な条件をつけることができる」とあいまいです。だからこそ都公安委員会は、デモ「許可」に際していくらでも不当な条件をつけられるカラクリになっています(実質的には警備公安警察が決めていると思いますが)。

    集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(東京都公安条例)
    http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012205001.html

    第三条 公安委員会は、前条の規定による申請があつたときは、集会、集団行進又は集団示威運動の実施が公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合の外は、これを許可しなければならない。但し、次の各号に関し必要な条件をつけることができる。(中略)
    三 交通秩序維持に関する事項
    四 集会、集団行進又は集団示威運動の秩序保持に関する事項

  10. noizさま

    公安条例は見ていたんですけど、別途施行規則みたいなものがあると思っていました。それがないってことは、あたかも四列縦隊が決まりであるかのように警視庁や公安委員会が扱っているだけなのですね。

    四項はいらんな。何がデモの秩序であるのかはデモ側が判断することであって、「公共の安寧を保持する上に直接危険を及ぼすと明らかに認められる場合」以上に介入すべきではないです。