2009-12-16
お部屋1993/「実話ナックルズ」久田将義編集長の弱点
前に紹介した「実話ナックルズ」のブログですが、大変面白い内容になってますので、ぜひご覧になってください。
今のところ、久田編集長しか書いていないのですが、彼の難点は、ヤクザやチンピラの脅しには強いのに、インターネットにはからきし弱いことです。この弱点を克服させるべく、時折講義してあげているのですが、まだよくわかっていないみたい。12月24日、「ナックルズ」のイベントでも説教してやろうと思ってます。
彼は「ネット情報は当てにならない」と繰り返し書いていますが、ネットユーザーであれば、そんなことは百も承知、その上で「どう情報を選択していくか」「どう必要な情報を探り当てるか」が今現在のテーマであって、ネット情報を全否定していたら、「おまえにネットリテラシーがないだけだろ」「おまえもネットに書いているじゃないか」と言われてしまいましょう。
とりわけ中年世代の出版関係者には、「印刷メディアは信用できる。しかし、ネットは信用できない」なんて二者択一が成立すると考えているのが今も少なくないのですが、そんなバカげたことを言っているから読者に見離されて、部数が下落していくのです。そんなことで出版界が危機に陥っているわけではないですけど。
この辺の話は今週末発売の新刊『クズが世界を豊かにする』の主要テーマです。この本に書いているように、ある側面を取り出した時には、クズを排除してきた既存のメディアより、クズをも取り込むインターネットの方がしばしば信用できると私は思ってます。
長い間、唐沢俊一のパクリ&ガセを垂れ流してきたのは出版社。それを検証し続けているのはネットユーザーたち。それを無視して唐沢俊一を起用し続けているのも出版社。
あるいは、東村山の件でも同様です。「草の根」をサポートしてきたのは、「週刊新潮」や「週刊現代」のような雑誌であり、TBSのようなテレビです。それをコツコツと検証し、批判し続けているのはやっぱりネットユーザーたち。
以前、橋本玉泉さんが「断片的な日々」に書いていたのが、既存のメディアでメシを食っている人たちの典型的な態度でしょう。インターネットで簡単に調べられることも確認できない人が商業出版では著名な存在なのです。調べても記事にはならない。つまり金にならないからです。すべてはゼニざんす。
そんなもんです、既存メディアとそこで食っている人たちは。私だってそうです。多くの場合、既存メディアの中ではゼニでしか動けない。「ニーズがない」などと体のいい言い方をしますが、端的に言えば「売れない。よってゼニ儲けができない」ということです。
そんなものとして、なおテレビも新聞も出版も存在意義があると私は思っていますが、インターネットの登場によって、そんなもの以上のものであるかのように見せかける商売はそろそろ成立しなくなってきています。
もちろん、インターネットには、ガセ情報を検証することもできずに騒ぎを起こして次々と訴えられたり、著作権についての知識がまったくないまま、自分勝手な解釈を恥ずかしげもなく公開している「ゼリーグループ」のようなクズ中のクズもいるわけですが、「集団ストーカー被害者」くらいしか今や支持者がいなくなっているように、新聞や雑誌、テレビに力を借りずして、時間をかけて批判し続ければ、落ち着くべきところに落ち着きます。
つくづくいい時代だなあ。というのが『クズが世界を豊かにする』の内容です。こうして私が自著の宣伝につなげるのもゼニのためです。
といったように、間違った幻想を持たせないため、商業出版では、ゼニのために雑誌や本を出していることをちゃんと認めた方がいい思うのです。その中ではゼニにならないことはできません。その代わり、私や橋本玉泉さん、荒井禎雄さんは、ゼニにならないことをインターネットでやり続けているので、勘弁してください。
これ以降、「情報を選択し、検証する能力があれば、インターネットほど便利なものはない」という例をいくつか見ていこうと思ってます。もちろん、これも本を宣伝してゼニにつなげるためです。
松沢様
弱点というからサンゴ礁を持ってくるのかと思いました。
ロフトでは宜しくお願いしますね。
と言いますかこれをロフトで話して頂ければいいと思いました。
で、青木理さんには新聞評とか。ま、それはまた校了したらご相談させて下さい。
追記・カエルの卵の写真とかも持って来ないで下さい(哀願)
そろそろ新刊が君のところにも届くはずなので、それを読んでおいてもらえば、何を言わんとしているのかわかろうかと。
珊瑚礁もカエルもダメなら、蜂の巣をもっていこう。
意味がわからない人は「てぃんくるsns」に書いていた「長田長治のこと」シリーズを参照のこと。
http://sns.tinkle.co.jp/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=4439
または、『熟女の旅』を参照のこと。
http://www.amazon.co.jp/%E7%86%9F%E5%A5%B3%E3%81%AE%E6%97%85-%E6%9D%BE%E6%B2%A2-%E5%91%89%E4%B8%80/dp/4939015211/ref=sr_1_15?ie=UTF8&s=books&qid=1260974815&sr=1-15
[...] これを見ると、「ネット情報は当てにならない」という「実話ナックルズ」久田編集長の意見は正しくもあるのですが、同時に、その間違いを知ることができるのもインターネットです [...]
松沢様
うーん、とにかく粒粒で正確に並んでいるものが苦手なんです。
軽トラックで運ばれている木の切り株が見事に揃っているのが最も気持悪いです。というか、頭が痛くなります。というか気分が悪くなります。
で、ネットに関しては僕は本当に書込みなどした事がなくて、ブログが初めてです。なので、よくわからない事が多いです。ですから「押尾事件関係のネット情報に関する限り、信憑性に欠ける」といった表現が合うのでしょうか。と、なると仰る通り僕のブログもネット情報ですから信憑性に欠ける、という事になってしまいますね。
その辺りを24日の阿佐ヶ谷ロフトで話して頂ければと何となく思っています。
では、押尾学再逮捕について、既存のメディアの情報が信用できるかと言えば、そうは信用できないでしょう。
泉田とコンタクトできていた「週刊文春」が一歩リードとも言えますが、泉田の証言自体が信用できず、それをそのまま掲載した「週刊文春」はどうなんかって話にもなります。
そもそもどっちも情報なんてものは盲信できないってことです。
にもかかわらず、出版側の人間が「ネットは信用できない」みたいなことを言ってしまうのは傲慢だと思うのですよ。
こういう言い方が正しいのであれば、唐沢俊一を筆頭とするパクリ問題のほとんどがネットでの指摘や追及が先行している事実をとりあげて、「出版は信用できない」と切り捨てることも可能になってしまうわけで。
>>松沢さん
押尾事件に関してはちょっと言わせて欲しい事が!
あの事件のかなり早い段階で「ピーチジョン野口とAVメーカー桃太郎」の名前が出てましたが、押尾事件に桃太郎が関与してる的な話はAV業界人なら鼻で笑うようなデマです。
http://ameblo.jp/oharan/entry-10317995108.html
http://ameblo.jp/oharan/entry-10315969137.html
ピーチジョンを直訳して、現役ヤ○ザとして有名な桃太郎とを結び付けた発信者がいるはずなんですが、そのデマに何か目的があったのかまではわかりません。
それより大問題なのは、この”ネットだけで事実かのように垂れ流されていたデマ”に、某大手週刊誌の記者連中が食い付いて”手放しで記事にしようとした”という事です。
デマが平気で垂れ流される反面、ほんのちょっぴり真実も混じっているのがネットです。
そんなもんを情報源にして、お手軽に記事を書いて金をもらおうと考える商業誌記者のなんと無様な事か!
いつから商業誌ってのは2ちゃんねるレベルの便所の落書きになったんでしょうね?
そんな連中が「売れないから」だのなんだのツベコベぬかす様は、滑稽を通り越して驚愕してしまいます。そりゃ信用を失くして業界に金が落ちなくなって当然ですよ。
押尾事件なんてそれなりのツテを辿って少し調べれば色々と見えてくるってのに、なんでどいつもこいつもリスクを負う覚悟もなく2ちゃんねらーレベルの仕事で金を貰おうとするんでしょうかね?
結局はネットも出版も関係なく、美学だの覚悟だの根性だの気合だの、情報発信という行為に対する精神論に行き着いてしまうんじゃないかと思っています。
例えば一般ブロガーであっても同様で、根性すわってるヤツの記事は面白いし得る物が多いんですが、ヘタレが書いてるブログなんざ読んだって面白くも何ともないんです。
出版もそれと全く同じってだけだと痛感しております。コジキ根性丸出しの輩ばかり目に付き、尊敬できる先輩記者やライターなんて滅多に出会えないんですよ。
荒井さま
それでメシを食っている人間たちは、情報を収集し、裏取りをし、証言を集め、考え、執筆することに専念でき、さらにそれをチェックする人たちがいるため、間違いが起きにくいってことになっていて、あるべき姿としてはその通りなのですが、現実には、メシを食うために、ガセ臭い話でも記事にして手柄を狙い、部数を増やそうとすることにもなるし、理解するのが難しい話、訴えられるかもしれない話、読者受けの悪い話は経済効率が悪いとして切り捨てる。
商業出版はゼニが価値基準である以上、そうならざるを得ない思うのですが、そういう限界のあるメディアであることを踏まえずに、出版を無条件にインターネットの上位に位置しているかのような発想をしてしまう出版人に対して、むかつくのであります。
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