2008-05-31

お部屋1520/あれやこれやの表現規制 4-9

頭がボケちょりまして、2日連続、更新したつもりで、更新されていませんでした。もともと毎日更新するつもりではなかったので、別段気にすることはないわけですが、頭のボケ具合が気になります。

では、本題。

民主党案でもまだ議論が必要かと思いますが、自民・公明案に比べてはるかにマシであることは間違いないでしょう

これ以降の話は民主党案が出る前に書いてあったものです。自民党・公明党案に比して、いかに民主党案がすぐれているのかという話にしかならないようにも思いますが、そのまま出しておきます(その後事情が変化したところは追記で処理しました)。

知人からの情報によると、大宅文庫では、今のところ、児童ポルノだからという理由で閲覧ができないものはないようです。広く一般の人が利用する施設ではないということなのかもしれないですが、だからといって「提供」から除外されるという規定は「児童ポルノ法」にはないですから、この先どうなることやら。

自民党・公明党が主張するような形で児童ポルノの単純所持を禁止することになった場合、図書館がそのページに「要注意」の付箋を貼るだけでは意味がなくなります。処罰対象ではなくても、所蔵していること自体が禁止になる。各出版社も同様です。それらを資料室に保存することもできない(追記1:所持は原則禁止、性的好奇心を満たす場合は処罰ということからすると、処罰されないだけで、図書館の保存も禁止ということでしょう)。

エロ本研究家の私のところにも来るかもしれない。私自身、明治時代の写真だからと言って性的好奇心が満たされないとは言えない。現実には、とっくに被写体が死んでいるこんな写真で興奮しようがなく、デヴィッド・ハミルトンの写真であれ、清岡純子の写真であれ同様ですが、それでも性的好奇心が満たされないことを立証するのは困難です。私がそれらを所有しているのは、好奇心と言えば好奇心であり、性的と言えば性的ですから。

単純所持が罰せられるとなれば、私も懲役刑になるかもしれない。うちにある雑誌や本を全部チェックするだけで何ヶ月もかかるでしょうから、チェックしている間に逮捕されるかも(追記2:自民党案でも、1年間の猶予を置いてますが)。

単純所持が罰せられるようになると、自分のヌード写真やセミヌードの写真を所持しているだけで逮捕されかねない。

自分のヌード写真を所有している人は少ないでしょうけど、児童ポルノを所持している人たちはたくさんいます。しかも、そうと気づいていない人たちがたくさんいる。実際、ほとんどの人は、世間一般に言われている犯罪がらみの「児童ポルノ」と、少女ヌードとはまったく別のものと認識するはずで、まさか自分の所持しているものが所持さえできなくなるとは想像しにくい。

しかし、「児童ポルノだと思っていなかった」というだけでは「過失なし」とはされない。昔の雑誌や本であれば、年齢が記載されてますから。

単にアイドルの資料として、雑誌を所有しているだけでも自動的に児童ポルノがついてくる場合があります。そのページを探して切り取って破棄しておかないと、何かの容疑で家宅捜査された場合に、児童ポルノ所持が発覚するかもしれない。

ほかの容疑をかけられたときにも、別件で児童ポルノ所持で逮捕されかねない。痴漢の冤罪で逮捕されたときにも「自宅からは児童ポルノが押収され、近くこの容疑でも再逮捕の予定」と報道されて、「やっぱり痴漢をしていたんだ」というイメージが作られてしまうかもしれない。かつては読売新聞社のお墨付きのものだったのに。

さらには、パソコンでたまたま開いたページにそういった写真があっただけだけでも、所持という状態になってしまいます。

この辺の危険性については、AMIの要望書を参照してください。単純所持を禁止している国ではすでにその危惧が現実のものになっているのです。

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イギリス反戦運動のシンボル的ロックバンドMassive Attackの3D氏は、イラク戦争の直前に、ドラッグ所持容疑とインターネット上で児童ポルノ閲覧の容疑で逮捕された。後に証拠不十分で彼は釈放されたが、反戦運動へのダメージを狙ったものではないかと推測されている。

http://www.guardian.co.uk/arts/news/story/0,11711,904051,00.html (2003年2月27日)
http://www.guardian.co.uk/arts/news/story/0,11711,920888,00.html (2003年3月24日)

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こんなおっそろしい法律を今まさに自民党や公明党は作らんとしています。そりゃ為政者にとって、これほど便利な法律はない。

国にとって都合の悪い人間はいつでも逮捕できる社会。北朝鮮や中国みたいなものとでも言いましょうか。

そう言えば、中国は今でも乳首さえ雑誌に出せません。AVはありますが、着衣です。バカバカしくて、私は中国AVが好きなんですけど、エロを過剰に規制しようとする社会は危険です。エロを過剰に規制しようとするヤツらは、必ずキンタマや陰唇の裏側に別の目的を隠しもっているってことを指摘しておきます。

まだまだ続きます。